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【株式会社VERVE 久保田 一】「成果が出なければ、報酬はゼロ」。“作らない”提案も辞さない開発会社が示す、顧客との真の共存共栄。

2026/04/08

Profile

久保田 一

株式会社VERVE  代表取締役

「日本で3人しかできない」と語るほどの腕を持つ溶接工の父に憧れ、工業高校の機械科へ進学。しかし、金属アレルギーの発覚によりその道を断念。これを機にプログラミングの世界へ転身し、エンジニアとしてのキャリアを歩み始める。大手IT企業で部長職まで務めた後、業界の評価制度に疑問を抱き、エンジニアが正しく評価される環境を作るべく株式会社VERVEを設立。成果に徹底的にコミットする「成功報酬型」のシステム開発を主軸に、多くの企業の利益改善を実現している。

キャリアの幕開けは、突然の挫折と倒産

──逆境経験について教えてください。

幼い頃から、私のヒーローは父でした。三菱重工などで人工衛星やミサイルといった特殊な溶接を手掛ける、まさにプロフェッショナル。その姿に憧れ、私も職人を目指して工業高校の機械科に進みました。しかし、そこで待っていたのは予期せぬ宣告でした。金属アレルギーが発覚し、工場の機械に触れるだけで全身にミミズ腫れができてしまう。夢への扉は、あまりにも突然、目の前で閉ざされてしまったのです。

目標を失いかけた私に転機を与えてくれたのは、担任の先生でした。「機械がダメならパソコンをやれ」。学校に配備されたばかりのパソコンを前に、独学でプログラミングを学び始めました。物理的な「ものづくり」から無形の「ものづくり」へ。最初は戸惑いもありましたが、プログラムが形になっていく面白さにすぐに夢中になりました。

高校卒業後、エンジニアとしてITベンチャーに就職。しかし、ここでも逆境が待ち受けていました。なんと、入社からわずか1ヶ月で会社が倒産してしまったのです。その後は約2年間、ピザ屋やガソリンスタンドのアルバイトを掛け持ちし、一日20時間働くようなフリーター生活を送りました。この経験が、後のキャリアを考える上で大きな土台になったと感じています。

目先の利益を捨て、本質を選んだ決断

──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。

20歳を過ぎ、結婚を意識し始めた頃、「フリーターのままではいけない」と一念発起し、再びエンジニアとして就職活動を始めました。そこで入社した会社で5年ほど経験を積んだ後、ある出来事が私のキャリアを大きく動かします。

同僚の転職相談に乗る形で、軽い気持ちで転職エージェントに登録したところ、名だたる大手IT企業から次々とオファーが舞い込んできたのです。中には、当時の年収800万円を大きく上回る1200万円という破格の提示もありました。しかし、私はその全てを断り、年収が半分の400万円になる「平社員」としての道を選びました。

なぜなら、私にとって20代は「修行期間」だったからです。目先の収入よりも、長期的な視点で本質的な実力を身につけることの方が遥かに重要だと考えていました。面接で唯一、私の「役職なしで、ゼロから実力で這い上がりたい」という無茶な要望を真摯に受け止め、理想の上司と思える人がいた大手IT企業への入社を即決しました。この決断は、短期的な利益に惑わされず、物事の本質を見極めるという私の仕事観の根幹を成す経験となりました。

「作らない提案」が信頼を生む理由

──会社の強みや魅力について、教えてください。

前職では約3年で部長に昇進しましたが、組織の拡大とともに、受託開発における「人月単価」という評価制度に強い違和感を抱くようになりました。時間ではなく、成果で評価されるべきではないか──その思いが強くなっていきました。

「エンジニアの価値は、生み出した成果によってこそ正しく評価されるべきだ」。そう考え、クライアントの売上増加やコスト削減といった「成果」に連動して報酬が決まる、完全成果報酬型のビジネスモデルを掲げて起業しました。それが株式会社VERVEです。

私たちの強みは、開発会社でありながら、クライアントの経営パートナーとして伴走する点にあります。ご相談いただいた案件でも、投資対効果が見合わないと判断すれば「このシステムは作らない方がいいです」とはっきりお伝えします。例えば、従業員3名の給与計算を自動化するために1000万円のシステム投資を検討していたお客様には、回収に83年かかることをご説明し、プロジェクト自体を止めました。私たちの目的はシステムを作ることではなく、クライアントの利益を最大化すること。このブレない姿勢が、お客様との強い信頼関係を築き、独自のポジションを確立しています。

時代が変わっても変わらない“仕事の本質”

──若者へのメッセージをお願いします。

今の時代、AIやDXといった言葉が飛び交い、新しいツールや技術が次々と生まれています。しかし、どんなに時代が変わっても、仕事の本質は「誰の、どんな課題を解決するのか」という一点に尽きます。流行のツールを使いこなすスキルも大切ですが、それ以上に、目の前にある課題を深く理解し、その根本原因を突き止める「問題解決力」を磨いてほしいと思います。

特にエンジニアを目指すなら、目先の収入に惹かれて安易にフリーランスの道を選ぶことには警鐘を鳴らしたいです。作業員としての経験は積めても、事業全体を動かすビジネスの視点は養われにくい。長期的にキャリアを考えた時、20代は目先の収入よりも、多少給料が安くても事業の根幹に関われる環境に身を置き、徹底的に実力を磨くべきです。

人生はマラソンのようなもの。20代で得た下積みの経験は、30代、40代で必ず大きな飛躍に繋がります。小手先のスキルではなく、「どこに無駄があるか」を見抜ける力を身につけてください。

株式会社VERVE

設立 2007年12月10日
資本金 90,000,000円
売上高 非公開
従業員数 非公開
事業内容 システム開発・設計
IT戦略・業務コンサルティング
モバイルメディア企画・開発・運用
モバイルメディアマーケティング
モバイルメディアプロモーション
URL http://verve-inc.jp/ https://stargarage.jp/ https://x.com/vervekubo
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