息苦しかった「箱入り娘」時代と、自分を取り戻すための決断
──逆境経験について教えてください。
私は幼少期から、地主で会社経営もしている厳格な家庭で育ちました。両親は世間体をとても気にしており、服装から振る舞いまで「こうあるべき」という厳しい制限がありました。親の顔色をつねにうかがい、「怒られないように」「期待に応えられるように」と自分を押し殺す毎日。いつしか、人の目ばかりを気にする引っ込み思案な性格になり、極端に自己肯定感が低くなってしまったのです。
中学生の頃には、いじられることが苦痛で不登校を考えるほど悩みましたが、親が怖くて言い出せませんでした。本当はリーダーシップを取れるような人に憧れていたのに、自分には無理だと諦めていたんです。
社会人になっても、「良いお母さん、良い妻でいてほしい」という親の理想像に縛られ、自分のアイデンティティを見失いそうになっていました。そんな重圧に耐えかね、最終的には半ば家出をするような形で一人暮らしを始めました。実家にいた頃はずっと重度のアトピーに悩まされていたのですが、家を出て一人暮らしを始めた途端、ストレスから解放されたのか、すっかり治ってしまったほどです。それほどまでに、自分を偽って生きることは大きなプレッシャーでした。
等身大の自分を受け入れ、「楽しい」に従う生き方へ
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
長年、他人の期待に応えるために「自分を作って生きる」ことの苦しさを味わいました。周りに合わせて同調しようとしたり、無理に自分を飾ろうとしたりすると、結局は自分がしんどくなってしまうんです。そのことに気付くまでに、ずいぶんと遠回りをしてしまいました。
色々な出来事や学びを経て気付いたのは、「私は9時5時で型にはまって働くような人間ではない」ということ、そして「心から『楽しい』と思えることに素直に動いていいんだ」ということです。誰かの期待を満たすための人生ではなく、等身大の自分を受け入れる。そうすることで、少しずつ自分を表現できるようになりました。
今でも「立派な経営者にならなきゃ」と無理をしそうになることもありますが、そんな自分に気付いたら立ち止まり、「等身大でいよう」と言い聞かせています。無理をして背伸びをするのではなく、ありのままの自分で勝負することが、一番自然で力を発揮できるのだと学びました。

同じように悩む女性の「一歩」を優しく後押しする
──会社の強みや魅力について、教えてください。
「れまっぷ」では、ゼロから何かを始めたいと考えている女性起業家の方々のサポートを行っています。具体的な商品作りからSNSの運用サポート、集客代行、コーチングまで、一人ひとりに合わせたお手伝いをしています。
私の一番の強みは、クライアントの「自信が持てない」「自分を出せない」というトラウマや痛みに、深く共感し寄り添えることです。私自身が、親の目や世間体に縛られて自分を出せずに長く苦しんできたからこそ、同じような悩みを抱える女性の気持ちが痛いほどよく分かります。
ガツガツとしたコンサルティングが苦手な方でも、私のところなら安心して相談できると言っていただけます。今後は、私と同じように「何かやりたいけれど、どう一歩を踏み出していいか分からない」と足踏みしている女性たちの魅力を引き出し、生き生きと自分らしく仕事ができる女性を世の中に増やしていくことが、私の大きな目標です。
世間体という殻を破り、自由に世界を広げてほしい
──若者へのメッセージをお願いします。
ぜひ、学生のうちに海外へ出て、自分の目で世界を見てほしいと思います。旅行でも何でも構いません。
日本はどうしても肩書きや職業、世間体を気にする窮屈な部分があります。でも、私が高校や短大の時に行ったオーストラリアでは、見ず知らずの人でもスーパーで「その帽子いいね!」と気さくに声をかけてくれるような、肩書きに関係なくフレンドリーに認め合う文化がありました。そのオープンな空気に触れたとき、私はすごく心が救われたんです。
社会に出ると、「大人だから」「会社員だから」と、どうしてもパリッと型にはまらなければいけない場面が増えます。だからこそ、若いうちに多様な価値観に触れ、自由に「自分が思ったこと」を表現する感覚を身につけてほしいのです。私は他人の目を気にしてずいぶん遠回りをしてしまいましたが、皆さんには周りの目を気にせず、もっと自由に、自分のやりたいことに向かって真っすぐ突っ走ってほしいと願っています。

