完璧なはずが打ち砕かれた、理不尽な「評価」
──逆境経験について教えてください。
私のキャリアにおける大きな転機は、25歳の頃に在籍していたダイレクトメールの制作会社での経験です。そこは、デザイナーとしての基礎を叩き込んでくれた場所であり、尊敬できる先輩方にも恵まれていました。しかし、当時の社長は典型的なオーナー気質の方で、その日の機嫌によって評価が大きく左右されるような環境でした。
特に忘れられないのが、社内プレゼンでの出来事です。先輩方の力も借りながら、自分自身「これ以上ない、完璧だ」と確信できるほどの提案を練り上げました。しかし、社長からの評価は「ボコボコ」という表現がしっくりくるほど、理不尽なまでに厳しいものでした。積み上げてきた自信も、周囲の協力も、すべてが無に帰すような感覚。それは単なるダメ出しではなく、人格そのものを否定されたかのような悔しさと無力感を伴うものでした。「この人は、ただ私のことが嫌いなだけなんだ」。そう思うしか、心の整理がつかなかったのです。
「弱い自分」との決別。悔しさを力に変えた出会い
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
なぜ、あんなにも理不尽な言葉に言い返せなかったのか。それは結局、「自分に力がなかったから」に他なりません。これまで、物事を俯瞰し、波風立てずにやり過ごす「世渡り」は得意な方でした。しかし、そのやり方が全く通用しない壁に初めてぶつかったのです。このままではいけない。誰にも文句を言わせないような、卓越したスキルと強みを身につけなければならない。あの時の強烈な悔しさが、私を本気で変えようとする原動力になりました。
この経験を機に、私は自己投資を始めます。特に大きかったのは、前職時代から兄のように慕っていた上司の勧めで受けた、目標達成の技術を学ぶための講座でした。そこで「人は変えられないが、自分は変われる」という考え方に触れ、過去の出来事が腑に落ちたのです。コントロールできない他人の評価に心を砕くのではなく、コントロールできる自分自身を磨くことに集中する。この視点の転換が、独立という未来へ繋がる大きな一歩となりました。

パチンコ業界で培った「なんでも作る」対応力
──会社の強みや魅力について、教えてください。
私たちの事業の柱は、紙媒体からWeb、映像まで手掛ける広告制作です。最大の強みは、その対応範囲の広さにあります。特にキャリアの初期に長く携わったパチンコ業界での経験が、現在の事業の礎となっています。パチンコ店の販促物は、ポスターやチラシはもちろん、のぼり、椅子カバー、巨大な懸垂幕、さらにはノベルティグッズまで、ありとあらゆるものが対象になります。
この「お金を出してできることは全部やる」という世界で培ったノウハウがあるからこそ、お客様のどんなご要望に対しても「それなら、こういう方法がありますよ」と最適な手段を提案できます。単なる制作会社ではなく、お客様の課題解決をサポートするパートナーとして、企画段階から伴走できるのが私たちの価値だと考えています。これまで営業らしい営業はほとんどせず、ご紹介だけで事業を続けてこられたのも、そうした姿勢を評価いただけた結果だと感じています。
未来は白紙だ。固定概念を捨て、自由に描き出そう
──若者へのメッセージをお願いします。
私が最も影響を受けた映画に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』があります。物語の最後に、主人公の未来に起きるはずだった「お前はクビだ」と書かれた紙が、白紙に変わるシーンがあるんです。未来は誰かに決められるものではなく、白紙のキャンバスのように、自分自身で作り出していける。このメッセージは、私の人生の指針になっています。
かつての私も、会社員として家庭を持ち、家を建てる、そんな「普通の人生」を歩むのだろうと漠然と考えていました。しかし、尊敬する人との出会いや、自分を変えたいという強い思いが、思考の枠を壊してくれました。今、自分が置かれている環境がすべてではありません。もし現状に満足していないなら、何かを変えたいと願うなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。未来は、あなたの手の中にあります。固定概念という名の鎖を解き放ち、自分だけの物語を自由に描き出してほしいと心から願っています。

