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【株式会社Social,Quest 久野 勇樹】「反骨心」を「感謝」に変えて。幾度の逆境を乗り越えた先に見つけた、社会貢献という名の挑戦。

2026/05/08

Profile

久野 勇樹

株式会社Social,Quest 代表取締役

1985年、愛知県生まれ。幼少期に抱えた生きづらさをバネに、15歳でドラムと出会いプロの道を志す。しかし、母親のがんを機に音楽活動を断念し、24歳で営業会社へ就職。東京支店の立ち上げなどを経験後、セカンドキャリアに悩む人々を支援したいという思いから株式会社Social,Quest(旧:株式会社エイド)を設立。幾度もの経営危機を乗り越え、現在はBPO事業やセールスプロモーション事業を展開している。
発達特性による生きづらさ、両親の離婚、いじめ、母親のがん―——多感な時期に経験した出来事を、「反骨心」というエネルギーに変えて生きてきた久野氏。プロドラマーになる夢を追い、一度は挫折するも、サラリーマンとして頭角を現す。しかし、利益だけを追求する日々に疑問を抱き、独立を決意。そんな彼を待ち受けていたのは、コロナ禍による最大の逆境だった。何度も会社が潰れかける絶望の淵で、彼が見出した経営者としての覚悟、そして社会への本当の使命とは。

売上ゼロ、払えない税金。思いだけでは会社は守れないと知った日

──逆境経験について教えてください。

会社を設立して間もなく、世界はコロナ禍に突入しました。もともと、僕自身のようにキャリアに悩む若者を支援したいという思いで転職支援事業を立ち上げたのですが、採用市場は一気に冷え込み、売上はゼロに。これは潰れる、と。生き残るために、とにかく必死でした。

知見のあったBPO事業へ急遽ピボットしたものの、事業がすぐに立ち上がるわけではありません。当時は利益を度外視してでも仕事を受けざるを得ず、手元のキャッシュは全く残らない。ついには、資金繰りは極限まで厳しくなり、納税資金の確保にも苦しむ状況でした。税務署にも相談しながら、どうにか会社を存続させるために必死で対応していました。

更に2ヶ月先には資金がショートすることが目に見えていて、夜も眠れず、頭の中がお金のことで支配される感覚でした。ただ純粋な「思い」だけで起業しましたが、それだけでは大切な従業員も、会社も、そして僕が実現したい未来も守れないのだと、痛感させられた出来事です。

善意だけでは続かない――“経営”に目覚めた転機

──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。

最大の学びは、「続かない善意は偽善だ」ということです。どんなに立派な思いや社会貢献の志があっても、事業として継続できなければ意味がない。そのためには、会社としてきちんと利益を出し、存続し続けるための「経営」が必要不可欠なのだと、脳みそが完全に切り替わりました。それまではどんぶり勘定だった財務状況を徹底的に見直し、利益構造の改革に着手しました。

不思議なことに、何度も「もうダメだ」という瞬間に、予期せぬ支えや偶然にも助けられ、紙一重で生き延びることができたんです。その経験から、僕の今の経営は「拾った命」だと思っています。「お前がやろうとしていることは社会に必要だから、是が非でもやり遂げろ」と、誰かに言われているような気がして。この命は自分のためではなく、周りのために、社会のために使おうと心に誓いました。

かつて僕を突き動かしていた「反骨心」が、今は社会への「感謝」に変わり、事業を続ける大きな原動力になっています。

利益の先にある使命――社会を変えるための事業戦略

──会社の強みや魅力について、教えてください。

現在の主力事業は、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とセールスプロモーションです。特に、公的機関関連プロジェクトの運営支援などにおいて、多くの実績を積み重ねてきました。私たちの強みは、業界で一般的な多重下請け構造ではなく、大手企業様との直接取引案件を中心に事業を展開している点です。これにより、高品質なサービス提供と安定した経営基盤の両立を実現しています。

ただ、これらの事業はあくまで目的を達成するための手段です。僕が本当に成し遂げたいのは、「有料職業紹介の完全無料化」です。かつて人材業界で働く中で、求職者の人生よりも自社の利益が優先されてしまう構造に、強い疑問を抱きました。この業界の“当たり前”を、一度根本から見直したい。利益を優先することなく、キャリアアドバイザーが心から求職者と企業に寄り添える世界をつくりたい。その壮大なビジョンを実現するために、現在は収益性の高い事業基盤を着実に育てています。

無鉄砲な挑戦が未来をつくる

──若者へのメッセージをお願いします。

とにかく、完璧に準備が整っていなくても、まずは小さく挑戦してみてほしいです。僕の人生も、受験や就職活動を経験せず、ただ「やってみたい」という気持ちだけで音楽の道に進み、わからないまま起業しました。結果的に、その挑戦があったからこそ今の自分があります。夢は簡単に叶わないからこそ夢なのですが、一度見てしまったのなら、全力で追いかけてみてください。挑戦したからこそ見える世界が、そこには必ずあります。

そして、人との出会いを大切にしてください。ある人に「『ありがとう』の反対語は『当たり前』なんだよ」と教わりました。「有り難う」とは、有ることが難しい、つまり奇跡だという意味です。人との出会いに当たり前は一つもありません。その一つひとつのご縁に感謝し、真摯に向き合うこと。それが、きっとあなたの道を拓く大きな力になるはずです。

株式会社Social,Quest

設立 2019年1⽉15⽇
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 5名
事業内容 BPO事業、セールスプロモーション事業
URL https://socialquest.co.jp/
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