過酷なサッカー留学と、売れない営業マン時代の挫折
──逆境経験について教えてください。
これまでの人生で大きな逆境は2つありました。1つ目は、高校時代のサッカー留学です。プロを目指して熊本県の高校に進学したのですが、入部初日に監督から「これからの3年間は刑務所に入ったつもりでやれ」と宣告されました。寮からグラウンドまでは片道16キロもあり、毎日自転車で片道1時間かけて通う過酷な日々でした。他県から来た同級生や新入部員が数日から1ヶ月で次々と辞めていく中、私は地元の友人たちに「県外で勝負してくる」と大見得を切ってしまった手前、後戻りができなかったのです。楽しいサッカーなど一度も経験できず、ただひたすらに耐え抜く3年間でした。
2つ目は、大学を卒業してGMOインターネットに入社した1年目です。プロサッカー選手の夢を諦め、IT業界という全く新しい世界に飛び込んだのですが、入社から半年以上、営業成績が全く上がりませんでした。同期14人の中で最下位というどん底からのスタートです。それまで男性社会の厳しい部活の中で「誰にも負けない」というプライドを持って生きてきましたが、声色を巧みに変えて次々と契約を取る優秀な女性営業マンの姿を目の当たりにし、自分の未熟さを痛感して完全に鼻をへし折られました。
不器用でも「逃げないこと」が道を開く
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
一言で言えば「逃げないこと」の大切さです。家業を営む父からは、「一回決めたことは最後までやり遂げろ」と昔から口酸っぱく言われていました。お金を払いながらあそこまで理不尽できつい部活を3年間やり抜いた経験は、「どれだけ辛くても絶対に逃げない」という私の根幹を作ってくれました。
また、小中高、大学とすべてでキャプテンや副キャプテンを務める中で、チーム全体を俯瞰して考える視点も養われました。私は決してサッカーの技術がずば抜けていたわけではありません。しかし、みんなが苦しい時に声を出し、誰よりも真面目に走るタイプでした。その泥臭く真っすぐに向き合う姿勢があったからこそ、周囲に認めてもらえたのだと思います。トップセールスを目指して泥水すする思いで努力した経験も同じです。どんなに不器用でも、真正面から向き合い、逃げずに継続する力が、結果的に壁を突破するための最大の武器になるのだと確信しています。

売上まで作る「動線設計」と、プロフェッショナルとしての誇り
──会社の強みや魅力について、教えてください。
当社が強みとしているのは、Web広告やGoogleマップ運用といった「集客ツールの販売」ではなく、「集客→成約→再来店」までの動線設計です。 よく経営者の方に例えるのですが、一般的なWeb代理店は「お腹が痛いです」と言われた瞬間に、薬を提案する物売りになりがちです。「META広告を出しましょう」「MEOをやりましょう」と、症状に対してサービスを提案して終わり。しかし本当に必要なのは「なぜお腹が痛くなったのか」「昨日何を食べたのか」から診断する医者の視点です。そもそも売上が上がる導線があるのか、集客の入口から成約、再来店までがどう繋がっているのかを設計する。それが当社の13年変わらない考え方です。
具体的には、ChatGPTやGeminiに選ばれる設計(AI検索対策/AIO)、Googleマップ集客、SNS運用、そして商談・成約支援までを 一つのエンジンとして組み立てます。「検索で上に出る」時代から 「AIの答えに出る」時代への転換を、店舗・クリニックの集客現場で実装しています。月に何十万もの広告費を捻出できない地方の中小企業様や店舗事業主様に対しては、広告に依存せず、投稿や口コミといった「資産として積み上がる」施策を組み合わせて提案しています。広告は止めれば集客も止まりますが、投稿や口コミは残り続けます。
今後の展望としては、創業時の理念である 「プロフェッショナルとして現状に満足しない向上心を持ち、成長し続ける」という原点に立ち返りたいと考えています。
現在、社内は経営メンバーを中心とした強いプロ意識を持った業務委託のメンバーの組織へと再編しました。それぞれがミッションを深く理解し、お客様に結果でお返しする。そんな少数精鋭のプロフェッショナル集団として、これからも成長を続けていきます。
「こうなりたい」と「こうはなりたくない」の2軸を持つ
──若者へのメッセージをお願いします。
皆さんにお伝えしたいのは、「今の自分を作っているのは、一世代前の自分だ」ということです。40代の私を作っているのは30代の時の私であり、30代を作ったのは20代の時の私です。今の時代は選択肢が豊富で、壁にぶつかればすぐに転職や別の道を選ぶことも簡単になりました。しかし、一つのことを泥臭く追求し続けることでしか見えない世界や、たどり着けない場所が必ずあります。
何かを続けるうえで大切なのは、「こういう人間になりたい」という理想と、「こういう人間には絶対になりたくない」という反面教師の2軸を自分の中に持つことです。この2軸が明確であれば、どれほど苦しい状況に直面しても「ここで逃げたら自分の理想が終わってしまう」と踏みとどまることができます。不器用でも構いません。愚痴をこぼさず、逃げずに一つのことを真っすぐにやり抜く経験が、皆さんの次の10年を創るかけがえのない財産になるはずです。

