葛藤の日々——「最適ではない提案」をせざるを得ない苦悩
──逆境経験について教えてください。
前職の会計事務所に勤務していた頃、自分の力ではどうにもならないもどかしさを抱えた時期がありました。仕事に取り組む中で、提携している金融機関との兼ね合いなどから、目の前のお客様にとって「これが最善策ではない」と思いながらも、特定の提案をしなければならない場面に直面したのです。
もちろん、会社として利益を追求する必要があることは頭では理解していました。しかし、それっぽい言葉を並べてお客様に納得していただき、契約を進めていく過程は、私にとって非常に苦しいものでした。自分自身の裁量では変えられない組織の枠組みや仕組みの壁にぶつかり、「一体何のために、そして誰のために仕事をしているのだろう」と、強い悔しさと葛藤を覚える日々でした。

原点の再確認——「本当にお客様を助けたい」という揺るぎない想い
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
その苦しい経験があったからこそ、自分が仕事を貫く上で「何を大切にしたいのか」を深く再認識することができました。葛藤の中で自問自答を繰り返した結果、行き着いたのは「やはり私は、心からお客様のために仕事をしたい」というシンプルな、しかし絶対的な想いだったのです。
売上を上げることももちろん大切ですが、それ以前に「困っているお客様を助けたい」という気持ちが、私の根底に強く根付いていることに気づかされました。この気づきは、今の仕事のスタンスに直結しています。現在は、会社の都合を押し付けるのではなく、本当にお客様に寄り添い、必要な提案を真っ直ぐにお届けできる環境で力を発揮できています。あの時の苦い経験が、結果として私の軸を確固たるものにしてくれたのだと感じています。
黒字でも安心できない——「これからの数字」を見据え、会社の未来を支える財務支援
──会社の強みや魅力について、教えてください。
私たちは、財務や事業承継のコンサルティングを通じて、素晴らしい商品や技術を持ちながらも、資金繰りに悩む企業を支えることを使命としています。
会社は利益が出ていれば必ずしも安心とは限りません。利益が出ていても、お金の流れを見誤れば資金が不足し、事業の継続が難しくなることもあります。だからこそ私たちは、「今、いくら利益が出ているか」だけでなく、「この先、いくらお金が残るのか」「新しい挑戦をしても大丈夫なのか」「借入金を無理なく返せるのか」といった、未来の数字を見ることを大切にしています。
税務や会計がこれまでの数字を整理する仕事だとすれば、財務はその数字をもとに「これから会社のお金がどう動くのか」を考え、経営判断につなげていく仕事です。私たちは経営者と一緒に未来の数字を考え、安心して挑戦できる経営の土台づくりを支援しています。
今後はさらに支援の幅を広げ、より多くの企業が安心して未来へ進めるよう、経営者にとって身近な財務パートナーを目指していきたいと考えています。

まずはやってみる——小さな成功体験を積み重ねて楽しむこと
──若者へのメッセージをお願いします。
はじめから「自分には向いていない」「合わない」と決めつけて諦めるのではなく、まずは何事にも挑戦してみてほしいと思います。私自身、もともとは文系出身で決して数字が得意なわけではありませんでしたが、一歩踏み出してやってみることで、その中に「楽しい」と思えるポイントを見つけることができました。
楽しむための秘訣は、「小さな『できた』を積み重ねること」です。新しい挑戦は誰でもストレスを感じるものですが、「昨日わからなかったことが、今日は一つできた」という小さな成功体験が、「次も頑張ってみよう」という確かなモチベーションに繋がります。明るく前向きに楽しそうに取り組んでいれば、周囲の人も自然と手を差し伸べてくれて、必ず良い循環が生まれます。ぜひ、好奇心を持ってさまざまな世界に飛び込んでみてください。
