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【株式会社Goodbe 和田 要平】「やりきれない自分」との決別。14年経営した会社の代表退任、その逆境から見つけた「人が動く組織」のつくり方。

2026/04/08

Profile

和田 要平

株式会社Goodbe 代表取締役

幼少期からものづくりや独自の世界観を構築することに没頭。大学受験を断念するなど、目的を見失い迷走した青年期を経て、20代前半でウェブデザイナーの道へ。その面白さに魅了され、2008年に知人とWeb制作会社を共同で設立。後に代表取締役に就任し、14年間にわたり会社を牽引する。代表退任後、株式会社Goodbeを設立。自身の成功と失敗の経験を基に、中小企業の組織開発とブランディング支援を手掛けている。
何事も中途半端で、やりきった経験がない──。かつての自分をそう語る和田氏。そのコンプレックスを払拭するかのように、一度はWeb制作会社を立ち上げ、14年という長きにわたり経営の最前線に立ち続けた。しかし、彼を待っていたのは、代表退任という大きな決断だった。すべてを失いかけた逆境の中で、彼が見つけ出した「本当に価値ある組織」の姿とは。自身の過去と向き合い、新たな一歩を踏み出した和田氏の軌跡を追った。

14年続けた会社との別れ。コロナ禍で感じた孤独と経営の限界

──逆境経験について教えてください。

私が最も大きな逆境と感じているのは、14年間手塩にかけて育ててきた会社の代表を辞めたことです。もともと、ものづくりが好きでウェブデザイナーになり、その延長線上で会社を立ち上げました。自分のアイデアが形になり、お客様に喜んでいただけることが何よりのやりがいでした。しかし、会社が成長し、組織が大きくなるにつれて、いつしか「やりたいこと(Want to)」は「やるべきこと(Have to)」に変わっていきました。社長として社員の生活を守らなければならない、売上を上げ続けなければならない。その使命感に縛られ、本来感じていたはずのワクワク感は薄れていきました。

その葛藤が決定的になったのが、コロナ禍です。全社フルリモートワークに移行したことで、社員との間に物理的な距離だけでなく、心理的な溝が生まれていることを痛感しました。会社のキャッシュが日に日に減っていく恐怖と戦う私を横目に、仕事が減った状況をどこか歓迎しているかのような空気を感じてしまったのです。もちろん、彼らが悪いわけではありません。ただ、同じ方向を向いていると信じていた仲間との温度差に、経営者として深い孤独を感じました。

「社長がいるから、みんなちゃんと働く」。結局、私が作ってきたのは、そんな属人的で脆い組織だったのかもしれない。物理的に離れただけでバラバラになってしまう組織を前に、自分の経営スタイルの限界を突きつけられました。「このまま人生を終えたら、絶対に後悔する」。その思いが、代表退任という大きな決断へと私を突き動かしたのです。

「人は動かせない」―その気づきが導いた転機

──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。

会社を辞めた直後は、正直なところアイデンティティを失いかけ、自分が本当に何をしたいのか分からなくなっていました。そんな中で、新たな学びを求めてコーチングの世界に足を踏み入れたことが、大きな転機となりました。それまでの私は、コンサルタントのように自分の「正解」をメンバーに押し付ける関わり方しかできませんでした。しかし、コーチングを通じて、人の可能性を引き出し、共に答えを見つけていくアプローチを学んだのです。

そこで得た最大の気づきは、「人は動かすものではなく、自ら動く設計をいかに作るかが重要だ」ということでした。振り返れば、かつての私は「なぜメンバーは動いてくれないんだ」と、他責にしていました。彼らのモチベーションが低いのだと。しかし、それは大きな間違いでした。メンバーが同じ目標に向かって自走できるような「仕組み」や「構造」を、私自身が作れていなかったのです。

この気づきは衝撃的でした。同時に、組織経営というものに「やりきれていなかった」自分を認めざるを得ませんでした。しかし、その悔しさこそが、もう一度組織に関わる仕事がしたい、今度こそ血の通った組織を作りたい、という強い動機になりました。過去の過ちと向き合ったことで、ようやく自分の進むべき道が見えた瞬間でした。

理念を成果に変える、実装型コンサルティング

──会社の強みや魅力について、教えてください。

現在のGoodbeでは、中小企業を対象に「組織開発」と「ブランディング」を掛け合わせた支援を行っています。具体的には、まずコーチング的なアプローチで対話を重ね、その会社だけが持つ「競り負けない本質的な強み」を掘り起こします。そして、その強みをミッション・ビジョン・バリューといった血の通った言葉に落とし込み、組織の軸を確立します。

私たちの最大の強みは、そうして作り上げた組織の軸を、絵に描いた餅で終わらせないことです。私自身が長年マーケティングの現場にいた経験から、企業の理念や文化を、採用や商品開発、マーケティング活動といった具体的な事業活動に接続させることができます。人事領域のコンサルタントが作った立派な理念が、現場に浸透せず形骸化してしまうケースは少なくありません。私たちは、社長の想いを組織文化へと昇華させ、それが他社には真似できない「構造的な強み」として機能するまでを一気通貫でサポートします。

これはまさに、過去の私が経営者として最も苦しんだ部分です。だからこそ、当時の自分のような悩める経営者に寄り添い、彼らが本当にやりたいことを実現できる組織づくりを支援したい。私の失敗経験そのものが、今の事業の揺るぎない土台となっています。

遠回りでもいい。自分の目的地を定めよう

──若者へのメッセージをお願いします。

一度きりの人生、自分が本気で夢中になれること、心の底から「これが欲しい」と思えるものを見つけて、そこに向かって行動してほしいと思います。私自身、青年期は目的もなく、ずいぶん遠回りをしてきました。しかし、どんなに時間がかかっても、「ここに行きたい」という目的地さえ設定できれば、人は必ずそこにたどり着けると信じています。

そして、もし可能なら、若いうちに何かに本気で打ち込み、共に走り抜けられる仲間を見つけてください。私は学生時代に部活もやりきれず、そうした経験がありません。だからこそ、同じ目標に向かって本気でぶつかり合える仲間の存在は、何物にも代えがたい財産になると断言できます。

もし今、私が18歳に戻れるなら、経営を学び、たくさんの仲間と出会うために大学へ行くでしょう。もちろん、これは今の私だから言えることです。皆さんは、皆さんだけの道を進んでください。大切なのは、自分の心の声に耳を澄まし、夢中になれる目的地を見つけること。そうすれば、きっと充実した人生が待っているはずです。

 

株式会社Goodbe

設立 2024年08月22日
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 非公開
事業内容 ・No.2シェアリング
・組織課題解決を目的とした組織変革コンサルティング
・WEB/IT企業支援
・経営者・リーダー向けパーソナルコーチング
・カルチャー開発 ・リーダーシップ開発
・経営チームビルディング ・会議設計
・ファシリテーション、会議改革
・目標達成支援コーチングプログラム【シリタタキカベウチ】
URL https://goodbe.co.jp/ https://x.com/wadadesuka https://note.com/wadahei/n/na1fed6bc23a4
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