志高き同期の背中が遠かった、キャリア最初の挫折
──逆境経験について教えてください。
新卒で入社した大手企業での2年間は、今振り返っても「しんどかった」の一言に尽きます。当時の私は、明確な目標もなく、ただ「給料が高いから」という不純な動機で入社しました。もちろん、入社してすぐ高収入という目標は達成できたのですが、それが満たされた瞬間、次へ進むためのエネルギーが完全に切れてしまったのです。
周りを見渡せば、「将来は社長になる」と語る同期や、誰もが知る有名大学を卒業した優秀な同僚ばかり。彼らは明確な目的意識を持ち、とてつもないスピードで成長していく。一方で僕は、彼らの高い志についていけず、次第に「こんな初歩的なことを質問していいのだろうか」と、教えを請うことすらできなくなってしまいました。それはまるで、草野球の選手が突然メジャーリーグに放り込まれ、大谷翔平選手に「野球を教えてください」とは言えないような、圧倒的な距離感と劣等感でした。結局、何も爪痕を残せないまま、2年足らずで退職することになりました。
マネジメントの壁が教えてくれた、「原理原則」の重要性
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
前職での失敗から、「お金軸だけで仕事を選ぶと続かない」という大きな教訓を得ました。次に選んだ名古屋のベンチャー企業では、「社会に足跡を残せる仕事がしたい」という思いで、がむしゃらに働きました。前職時代に叩き込まれた行動量が評価され、プレイヤーとしては成果を出し、管理職も任されるようになりました。しかし、そこで新たな壁にぶつかります。それが「マネジメント」でした。
自分が当たり前だと思って実践してきた仕事の基準が、部下には全く伝わらない。「アポイントが取れるまで電話をかけ続ける」という私の常識は、彼らにとっては苦痛でしかなく、両者の間には大きな溝が生まれていきました。稲盛和夫氏の経営哲学などを学び、なんとか部下を育てようとしましたが、空回りするばかり。そんな悩みの渦中にいた時、偶然出会ったのが識学の書籍でした。そこには、自分がこれまで抱えていたマネジメントの悩みを解決する、明確な答えが書かれていたのです。「マネジメントには正解があったんだ」と、衝撃を受けました。

組織を動かす“OS”。識学は、成長の最短距離を示す地図
──会社の強みや魅力について、教えてください。
識学は、単なる研修や精神論ではありません。人の行動原理に基づいた「マネジメントの原理原則」を理論として体系化している、いわば会社の“OS”のようなものです。例えば、部下の成長スピードに差があるのはなぜか。それは、仕事の「型」が標準化されていないからです。スポーツ選手が基礎練習を繰り返すように、ビジネスにも誰もが実践すべき基本の型があります。識学では、その型を企業の文化や目標に合わせて設計し、導入することで、組織全体のパフォーマンスを最大化させます。
この理論は、業種や会社の規模を問わず、どんな組織にも応用可能です。私自身、識学を学んだことで「前職時代の自分にこれがあれば…」と何度も思いました。今は、この理論を広めることで、かつての私のように悩む人を一人でも減らしたいと考えています。そして、私個人の目標は、識学の役員になること。経営者としてこの理論を完璧に体現し、その正しさを自ら証明したいと思っています。
“歯車になるな”という言葉に惑わされるな
──若者へのメッセージをお願いします。
もしキャリアに迷っているなら、ぜひ一度、識学の書籍を読んでみてください。すぐに全てを理解できなくても構いません。社会人として働く上での「基本の型」を知っておくことで、それは必ず、将来迷った時に立ち返るべき“地図”になります。
世の中には「歯車になるな、尖って生きろ」といった言葉が溢れていますが、基礎を知らずに尖ろうとしても、誰からも相手にされず遠回りになるだけです。まずは組織の一員として、ルールの中でしっかりと役割を果たし、認められること。その上で自分の個性を発揮していくことが、成長への一番の近道です。識学は、そのための原理原則を教えてくれます。甘い言葉に騙されず、着実に成長するための土台を、ぜひ若いうちに築いてほしいと思います。

