突然のキャプテン解任。順風満帆の中、突きつけられた「実力の世界」
──逆境経験について教えてください。
小中高と野球に明け暮れ、常にチームの中心選手として活躍してきました。高校でも1年生からベンチ入りし、新チームではキャプテンに任命されるなど、順風満帆な野球人生を歩んでいたと思います。しかし、高校2年生の秋、その自信は打ち砕かれました。
練習試合でエラーが続き、思うように結果が出せない日々。そんな中、監督からチームメイト全員の前で「キャプテン解任」を告げられたのです。これまで経験したことのない、大きな挫折でした。何より、みんなの前でその事実を突きつけられたことが、ただただ恥ずかしく、悔しかったのを覚えています。
当時は、なぜ自分が、という気持ちでいっぱいでした。しかし今振り返ると、この経験が「結果がすべて」という厳しい現実を教えてくれたのだと思います。どれだけ過去に実績があっても、今、実力が伴わなければそのポジションにはいられない。この当たり前のようでいて、当時の自分には受け入れがたかった事実を、身をもって学んだ貴重な経験です。
「食えない」日々を救った出会い。素直さが道を拓く
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
もう一つの大きな逆境は、大学卒業後です。起業を志し、あえて就職の道を選ばなかったものの、現実は厳しく、全く稼ぐことができませんでした。周りの友人たちは一流企業に就職し、着実にキャリアを歩んでいる。その姿に焦りを感じながらも、どうすればこの状況を抜け出せるのか分からず、暗闇の中を手探りで進むような毎日でした。
この苦しい時期を乗り越えるきっかけとなったのが、「人との出会い」です。特に、自分より先を走る先輩経営者の方々との出会いは、私の人生を大きく変えました。それまでの私は、どこか過信があり、人に教えを乞うことにためらいがあったのかもしれません。しかし、どうにもならない状況に追い込まれたからこそ、プライドを捨てて「教えてください」と素直に頭を下げることができた。
先輩方は、そんな私を面白がり、ビジネスのイロハから人としての在り方まで、多くのことを教えてくれました。この経験から学んだのは、困った時こそ、素直に人を頼ることの大切さです。そして、誰に教えを乞うか、誰と付き合うかという「人の目利き」が、人生を切り拓く上でいかに重要かということです。

武道×座学で引き出す「人の本質」。体感から生まれる真の成長
──会社の強みや魅力について、教えてください。
弊社の中核事業は、人材育成の研修です。その中でも特に力を入れているのが、「武道」と「座学」を組み合わせた独自の研修プログラムです。
研修では、まず座学で営業やマネジメント、時には歴史などを学びます。その後、礼に始まり、呼吸法、立ち方、そして実際にミット打ちまで行います。特に1分間の連続ミット打ちは、その人の本質が表れる瞬間です。限界に挑戦する中で、諦めてしまう人、自分を鼓舞し続ける人、達成感に満ち溢れる人など、人間模様が浮き彫りになります。
このプロセスを通じて、参加者は自身の弱さや課題と向き合い、深い内省を促されます。頭で理解するだけでなく、身体を通して学ぶことで、知識は知恵となり、血肉となっていく。心と体の両面からアプローチすることで、人の本質的な成長をサポートできる点が、私たちの最大の強みだと考えています。

出会いが未来をつくる。人間関係を選ぶ力
──若者へのメッセージをお願いします。
これからの人生、皆さんは数えきれないほどの出会いを経験するでしょう。その中で、ぜひ意識してほしいのが「誰と関わるか」ということです。良くも悪くも、人生は付き合う人で大きく変わります。だからこそ、「人の目利き」を養うことが非常に大切です。
では、どうすれば人を見極められるのか。私がお伝えしたいのは、孔子の「その人を知らざらば、その友を見よ」という言葉です。その人が、どんな人と、どれだけ長く、どんな関係性を築いているかを見てください。周りの人が頻繁に入れ替わるのではなく、長年の付き合いがある人がいるならば、その人は信用に値する可能性が高いでしょう。
そして何より、親や友人、恋人といった、最も身近な人たちを大切にしてください。すべての物事は、そこから始まります。目の前の人を大切にできない人が、より大きな成功を掴むことはできません。一つひとつの出会いを大切に、誠実に人と向き合っていけば、道は自ずと拓けていくはずです。

