栄光からの転落。トップ選手を襲った4年間のスランプ
──逆境経験について教えてください。
私の人生の大きな軸は、3歳から大学まで続けたアルペンスキーです。中学3年生で全国優勝、高校1年生ではインターハイをはじめとする主要大会すべてで入賞を果たし、当時はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。同世代のライバルにも負けない自信があり、このままトップ街道を進んでいくものだと信じていました。
しかし、その絶頂期は長くは続きませんでした。高校2年生の頃から、明確なきっかけもないまま、突如としてスランプに陥ってしまったのです。あれほど勝てていたレースで結果が出なくなり、大学時代にはヘルニアを発症するなど、怪我にも苦しめられました。
一度トップの世界を知っているからこそ、勝てない自分、できない自分が何よりも辛く、恥ずかしかった。「あいつは終わった」と周りから思われているのではないかというプレッシャーが、常に重くのしかかっていました。練習をしても結果に繋がらない、暗いトンネルの中をさまようような日々が、大学3年生まで約4年間続きました。それは、私の人生で最初の、そして最も大きな逆境だったと思います。
諦めずに続けた先にあった、人生を変えた瞬間
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
辛く、悔しさを抱える日々でしたが、不思議と「スキーをやめたい」と思ったことは一度もありませんでした。自分の中で「大学4年生まではやり切る」と決めていたからです。結果が出なくても、やるべき練習を淡々と、ただひたすらに続けました。
すると、大学4年生の時、ついに光が差します。その年の日本一を決める全日本選手権で、入賞を果たすことができたのです。長いスランプを乗り越えて掴んだ結果は、心の底から嬉しいものでした。この経験を通じて、「諦めずにコツコツと続けていれば、必ず何かしらの形になる」ということを、身をもって学びました。
この成功体験は、現在の事業にも色濃く活きています。起業の世界は明確なゴールがあるわけではありません。時には思うように成果が出ず、不安になることもあります。しかし、そんな時でも「淡々と続けていれば、道は拓けるはずだ」と信じられる。あの4年間の苦しい時期が、今の私の折れない心の礎を築いてくれたのです。

指導経験が活きる、実践型マーケティング支援
──会社の強みや魅力について、教えてください。
大学卒業後、一度は離れようとしたスキーの世界に、今度はジュニア選手のコーチという立場で関わることになりました。小学校教員の仕事と両立しながら、約10年間、子どもたちの指導にあたりました。練習メニューの考案からチームのマネジメント、練習環境の確保まで、大きな裁量権を持ってチームを運営していくプロセスは、非常に刺激的で、大きなやりがいを感じました。
このコーチとしての経験が、現在のWEBマーケティング事業の原点になっています。私たちの仕事は、ホームページ制作や広告運用といったツールを提供して終わりではありません。クライアントと深く向き合い、共に戦略を考え、試行錯誤を繰り返しながら、売上向上というゴールを目指す「伴走者」であることが強みです。
クライアントの事業が成長していく過程を間近で支援し、成果が出た時に共に喜ぶ。この感覚は、かつて選手たちの成長を見守り、大会で勝利した時の喜びに通じるものがあります。自分が得意とし、心から楽しいと思えるこのスタイルで、お客様のビジネスに貢献できることが、私たちの何よりの魅力だと考えています。
未来を切り拓くのは「やり抜く力」
──若者へのメッセージをお願いします。
もし今、何か大きな目標に向かって頑張っているのなら、たとえ先が見えなくても、辛い時期があったとしても、どうか諦めずに続けてほしいと思います。「やり遂げるまでやる」という経験は、何物にも代えがたい、人生の財産になります。
私自身、スキーでうまくいった経験もあれば、挫折した経験もあります。教え子たちの中にも、スキーの世界で大成した子もいれば、別の道で輝いている子もいます。大切なのは、一つの結果に一喜一憂するのではなく、目標に向かって「淡々とやり続ける」というプロセスそのものです。
その地道な積み重ねの中で身につけた力は、たとえ目指していた場所とは違うステージであっても、必ずあなたを支える武器になります。無限の可能性を秘めた皆さんだからこそ、目の前のことに真摯に向き合い、自分だけの道を切り拓いていってほしいと願っています。

