父のリストラ、突きつけられた「大学には行けない」という現実
──逆境経験について教えてください。
私の人生における最大の逆境は、高校三年生を目前に控えた頃に訪れました。自動車整備士として一家を支えてくれていた父が、会社の業績悪化を理由にリストラされたのです。兄二人が大学に通っていたこともあり、私もごく自然に大学へ進学するものだと考えていました。しかし、その前提は音を立てて崩れ去りました。
父は仕事一筋の人間でしたから、職を失ったショックは大きく、生きがいをなくしたように意気消沈していました。その姿を目の当たりにし、そして日々の会話から「もうお金がないんだ」という現実を突きつけられる中で、私は自ら大学進学を諦める決意をしました。「僕が働けばいい。大学は行かないよ」。そう親に告げ、知り合いの水道屋さんで働かせてもらおうと考えていました。キャリアを築くとか、地元を離れて新しい世界を見るとか、そういった未来への選択肢を、自分から手放してしまったのです。当時は、それが仕方ないことだと自分に言い聞かせていました。
諦めの先に見つけた「選べる」ことの価値と、仕事の重み
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
一度は完全に諦めていた大学進学ですが、冬のある日、父から「なんとかするから大学へ行け」と言われました。その言葉を聞いた瞬間、驚くほど素直に「わかった。勉強する」と答えている自分がいたんです。その時初めて、「ああ、自分は本当は大学に行きたかったんだ」と心の底からの願いに気づかされました。
この経験から学んだことは二つあります。一つは、仕事を失うことが本人だけでなく、家族の人生をも大きく変えてしまうという事実です。一家の大黒柱が職を失うインパクトは、子どもの進路という未来の選択肢さえも奪いかねない。その重みを肌で感じたことが、後に人材という仕事を選ぶ大きなきっかけになりました。
もう一つは、「選べることは、それだけで幸せだ」ということです。当時の私のように、経済的な理由や環境によって「自分には無理だ」と可能性を閉ざし、選択肢を考えることすらやめてしまう人は世の中にたくさんいるはずです。だからこそ、キャリアの選択肢を広げ、一人ひとりが望む道を選べるようにサポートする今の仕事に、大きなやりがいを感じています。

「立ち上げは、面白い」。会計のプロを支える専門性と、一人ひとりに寄り添う両面型の強み
──レックスアドバイザーズの強みや魅力について、教えてください。
大学時代、友人と一緒にフットサルサークルをゼロから立ち上げた経験があります。学校への申請手続きなど面倒なこともありましたが、新しいものを創り上げていく過程は、何物にも代えがたい面白さがありました。その原体験があったからこそ、転職活動中に「大阪支社、立ち上げメンバー募集」というレックスアドバイザーズの求人を見た瞬間、心が躍り、すぐに応募ボタンを押したのを覚えています。
レックスアドバイザーズの最大の強みは、会計士や税理士といった会計・税務領域のプロフェッショナル人材に特化している点です。専門性が高い領域だからこそ、深い知識とネットワークが求められます。また、大阪支社では一人のコンサルタントが企業と求職者の両方を担当する「両面型」のスタイルを貫いています。これにより、企業のカルチャーや求める人物像、そして求職者のスキルや価値観をダイレクトに、そして深く理解することができ、情報のズレがない質の高いマッチングを実現できるのです。これもレックスアドバイザーズの大きな強みだと自負しています。

面白きこともなき世を面白く。君の心が、世界の見え方を変える
──若者へのメッセージをお願いします。
私の座右の銘は、中学時代の恩師に教わった高杉晋作の「面白きこともなき世を面白く、すみなすものは心なりけり」という言葉です。世の中、それ自体が面白いわけではない。それを面白くするかどうかは、自分の心次第だ、という意味です。
現代はSNSなどを通じて、他人の輝かしい部分ばかりが目に入り、自分の現状と比較して落ち込んでしまうことも多いかもしれません。でも、どんな状況であっても、見方を変えれば面白い側面は必ず見つかります。例えば、退屈なドラマでも「このカメラマンはどんな体勢で撮影しているんだろう?」と考えてみるだけで、新しい発見があるかもしれません。
目の前のことを「つまらない」と切り捨てるのではなく、どうすれば楽しめるか、どんな面白い側面があるかを探してみてください。物事を多角的に捉え、楽しもうとするその心が、きっとあなたの人生をより豊かにしてくれるはずです。


