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【株式会社山元紙包装社 山元 康平】度重なる危機を乗り越え、V字回復へ。「人」を大切にするパッケージ会社の挑戦。

2026/10/28

Profile

山元 康平

株式会社山元紙包装社 代表取締役

山元家の長男として生まれ、学生時代はバスケットボールに打ち込む。関西外国語大学に進学し、アメリカ留学を経験。卒業後は繊維商社で海外営業として約11年間勤務し、グローバルな舞台で活躍する。2020年2月、33歳で家業である株式会社山元紙包装社(ヤマゲン)に入社。数々の逆境を乗り越え、現在は代表取締役として「関わる人がみんな、笑顔になれるパッケージ会社」を目指し、社内環境のアップデートを推進している。
入社直後からさまざまな困難に直面しながらも、未来を見据えた投資と、社員の主体性を育む組織づくりを通じて会社を軌道に乗せた山元氏。今回は、逆境をどのように乗り越え、成長につなげてきたのか、その歩みとともに、今後のビジョンや次世代を担う若者たちへのメッセージを伺った。

度重なる大ピンチ。死に物狂いで駆け抜けた日々

──逆境経験について教えてください。

入社直後の2020年2月、まさに新型コロナウイルスの蔓延とタイミングが重なりました。売上は激減し、3期連続の赤字という大ピンチに陥りました。さらに、物価高騰などの影響も重なり、年間5,000万円ほどの売上があった一番の得意先との取引が「ゼロ」になってしまうという絶体絶命の危機も経験しました。

また、私が社長に就任した直後には、会社の屋台骨であった中堅の営業社員が2名同時に去り、経理や社内SEの担当者も退職してしまいました。社内にシステムや数字が分かる人材がいなくなってしまったため、私自身が経営や営業をこなしながら、夜中の3時まで数字の突き合わせを行ったり、生成AIを頼りに社内SEの業務を引き受けたりと、まさに死に物狂いの日々でした。

失敗と向き合い、社員の主体性を引き出す組織へ

──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。

コロナ禍や大手との取引減少によって、有り余るほどの時間ができたことは、逆転の発想で「前向きな投資」に頭を使うチャンスとなりました。作業場から仕事がなくなり、雇用の継続も心配される状況でしたが、あえて商品開発や補助金を活用した設備投資を進めました。その結果、特許商品である「ターントップ紙袋」の実現やインクジェット機の導入に繋がり、利益を生み出す新たな武器を手に入れることができました。

組織づくりについても、大きな学びがありました。以前は問題が起きればすべて私が介入して解決していましたが、それでは「社員の主体性や成長の機会を奪ってしまう」と気づきました。現在では社員が自ら考え、行動し、互いに話し合える環境づくりに注力しています。ピンチの後に加わってくれた新しいメンバーたちは非常に優秀で、互いに助け合いながら、ヤマゲンをより良い会社へと進化させてくれています。

「人」の力を強みに、着実な右肩上がりの成長を目指す

──会社の強みや魅力について、教えてください。

弊社は、創業70年を超える歴史の中で培ってきた協力工場様との強力なネットワークを持っています。そのため、紙袋からエコバッグ、印刷箱に至るまで、単一の商品ではなく、多様なパッケージの印刷製造をワンストップでご提供できるのが大きな強みです。

また、昨今はインターネットで完結するサービスが増えていますが、弊社はあえて「人」による丁寧な対応を大切にしています。SEOやウェブ広告で集客しつつも、豊富な知識を持つ営業アドバイザーがお客様のご要望をしっかりとヒアリングし、細やかな提案を行います。さらに、製造側のプロ人材や最新設備と連携することで、業界随一の「小ロット・短納期」の対応を実現しています。これは、他社には簡単に真似できない強みだと自負しています。

今後の展望としては、「関わる人がみんな、笑顔になれるパッケージ会社」というミッションの体現です。今期からは社員同士が「ありがとう」のメッセージと共にポイントを贈り合う「RECOG(レコグ)」というアプリを導入し、コミュニケーションの見える化を図りました。お金以外の「働きがい」や「仲間を助ける前向きな姿勢」が評価されることで、社内の雰囲気はますます良くなっています。急激に規模を拡大するのではなく、社員の力を引き出せる良い環境を整え、ゆっくりでも着実に、右肩上がりで成長し続ける企業でありたいと考えています。

AI時代だからこそ、泥臭い「経験」が最大の財産になる

──若者へのメッセージをお願いします。

20代のうちは、とにかくがむしゃらに働き、色々な人と出会い、たくさんの経験を積んでほしいと思います。私自身も20代の頃は、海外営業として世界を飛び回り、刺激的で充実した日々を送りました。年齢を重ねて家庭を持つと、自分のためだけに使える時間やエネルギーはどうしても限られてきます。だからこそ、体力も時間も自由になる若いうちに、自己投資を惜しまず挑戦してください。

今の時代、スマホを開けば情報があふれ、生成AIがいつでも正しそうな答えを出してくれます。しかし、自分自身で仮説を立て、行動し、失敗から改善するという泥臭い「経験」こそが、皆さんの本当の血肉となります。そのようにして成長していく姿を見れば、自然と応援してくれる人が周りに現れ、人の力を借りながらより大きな仕事ができるようになるはずです。

仕事は、単にお金を稼ぐためだけのものではありません。人に喜んでもらい、自分自身の成長にも繋がり、豊かな人生を創り出すための一石三鳥のフィールドです。ぜひ、主体的に学び、行動することを楽しみながら、充実した社会人生活を送ってください。

株式会社山元紙包装社

設立 1970年6月
資本金 1000万円
売上高 非公開
従業員数 24名(2026年6月時点)
事業内容 紙袋・パッケージの企画、製造、販売
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