どん底の1年半と、「息をするだけでお金が減る」恐怖
──逆境経験について教えてください。
一番のどん底は、新卒で入った地元の不動産会社を辞めた後の期間です。当時の私は、ただレールの上を歩くように生きてきた優等生タイプでした。しかし、職場でいわれのないいじめに遭い、さらに同時期に祖母が亡くなったショックも重なって、うつ病になってしまったのです。
結果的に2年ほどでその会社を退職したのですが、そこから約1年半は、実家の布団から起き上がることすらできない、まさに暗黒の時期を過ごしました。ただ、その何もできない日々の中で、税金や年金などで「息をしているだけでお金が毎月何万円も減っていく」という現実を突きつけられました。あの時のお金に対する恐怖は、今でも鮮明に覚えています。
でも、そんな時期を乗り越えられたのは、もちろん自分自身が少しずつ前を向けるようになったこともありますが、周りの人たちの存在も大きかったと思います。友人たちが変わらず接してくれたことや、何気ない言葉に救われたことは、今でも忘れません。
実は今年に入ってからも、人を信用しすぎて詐欺に遭い、借金を抱えるという人生最大級のピンチを味わっています。経営者の方々からは「それでこそ一人前だ」と笑って励ましていただいていますが、本当に怒涛の1年でした。
それでも、あの「息をしているだけでお金が減る恐怖」を味わった過去があるからこそ、何が起きても前を向いて踏ん張れているのだと思います。そして、苦しいときに声をかけてくれたり、支えてくれたりする人がいることのありがたさも、以前より強く感じるようになりました。

自己犠牲をやめ、「自分を優先しよう」と決断
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
うつ病で休んでいた1年半の間に、私は自分の性格を根本から変える決断をしました。それまでの私は、自分が我慢して場が和めばいいという「自己犠牲」の塊だったのです。無意識のうちに無理をして笑い、他人が求めているだろうことを先回りしてやってあげる「ありがた迷惑」な部分もありました。
しかし、その生き方はもうやめようと決意しました。「自分の気持ちを優先しよう」「自分がされて嫌な事をやらない」という引き算の生き方に変えたのです。友人たちが「倫代はそのままでいいんだよ」と支えてくれたことも、大きな転機になりました。
自分を変えようと思えたのも、そばにいてくれた人たちがいたからこそだと思っています。何か特別なことをしてもらったわけではなくても、変わらず接してくれたことが、当時の私には本当にありがたかったですね。
また、専業主婦としての子育て経験も、私を大きく成長させてくれました。子どもは自分から生まれても決して所有物ではなく、自分の価値観がダイレクトに影響する存在です。「良かれと思って先回りしすぎるのは良くない」と気づき、そこでもう一度自分をアップデートさせました。
失敗やどん底を経験するたびに、自分を客観視し、学び、行動を変えていく。その知的好奇心と行動力こそが、今の私を支える大きな力になっています。そして、そこに至るまでに出会った人たちや、支えてくれた人たちへの感謝も、今の自分にとって大切なものです。
本来の自分に戻すサポートを。サロンを拠点に広がる夢
──会社の強みや魅力について、教えてください。
現在私は、スピリチュアルの手法を取り入れたコーチングやカウンセリングを提供しています。通常のカウンセリングではアプローチしきれない深いトラウマを取り除き、ご自身の強みや今世での役割に気づいていただくためのセッションです。1人1人、唯一無二であり、特別じゃない人はいないって事を腑に落とししてもらいたくて、それを「本来の自分に戻す」と表現しています。
今後は、一般の方だけでなく経営者の方々へ向けたサポートも本格化させたいと考えています。イメージは「経営者にとっての昼のキャバクラ嬢」のような存在です(笑)。経営者の方々は孤独で、日々のプレッシャーや家庭の愚痴など、誰かに聞いてほしい本音をたくさん抱えています。私がそのお話をじっくり聞き、社長ご自身が心からリラックスして「緩む」ことができれば、会社にも良い影響が生まれ、ひいては日本経済が良くなっていくのではないかと信じています。
将来のビジョンは、東京に進出して自身のサロンを開くことです。そこをハブにして、子ども向けの教育講座やスピリチュアル講座、経営者カウンセリングを展開したいと考えています。
さらに、児童養護施設を出た若者たちをスタッフとして雇用し、町のご用聞きなどを行いながら、地域通貨のようなポイント制で彼らが講座を受けられる仕組みを作るのが夢です。私自身もたくさんの人に支えてもらったからこそ、今度は誰かが安心して前に進めるような場所を作りたい。誰もが輝ける居場所を作りたいと、本気で計画を進めています。

失敗はかすり傷。女性だからこその「仮面」を楽しんで
──若者へのメッセージをお願いします。
まず伝えたいのは、「失敗はかすり傷だから、怖いときはGO!」ということです。私自身も、怖いと思いながら進んできたことがたくさんあります。でも、振り返ってみると、その先には思いがけない出会いや学びがありました。だからこそ、恐れずに飛び込んでみてほしいです。
そして、どんな状況になっても絶対に腐らないでください。あなたが一生懸命に生きている姿を、ちゃんと見てくれている人は必ずいます。私自身も、これまでたくさんの人に支えてもらったからこそ、そう思っています。
また、これからのライフプランに不安を抱える女性には、「仮面をかぶることを楽しんでほしい」と伝えたいです。女性の人生には、妻、母、仕事人など、いろいろな役割を求められるタイミングがあります。そのたびに大変さを感じるかもしれませんが、見方を変えれば「いろいろなキャラに変われる女優」になれるということです。
女性にしかできない役割を誰かに明け渡すのではなく、マルチタスクが得意な女性ならではの強みを発揮して、ご自身の人生を謳歌してください。結婚する・しないは自由ですが、私個人としては「子育て」は本当におすすめです。見返りを求めない無償の愛を知り、親である自分自身を最も成長させてくれる素晴らしい経験になりますよ。
私自身、子育てを通してたくさんのことを学ばせてもらいました。子どもを育てているつもりでも、実際には自分自身が子どもから教えてもらうこともたくさんあります。だから、これから先どんな道を選んだとしても、周りの人とのつながりを大切にしながら、自分らしい人生を楽しんでほしいですね。
