「やればできる」が通用しない。完璧主義を打ち砕いた社会の壁
──逆境経験について教えてください。
学生時代までの私は、勉強も部活も「やればできる」と信じて疑いませんでした。常に文武両道を掲げ、バスケットボールではキャプテンとしてチームを率い、勉強でもトップクラスの成績を維持する。それは、明確な答えや勝ち負けが存在する世界だったからです。しかし、社会に出た瞬間、その価値観は根底から覆されました。
新卒で入社した大手メーカーでは、答えのない仕事の連続。今までのように、努力すれば必ず成果が出るわけではありません。完璧主義だった私は「なぜ、こんなこともできないんだろう」と自分を責め続けるようになりました。学生時代に成功体験を積み重ねてきたからこそ、できない自分を受け入れられず、どんどん生きづらさを感じていったのです。それは、人生で初めて味わう大きな挫折でした。
逆境からの学び。脳科学と哲学が教えてくれた「失敗はない」という真実
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
このままではいけない。そう感じた私は、思考そのものを変える必要があると考え、脳科学や哲学、ときにはスピリチュアルといった分野まで、とにかくがむしゃらに学びました。完璧主義で苦しんでいる自分と向き合い、その正体を探っていったのです。
その過程で気づいたのは、完璧主義とは、結局のところ「プライドの高さ」に過ぎないということ。そして、人生に「失敗」というものは存在しない、ということでした。どんな出来事も、すべてが自分を成長させてくれる貴重な経験なのだと腑に落ちた瞬間、心がすっと軽くなったのを覚えています。今では、その日の自分の感情や状態を客観的に分析し、「今日はロジカルに考えよう」「今日は哲学にヒントを求めよう」と、思考のツールを使い分けることで、自分自身と上手く付き合えるようになりました。

企業と社会を繋ぐハブに。誰もが「子どもの未来」を支えられる仕組みを創る
──会社の強みや魅力について、教えてください。
現在、弊社では主に二つの事業を展開しています。一つは、企業の社会貢献活動をプロデュースする「社長HEROs」。もう一つは、経営の専門家チームを安価にシェアできる、スタートアップ向けの「社長のミカタ」です。これらの事業の根底には、「子どもたちを守れる社会を創りたい」という一貫した想いがあります。
12歳の時に見た一枚の写真がきっかけで、ずっと子ども支援をしたいと考えていました。しかし、いざ事業として始めると、多くの経営者が社会貢献にまで手が回らない現実を目の当たりにしました。だからこそ、まずは企業が元気にならなければいけない。そう考え、スタートアップを支える「社長のミカタ」が生まれました。そして、元気になった企業が無理なく社会貢献に参加できる仕組みとして「社長HEROs」があるのです。私たちは、企業と子どもたちの未来を繋ぐ「アクションハブ」となり、誰もが当たり前に社会を支えられる世の中を目指しています。

完璧じゃなくていい。「七割できたら、やってみて」
──若者へのメッセージをお願いします。
もし今、何か新しい挑戦を前にして足踏みしている人がいるなら、「七割できたら、やってみて」と伝えたいです。かつての私がそうだったように、完璧な準備が整うまで行動できない人は多いかもしれません。でも、完璧な状態なんて、いつまで待ってもやっては来ないんです。
やってみなければ分からないことばかりですし、やってみて初めて見えてくる課題や改善点がほとんどです。大切なのは、考え続けることよりも、まず一歩を踏み出してみること。そして、走りながら修正していくことです。失敗を恐れる必要はありません。なぜなら、私が学んだように、この世に失敗なんて一つもないのですから。すべてが、あなたの未来を作る大切な経験になります。

