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【いろえんぴつ株式会社 大田原 裕希】 「好き」を貫き、点を線に変えた。少女が故郷を動かす起業家になるまで。

2026/03/09

Profile

大田原 裕希

いろえんぴつ株式会社 代表取締役社長

北海道旭川市出身。学生時代、地元への強い想いから地方創生を学ぶ。新卒で入社した会社で事業の立ち上げから会社の倒産までを経験。その後、前職のオーナーと再びタッグを組むも、ビジョンの相違から独立を決意。現在は「いろえんぴつ株式会社」を設立し、インタビューメディアの運営を通じて、自身の原点である故郷・旭川の活性化に情熱を注いでいる。
地元・旭川のCDショップの閉店をきっかけに抱いた「この街を元気にしたい」という純粋な想い。会社の倒産、信頼する上司との離別。数々の逆境を乗り越え、点と点だった経験が一本の線として繋がった今、大田原氏が見据える未来とは。

再起、迷走、そして独立への序章

──逆境経験について教えてください。

私のキャリアにおける最大の逆境は、前職を退職するまでの半年間でした。新卒で入社した会社が倒産した後、一度は別の会社に身を寄せましたが、元オーナーから「もう一度一緒にやろう」と3ヶ月にわたり説得され、再びタッグを組むことにしたのです。

しかし、3年が経つ頃、会社の方向性は迷走し始めました。上場を目指すと言っていたはずが、いつしかお金の話ばかりになり、現場は疲弊。何より、私が人生をかけて成し遂げたい「旭川を盛り上げる」という目標との乖離が大きくなっていました。「自分の人生の舵を自分で取らなければ」。そう決意し、退職を申し出たのです。

ところが、事態はそこからさらに複雑化します。「一緒に頑張ると決めたじゃないか」と感情論で引き止められ、退職は半年先になりました。その間、私が辞めることを知らない新メンバーは入社してくる。事業の引き継ぎは思うように進まない。さらに、会社は私が過去に店長経験のある事業を盛岡で立ち上げると言い出し、私が責任者であるかのように話が進んでいました。

オーナーと、事業提携先と、新メンバーと。あらゆる方面との調整に追われ、心身ともにすり減っていく日々。「私の会社じゃないのに、なぜ私が…」。正直、記憶が曖昧になるほど精神的に追い詰められた半年間でした。

迷走の中で見えた、経営の本質

──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。

この経験から得た最大の学びは、「経営者が明確なビジョンを言語化し、現場に伝え続けなければ組織は動かない」ということです。トップが何をしたいのかが曖昧だと、現場は混乱し、社長と社員の間には溝が生まれてしまいます。結果として、組織は成長できません。このことを、渦中で痛感しました。

また、新卒1社目の倒産で「会社は永遠ではないし、自分を守ってはくれない」という事実を学んでいたからこそ、「自分の人生は自分で決める」という覚悟が持てたのだと思います。

辞めると決めてからの半年間は、残されるメンバーが働きやすい環境を整えること、そしてお世話になったクライアントに迷惑をかけないことに全力を注ぎました。一つひとつの課題に誠実に向き合った経験は、大きな自信に繋がっています。そして、どんなに揉めた相手であっても、今の私があるのはその経験のおかげ。元オーナーには感謝しかありません。

旭川を、誇れるまちに——つなぐことで、生まれる価値

──会社の強みや魅力について、教えてください。

私の原動力は、中学生の時に抱いた「大好きな旭川を元気にしたい」という想いです。その想いを、大学時代から出会う人すべてに伝え続けてきました。すると不思議なことに、節目節目で必ず手を差し伸べてくれる人が現れたのです。高校時代の恩師、バイト先の先輩、そして旭川市との事業を繋いでくれた方。人のご縁が、私の道を切り拓いてくれました。

だからこそ、私たちが運営するインタビューメディアは、単なる情報発信ツールではありません。人と人、企業と地域を繋ぎ、新たな化学反応を生み出すプラットフォームでありたいと考えています。インタビューを通じて出会った方々をお繋ぎすることで、新しいビジネスが生まれるかもしれない。それが私たちの強みです。

今後の展望は、もちろん旭川への貢献です。かつて私が「東京にいないと、旭川の仕事は見つからない」と感じたように、地方にはまだ知られていない魅力的な企業がたくさんあります。インタビューを通じてその魅力を発掘し、企業誘致や交流会を定期的に開催することで、関係人口を増やし、故郷を盛り上げていきたいです。

小さな挑戦が、未来をつくる

──若者へのメッセージをお願いします。

まず伝えたいのは、学生時代に勉強ができなくても全く問題ないということです。大切なのは、自分の「好き」や「興味」が向くことに、とにかく全力で取り組んでみること。スポーツでも、ボランティアでも、何でも構いません。一見、遠回りに見えるかもしれませんが、その経験の一つひとつが未来の自分を形作る「点」になります。

そして、その「点」を「線」にしていくために、ぜひ実践してほしいことが二つあります。一つは、人に会って自分のやりたいことや夢を話してみること。発信し続けることで、必ず応援してくれる人が現れます。

もう一つは、周りの大人から「こんなことをやってみたら?」とアドバイスをもらったら、まずは実践してみることです。最終的に決めるのは自分ですが、小さなチャレンジを繰り返すことで、行動することへのハードルが下がっていきます。失敗したとしても、それは自分で選んだ結果。その積み重ねが、いつか大きな夢を叶える力になると信じています。

いろえんぴつ株式会社

設立 2025年03月14日
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 非公開
事業内容 ・広報代行・広報支援サービス・インタビューメディアの運営「カラキャン」・キャリアセミナー
URL https://color-enpitsu.jp/ https://coloroncanvas.jp/ https://note.com/yuki_otawara0214
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