予期せぬトラブルや資金ショートの危機。予測不能な逆境だらけの人生
──逆境経験について教えてください。
これまでの人生を振り返ると、基本的には逆境だらけだったと思います。順調にいっているように見えても、実は思惑通りにいかないことの方が多く、特にお金の部分では何度も苦労を重ねてきました。
中でも一番の転機であり最大の逆境だったのは、20代前半で不用品回収の個人事業主をしていた時のことです。ある日、仕事で高速道路を走っていたら、ガソリンメーターが異常な速さで減っていき、車内にガソリンの匂いが充満しました。慌てて料金所で車を停めた直後、なんと車が全焼してしまったんです。火は料金所にも燃え移り、後日、損害賠償として約800万円という途方もない金額の請求が来ました。
当時はこれから結婚を考えていた時期でもあり、目の前が真っ暗になりました。さらに、保険会社からは「約款に定義されていない予測不能な事態だから」と最初は保険の適用外だと言い渡されてしまったんです。自己破産も頭をよぎるほどの絶望的な状況でしたが、保険の仕事をしている父親が間に入って懸命に交渉してくれた結果、最終的になんとか保険が下りることになり、文字通り人生を救われました。
また、起業した時も決して順風満帆ではありませんでした。映像制作事業を立ち上げた当初は人脈もお金もなく、親から借りた130万円を元手に会社を設立しました。設立費用を差し引くと手元にはわずかな資金しか残らず、何もしなければ3ヶ月後には資金ショートで会社が潰れるというギリギリの状態でした。そこから必死で営業をかけ、交流会に飛び込んでプレゼンし、泥臭く仕事を獲得していく日々でした。
失敗は存在しない。選んだ道を自らの力で「正解」にする圧倒的な行動力
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
幼い頃から、現実に対して悲観しても何も変わらないと悟っていました。一般的な感情にどっぷり浸かってパフォーマンスを下げても、意味がないんです。私は、人生において「失敗」はないと思っています。うまくいかないことがあっても、それは単なる「発見」に過ぎません。
目の前にいくつかの道が現れた時、どれを選んでも絶対にうまくいくと決めています。大切なのは、一番心惹かれたものをすぐに選んで行動に移し、もしダメだったらその時にまた次の策を練ること。成功確率なんて気にしません。選んだ道の上で、成功確率を上げるための行動をすればいいだけですから。
また、逆境や壁に対する捉え方も大きく変わりました。例えば、3メートルの壁が現れたら、人は「超えられないかもしれない」と苦しくなります。でも、実はその壁は「ジャンプして指先がギリギリ引っかかる高さ」だからこそ苦しいんです。富士山のように高すぎるものは、そもそも壁として認識することすらありません。つまり、逆境として目の前に現れる問題は、自分が「扱える範囲のこと」でしかないんです。頑張れば超えられる範囲に来たんだな、と捉えることで、逆境すらも楽しむことができるようになりました。

AIの実務活用を伝え、日本から「物質的・精神的な貧困」をなくす
──会社の強みや魅力について、教えてください。
私たちの強みは、AIの凄さをただ伝えるのではなく、「AIをどう実務に活用するか」に特化したフルオーダーメイドの対面研修を提供していることです。専門用語を噛み砕き、お客様の課題に徹底的に寄り添ったヒアリングを行うことで、現場ですぐに活かせる研修を作り上げています。AIの進化は凄まじく、3年前に初めて触れた瞬間「これは世界を変える」と確信し、事業をAIへとピボットしました。
私は「日本から貧困をなくす」というミッションをずっと掲げています。AIが人間の代わりに生産的な活動を担うようになれば、モノの製造コストは下がり、結果的にモノが溢れて価格がゼロに近づいていくでしょう。そうすれば、金銭的な貧困は自然と解決へ向かうはずです。
しかし、私がなくしたいのはお金の貧困だけではありません。「友達がいない」「お金がない」「愛されていない」と思い込む「心の貧困」こそが問題です。本当はすでに与えられているのに、それを受け取るセンサーを自分で切ってしまっている人が多すぎます。AI時代になり、人々が生産活動から解放されたとき、問われるのは「どう在るか」です。「足りない」という前提から生きるのではなく、「すでに満たされている(足るを知る)」という在り方を届けるために、私はこのAI事業をやっています。
「特異点」であれ。決められたパターンを抜け出し、言葉に一貫して生きよ
──若者へのメッセージをお願いします。
「特異点」であってください。人と異なることを恐れないでほしいのです。人生というオープンワールドのゲームの中で、あなたは「村人A」として生きますか?それとも、自分自身をコントロールする主人公として生きますか?
逆境が来たら折れる、いつも同じ人間関係でつまずく、大衆が右に行くから自分も右に行く。これらはすべて「パターン」で生きている証拠であり、それは村人Aと同じです。みんなが苦しいと言っている時に「楽しい」と言い、みんなが浮かれている時に真剣に取り組む。そうやって常に人と異なる視点を持ち、迎合しないことが大切です。
世の中を引っ張っている人たちは、みんな「変」な人たちです。でも彼らが魅力的なのは、自分が宣言した言葉に一貫して生きているからです。言葉と一貫して生きるということは、周囲から浮くことと同義です。それでも、状況や環境のせいにせず、自分が「こうする」と決めた言葉を行動で証明し続けてください。あなたの人生の種が「スイカ」なら、どんなに雑に育ててもスイカが実ります。やり方に固執するのではなく、自分はどう在りたいのか。その「在り方」を大切に、自分の言葉にコミットする人生を歩んでください。


