フリーランス独立直後に直面した「報酬未払い」の危機
──逆境経験について教えてください。
一番の逆境は、今から約10年前、フリーランスとして独立して間もない頃に経験しました。当時の収益は月に10万〜20万円ほどしかなく、決して余裕のある状態ではありませんでした。そんな折、ある制作会社から二次受けとして比較的大きな案件を受注し、無事に納品を終えました。「この入金があれば生活が少し楽になる」と心待ちにしていたのですが、待てど暮らせど支払いがなく、いわゆる「未払い」が発生してしまったのです。
何度連絡を入れても返信は来ず、かと言って裁判を起こすほどの資金的な余裕もありませんでした。当時は親から少しお金を借りて何とか生活をつなぐような状況で、精神的にも経済的にも本当に苦しい時期でした。軌道に乗り始めた矢先に足元をすくわれ、明日の生活さえ見えなくなったこの出来事が、私にとって最も大きな逆境でした。
無知を反省し、圧倒的な行動力と家族の支えで乗り越えた壁
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
未払いの被害に遭い大変な思いをしましたが、そこで他責にするのではなく「お金回りのことを全く知らなかった、無知な自分が悪いのだ」と真っ直ぐに反省しました。自分の甘さを痛感したからこそ、二度と同じ失敗は繰り返さないと心に誓い、そこからはとにかく営業をかけていきました。失敗をしっかりと受け止め、次に向けて圧倒的な「行動」を起こすことが状況を打破する鍵だと学びました。
そして、もう一つ私を支えてくれたのが家族の存在です。特に妻は、生活が苦しいどん底の時でも「あなたなら大丈夫だよ」と信じて声をかけてくれました。この言葉があったからこそ、心が折れることなく踏ん張ることができたのです。普段から「言ったことはやる」という信頼関係を積み重ねていたからこそ得られた応援だと思いますし、人との関わりや身近な存在の大切さを深く噛み締めました。
本質を表現するデザイン提供と、「感動体験」を届ける新たな挑戦
──会社の強みや魅力について、教えてください。
現在の主軸事業は、ホームページ制作、グラフィックデザイン、そしてSEOに重きを置いたWebマーケティングです。当社の最大の強みは、クライアントの事業を100%理解した上で、その事業に最もマッチしたクリエイターを選定できることにあります。一般的な制作会社では、自社に所属するデザイナーの得意なテイストにデザインが偏りがちですが、当社は事業の本質を第一に考え、外部のデザイナーやコーダーを厳選してチームを組みます。また、北海道という地域性を活かし、本州に比べてコストを抑えながら高品質なものを提案できる点も強みです。
今後は、私の根底にある「ワクワク」や「感動」というテーマにフルコミットすべく、事業を転換していきたいと考えています。具体的には、壁に映像を投影し、触れると反応するような「移動型の体験型クリエイティブ」を展開していく予定です。貧富の差に関係なくすべての子どもたちに平等な感動体験を届けたいですし、お年寄りの方々にも人生の終盤で心が動くような素晴らしい思い出を作ってほしい。そんな思いから、数年以内には北海道から本州へと活動の幅を広げ、人々の心を動かす会社へと成長させていくことが今の大きな目標です。

AI時代だからこそ、リアルの場で「やりたいこと」を声に出そう
──若者へのメッセージをお願いします。
今の時代、AIを使えば素晴らしいアイデアはいくらでも簡単に出すことができます。しかし、そのアイデアを「どう実行するか」という行動力を持っている人は驚くほど少ないのが現状です。だからこそ、頭で考えるだけでなく、実際に実行に移して世の中の人に見つけてもらうことが何よりも重要になってきます。
また、SNSのような狭い世界で自分の思いを発散させて満足するのではなく、リアルの場で「自分はこれをやりたいんだ!」と大きな声で発信してください。行動して直接人と会い、そこから生まれる「縁」を大切にすることが、起業時や困難な時にあなたを助けてくれる力になります。恥ずかしがらずに自分の意志をリアルな場で示せる人が、これからの社会で必ず活躍していくはずです。

