MiraError(ミラエラ)

【株式会社アンピケ 田中 智樹】自己を客観視する「内省力」で挫折を乗り越える。知的好奇心を胸に新たな価値を創造するリーダーの挑戦。

2026/11/02

Profile

田中 智樹

株式会社アンピケ  代表

1992年生まれ、佐賀県唐津市出身。公務員や教員の多い家庭に育ち、小学1年から剣道を始める。青山学院大学でも剣道部主将を務め、スポーツ一筋の学生時代を送る。大学時代に民間企業のビジネスの面白さに触れ、新卒でベンチャー企業に入社。11年間にわたり、BtoB営業、福岡支店立ち上げ、地方支店統括、新規事業の責任者を歴任。2026年7月に独立し、株式会社アンピケを創業した。
「自分自身で能力を身につけ、どんな環境でも必要とされる人間になりたい」。公務員という安定した将来像から一転し、成長著しいベンチャー企業へ飛び込んだ田中氏。営業成績最下位という挫折や、マネジメントでの苦い経験をいかにして乗り越え、年間ギネス記録更新や新規事業の立ち上げへとつなげていったのか。持ち前の「自己分析力」と「一つのことを極める力」を武器に、新たな挑戦を続ける田中氏の軌跡と、若者たちへの熱いメッセージに迫った。

営業成績最下位への転落と、部下を疲弊させたマネジメントの挫折

──逆境経験について教えてください。

新卒でベンチャー企業に入社し、大きく2つの挫折を経験しました。
1つ目は、入社1年目の頃です。最初は同期の中でもそこまで悪くない成績だったため、少し油断してしまいました。その結果、だんだんと売れなくなり、気付けば営業成績が最下位にまで落ち込んでしまったのです。中途で入ってきた先輩たちにもどんどん差をつけられていきました。自分が力をつけたいとあえて厳しい環境を選んだはずなのに、こんな成績しか出せないのかと、非常に情けなく感じました。

2つ目は、入社4年目で自ら志願して福岡支店を立ち上げ、支店長のような役割を担っていた時のことです。若くして上に立ったこともあり、当時の私はマネジメントが全く上手ではありませんでした。部下ができていないところばかりが目についてしまい、無表情のまま淡々と詰めるようなコミュニケーションを繰り返していたのです。その結果、部下たちをひどく疲弊させてしまいました。自分でも「これではダメだ」と頭ではわかっていたのですが、どうしても感情をコントロールできず、答えの見えないもどかしさに苦しみました。

徹底した「内省」と「相手を信頼する心」へのパラダイムシフト

──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。

営業成績が最下位になった時、私は開き直って一からやり直す決意をしました。休日に一人で会社に行き、「売れている人と自分との差分は何なのか」を徹底的に分析したのです。さまざまな仮説を立てて検証するうちに、自分は「なんとなく」の動きをするのではなく、「論理に基づいた戦略的な考え方」を得意とする人間なのだと気付きました。そこから自分のスタイルを確立し、最終的には年間ギネス記録を更新するまでに成長することができました。

一方、マネジメントの挫折は、私の価値観を根底から覆す出来事になりました。部下と一緒に進めていた施策が失敗した際、原因が部下ではなく、私の指示の出し方や事前調査のミスにあると気付いたのです。「本当に申し訳ない、自分がミスをしてしまった」と素直に謝罪しました。すると、疲弊しきっていたはずの彼らが、「もう一度やりましょうよ」と前向きな言葉をかけてくれたのです。
その瞬間、「私は今まで、この人たちのために仕事をしてこなかった」と猛省しました。自分が成り立っているのは、彼らがこんなにも頑張ってくれているからこそなのだと痛感したのです。それ以来、部下を心から信頼し、相手の立場に立って考えるマネジメントへと一気に切り替わることができました。幼い頃から剣道を通じて養ってきた「自己を客観視する力(内省)」が、これらの壁を乗り越える原動力になったのだと感じています。

知的好奇心を刺激し、関わる人と共に社会課題を解決していく

──会社の強みや魅力について、教えてください。

「アンピケ」という社名には、フランス語の響きも交えつつ「人の知的好奇心を掻き立てる」という意味合いを込めています。周りの人たちと一緒になって好奇心を持ち、良いものを広げていきたいという思いが原点です。

現在は主に3つの事業を柱としています。1つ目は、企業の顧問として事業戦略の設計から現場への落とし込みまでを伴走する「事業開発・事業成長支援」。2つ目は、自治体と連携しながら移住促進などの社会課題解決に取り組む「官民連携事業」。そして3つ目が「採用支援」です。前職での11年間で培った人材業界の知見や、新規事業立ち上げの経験をフルに活かし、お客様に価値を提供しています。

今後のビジョンとしては、むやみに会社を急拡大させるのではなく、一緒に働いてくれる社員や地域社会に対して、しっかりと高い水準で給与などを還元できるような組織を作っていきたいと考えています。人口減少が進む社会において、効率的で生産性の高い事業を通じて経済成長を支え、社会に必要とされる会社であり続けることが目標です。

「T字型」の人間を目指し、向いていることを「得意」になるまでやり抜く

──若者へのメッセージをお願いします。

「とりあえず3年働いたら転職しよう」と考える方が増えていますが、組織の中でしっかりと成果を出し、ポジションを上げていくことでしか得られない経験もたくさんあります。色々な職場を転々とするだけではなく、「世の中の仕組みはどうなっているのか」を本質的に考えた上でキャリアを選んでほしいと思います。成長とは、何か一つの強みを極め、そこから幅を広げていく「T字型の人間」になることだと私は考えています。

もし今「やりたいことがない」と悩んでいるなら、まずは自分が「向いていそうだな」と思うことを、”得意になるまで”続けてみてください。何事も上手にできるようにならなければ、面白さは感じられません。得意になれば自然と面白くなり、そこから道が開けてくるはずです。
また、自分を知るための「自己分析」も、一人で考えるだけでなく、実際に人に話してフィードバックをもらってみてください。他者の反応から自分とのズレに気付き、それを修正していくPDCAを回すことで、より深く自分を理解できるようになるはずです。焦らず、目の前のことにしっかりと向き合い、自分だけの強みを磨き上げてください。

株式会社アンピケ

設立 2026年7月事業開始
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 非公開
事業内容 採用支援(採用設計・RPO)/事業戦略・営業推進支援/官民連携事業の企画・推進
URL