売上激減の窮地に突きつけられた「1ヶ月で2,000人と繋がる」課題
──逆境経験について教えてください。
去年の1月から7月にかけて、会社の売上が激減したことです。その前年の年末には仕事の予定がたくさん入っており、「これなら半年くらいは余裕でやっていけるだろう」と楽観視していました。しかし、年が明けてから予定されていた案件が延期になったり、不調に終わって制作がなくなったりと、次々に仕事が消えてしまったのです。結果的に、大学生のアルバイト代、下手したら高校生のお小遣いにも満たないような月が半年間も続きました。
これは本当にまずいと焦っていたとき、当時お世話になっていた経営コンサルタントの先生から「Facebookを使って、1ヶ月で2,000人の経営者と繋がり、そこからアポを取って仕事を取りなさい。それができなかったら独立を辞めて会社員に戻れ」という非常にスパルタな課題を出されました。
そこからはもう必死です。1日に400件ものダイレクトメールを送り続け、なんとか26日目に2,000人の方と繋がることができました。結果的に直接の仕事には結びつきませんでしたが、多くの方とつながりを持つことで違う形で財産となり、無我夢中で行動し続けた期間でした。

「限界までやり切る」ことで見えた自分の甘さと可能性
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
この経験から、大きく3つの教訓を得ました。
1つ目は、これまで自分が「必死に取り組む」という経験をしていなかったことに気づけたことです。独立後、紹介などで少しずつクライアントや仕事量が増えてきたことで、「なんとなくこのままいけるのではないか」と甘く考えていた部分がありましたが、それを払拭することができました。
2つ目は、「苦手」と言っていられるのは、まだ余裕がある証拠ということを実感しました。私は本来人見知りで、営業活動を避けていました。しかし追い詰められると「苦手」と言っている余裕はありません。苦手だろうと何だろうとやるしかないのです。ですので、もう苦手だという言葉も言うことはなく、何でも取り組むようになりました。
そして3つ目は、苦手のところから続いている部分もあるのですが、「自分の限界まで行動してみる」ことの重要性です。最初からできない理由を探すのではなく、まずは限界までやり切ってみる。その上で、スケジュールに無理があったり、方向性が間違っていたりするなら、そこから軌道修正していけばいいのだと学びました。
見栄えだけじゃない、企業の「盲点の窓」を開けるデザイン
──会社の強みや魅力について、教えてください。
当社の強みは、単に見栄えを良くするだけのデザイン会社ではないという点です。私は自社を「経営者の『盲点の窓』を開ける総合制作会社」と位置づけています。
心理学に「ジョハリの窓」というものがあります。自分に対する認識と他者からの見られ方のズレを4つのマトリックス(窓)に分類し、自己理解と円滑なコミュニケーションを深めるためのものです。その4つの中に「他人は分かっているが、自分は分かっていない」という『盲点の窓』があります。実は、自分たちの会社の本当の強みやアピールポイントを自身で理解できていない企業様は非常に多いのです。これは大なり小なりほぼ全社と言っても過言ではありません。それを私は長年のコピーライターとしての経験を活かし、丁寧な取材を通して経営者の視点や想いを汲み取り、その「盲点の窓」を開けるお手伝いをしています。その過程から、パーパス・ミッション・ビジョン・バリューと10年以上使える会社の「芯」をしっかりと定めてから、会社案内やホームページ、動画など、お客様が本当に必要としている媒体へと落とし込んでいきます。
今後の展望としては、まだ自社の強みが気づいていない企業様に対し、根本の整理から伴走していきたいと考えています。そして強みをしっかり形にしてアピールできれば、企業の売上が上がり、働く人たちがハッピーになる。さらに、そのサービスを必要とする別の企業が導入することでハッピーになり、世の中がもっと便利・快適・安全安心になる。そんな日本全国が良くなるサイクルを生み出すサポートを続けていきたいと考えています。

他人の評価に流されず、自分の信じる道を形にする
──若者へのメッセージをお願いします。
「他人の評価を絶対と思わず、自分が良いと思ったことを信じてやり続けること」です。
私もそうでしたが若い頃は、「お前にはセンスがない」と言われた経験もあります。しかし、たとえ他人からどう評価されようとも、自らの意志で諦めずに続けさえすれば、必ず何か一つの「形」になります。「自分はこれだけ頑張ったんだ」と胸を張って誇れるまでやり抜くことが、やがて揺るぎない自信へと繋がります。もちろん素直に人のアドバイスを聞くことも重要ですが、そのバランスを保ちながら、自分自身で良いと思ったことを信じてやり続けてください。

