「このままでは終われない」新規事業の責任者として感じた、もどかしさと閉塞感
──逆境経験について教えてください。
前職のライバー事務所で執行役員を務めていた頃、新規事業の責任者を任されました。0→1で事業を立ち上げること自体は得意だったのですが、当時は大きな壁にぶつかっていました。
会社からは大きな成果を期待される一方で、経営方針は手堅く、保守的。僕が描く事業計画と、経営陣が求めるスピード感や投資判断との間に、少しずつズレが生まれていきました。計画通りに進めていても「まだそれだけしか進んでいないのか」と言われてしまう。任せると言われながらも、本当の意味での裁量がないことへのもどかしさを常に感じていました。
また、執行役員という立場は、経営陣と現場の部長クラスとの板挟みになりがちです。「経営者は孤独だ」とよく言われますが、彼らには経営者同士のコミュニティがある。本当に孤独なのは、僕のような中間管理職なのではないかと感じていました。このフラストレーションと閉塞感をどうにか打破しなければならない。そんな思いが日に日に強くなっていきました。
北海道で出会った“本物”のギバー精神。直感の先にあった、人生の分岐点
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
何かを変えるきっかけが欲しいと思っていた時、ある経営者から「人間の成長と移動距離は比例する」という言葉を聞きました。その言葉がずっと頭に残っていて、「東京でくすぶっているより、外に飛び出した方がいいんじゃないか」。そう直感的に思い、予定をすべて調整して北海道のビジネスイベントへ向かったんです。
その行動が、まさに人生の分岐点になりました。北海道で出会った経営者の方々は、とにかくパワフルで、何より「ギバー精神」に溢れていたんです。まだビジネスの関係もない僕に対して、見返りを一切求めずに時間もお金も使ってくれる。その姿に、自分の考えの甘さを痛感させられました。
このまま会社にいては、自分の理想とするレバレッジの効いた事業展開はできない。もっと広い世界で、彼らのように圧倒的なギバーとして価値を提供できる人間になりたい。北海道での出会いが僕の背中を押し、独立を決意する大きなきっかけとなりました。直感を信じて動いた先に、新しい道が拓けた瞬間でした。

本質を捉え、レバレッジをかける。唯一無二の経験が切り拓く、新たな事業領域
──会社の強みや魅力について、教えてください。
2026年3月に設立した「株式会社エスレバ」という社名は、「エッセンシャル(本質)」と「レバレッジ」を組み合わせた造語です。物事の本質を追求することで、「ヒト・モノ・カネ」といったリソースに何倍ものレバレッジがかかる。この信念を事業を通じて体現していきたいと考えています。
僕自身の最大の強みは、ライブ配信業界における唯一無二の経験です。配信者、事務所の立ち上げ、人事、経営、そしてユーザーとして1000万円以上を投げ銭した経験まで、あらゆる立場を経験してきました。この圧倒的な解像度の高さを武器に、成果報酬型のライブ配信コンサルティング事業を展開しています。
また、前職で感じた「中間管理職の孤独」を解消できるようなサードプレイスを作りたいという思いから、コワーキングスペースの運営も計画しています。単なる場所の提供ではなく、人が集い、新たな価値が生まれるようなコミュニティを創出していくことが目標です。
食わず嫌いはもったいない。自分の目で見て、動いて、世界の解像度を上げよう
──若者へのメッセージをお願いします。
僕がライブ配信の世界に足を踏み入れたのは、正直に言ってかなり怪しい起業スクールがきっかけでした。多くの人はそこで扉を閉ざしてしまうかもしれませんが、僕は「なぜこれがビジネスとして成り立っているんだろう?」と裏側を知ろうとしました。食わず嫌いをせず、まず自分の目で確かめてみることが、チャンスを掴む第一歩だと思います。
そして、ぜひ「移動距離」を伸ばしてください。海外に行くだけでなく、普段行かない場所に顔を出してみる。それだけで見える世界は大きく変わります。僕自身、北海道への出張が人生を変えました。
就職活動で悩んだら、「自分がどうすれば人生を楽しめるか」という最上位の目的から逆算して考えてみてください。僕はずっと「今が楽しければ、いつ死んでも後悔はない」と思って生きてきました。目の前のことに全力で取り組む。その積み重ねが、きっとあなたの未来を面白くしてくれるはずです。


