憧れと悔しさの先に見つけた、所持金30円の東京放浪
──逆境経験について教えてください。
僕のキャリアの原点は、18歳の時、撮影会社の面接で「営業ではなくカメラマンになりたい」と直談判したことでした。そこで出会った上司は、僕が抱くどんな疑問にも答えてくれる、本当にかっこいい大人でした。しかし、憧れと同時に「この人に何一つ勝てない」という強烈な悔しさが芽生えたんです。
「裸一貫の自分に何ができるのか試したい」。その一心で会社を辞め、カバン一つで東京へ向かいました。今でも鮮明に覚えていますが、東京駅に着いた時の所持金は、わずか30円。友人の家を転々としたり、公園で寝泊まりしたりする放浪生活が始まりました。その後、大阪に戻って師匠の独立を手伝うことになったのですが、そこでもまた壮絶な日々が待っていました。会社立ち上げ当初は本当にお金がなく、明日の現場に行く電車賃すらままならない。ティッシュにマヨネーズをつけて空腹をしのいだことも一度や二度ではありません。まさに、不安と焦りの毎日でしたね。

「何ができるか」から「何を創りたいか」へ。逆境が教えてくれた目的思考
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
東京での放浪生活は、僕に考える時間を与えてくれました。図書館で哲学書を読み漁る中で、ふと気づいたんです。「自分に何ができるか」と過去の自分に問い続けても、何も前に進まない。本当に大切なのは、「自分はどんな未来を創りたいのか」という未来への目的意識なのだと。この発見が、僕の大きな転換点になりました。
この「目的思考」があったからこそ、その後の極貧生活も乗り越えられました。ティッシュを口にするような状況でも、不思議と「苦しい」という感覚より、「自分たちの手で未来を創っているんだ」というワクワク感の方が強かったんです。目的とビジョンさえあれば、どんな逆境も面白がれる。この経験は、何物にも代えがたい財産です。また、師匠から常々言われていた「全部揃ってからじゃないと動けない人間になるな」という言葉も、僕を強くしてくれました。
写真は「投資」。企業の未来を共に創る『目的芸術』
──会社の強みや魅力について、教えてください。
36歳の時、一度は独立したものの、広告業界の知識不足を痛感し、大阪トップクラスのスタジオにアルバイトとして飛び込みました。そこで3年間、技術から経営のノウハウまで徹底的に学び直し、40歳を前に現在の会社を設立しました。
私たちの最大の強みは、単に綺麗な写真を撮ることではありません。お客様の課題を解決するための『目的芸術』を提供することです。僕は、写真は「コスト」ではなく「投資」であり、動画は「24時間働く営業マンという資産」だと考えています。お客様の先にいるターゲットは誰か、その企業の本当の強みは何かを経営者と共に紐解き、未来の売上に繋がるビジュアルを設計する。あらゆる業種の方々と深く関わり、その世界の面白さを同じ目線で見に行けるこの仕事が、本当に楽しくて仕方ありません。

大切なのは、お客様を「自分の家族」だと思うこと
──若者へのメッセージをお願いします。
これからカメラマンを目指す人や、自分の道を探している若い世代に伝えたいのは、とてもシンプルなことです。それは「お客様を自分の家族だと思うこと」。僕がここまでやってこられた理由は、突き詰めればこれしかありません。
もし自分の家族が事業を始めたら、絶対に失敗させたくないですよね。その気持ちで仕事に向き合えば、自然と提案の質は上がり、全力でプラスアルファを追求するようになります。そうやって人のためにひたむきに努力した結果は、巡り巡って必ず自分に返ってきます。僕自身、お客様に喜んでいただくことで技術が磨かれ、次のご縁に繋がってきました。目の前のことに一生懸命取り組むその熱量が、確実にあなたの未来を創ります。
