都分析・福田代表との関わり
――福田さんは、御校の卒業生だそうですね。
はい、福田さんは当校の卒業生で、現在は卒業生で組織される「分友会」の2代目会長も務めています。分析化学の分野で独立開業する卒業生は非常に少ないのですが、福田さんはその稀有な成功例の一人です。
分析業界で独立開業するには、高額な分析機器を購入しなければなりません。ですから、ほとんどの卒業生は企業の研究所や分析部門に就職します。その中で福田さんが代表として会社を経営されているのは、本当に特別なことです。
――福田さんの印象について聞かせてください。
非常に研究熱心です。卒業後も常に学び続けている姿勢があり、話していると、その勉強の深さがよくわかります。何より素晴らしいのは、まだ学び心が消えていないことです。これは口で言うほど簡単なことではありません。
――福田さんを国際的な団体に招待されたそうですね。
彼にもっと視野を広げてもらいたいと思って、国際的な団体に招待しました。その団体では異業種の経営者たちが集まります。そういう場での交流を通じて、さらに視野を広げ、学びの機会を得てほしいと思いました。

都分析の専門性
――福田さんは、作業環境測定士という資格をお持ちだそうですね。
そうです。この資格は、3年から5年の実務経験がないと受験資格すら得られない難関資格です。福田さんは実務経験を積んで、3年後すぐに資格取得されました。
この資格の重要性は、一般にはあまり知られていません。特にものづくり製造工場等では、どんな有害物質が含まれているかわかりません。この証明書を発行できるのが、作業環境測定士の資格を持つ人です。
――アスベストの調査や分析だけでなく、大気・水質・土壌等の分析も手がけられているのですね。
はい。福田さんは建築物や工作物のアスベスト調査分析、土壌採取分析、その他の幅広い測定分析で活躍されています。彼のような資格を持ち、実務で活躍している卒業生は、業界でも貴重な存在です。
都分析の仕事の進め方
――都分析の仕事の進め方について、どのように評価されていますか?
私がいつも学生に教えているのは「見・聞・話・動」です。見る、聞く、話す、動く。それぞれに「確認」という接着剤を入れます。見て確認、聞いて確認、話して確認、動いて確認。これが実験の原点であり、社会人としての基本です。
福田さんはこれをきちんと実践しています。話を聞いていると、仕事の進め方がよくわかる。単に1本の柱を立てるだけでなく、周囲をしっかり固めながら物事を進めています。
――周囲を固める、というのは?
例えば、家を建てる時、電柱を立てる時、柱の周囲を固めないと倒れてしまいます。福田さんは、そういう周囲を固める仕事の仕方ができている。だから、安心感があるのです。
中には、ただ単に1つの仕事だけをやって終わり、という人もいます。でも福田さんはそうではありません。関連する事柄や、影響範囲まで考えながら仕事を進めています。話していたら、それが伝わってきます。
――福田さんは、業界の団体でも活動されているそうですね。
団体で重要な役割を担っていると思います。その団体では、講習会を開いたり、実務指導をしたりしています。
今、団体から学校の一室を貸してほしいと言われています。講習会や指導の場所として利用したいとのことです。福田さんは、そういった業界での活動もかなり積極的にされていると思います。
――現在、学校と都分析で連携されていることはありますか?
はい、実際に仕事を依頼することもあります。学校の建物や土地の調査で、アスベストや土壌の証明が必要な時には、福田さんのところにお願いしています。信頼できる卒業生がいるというのは、心強いことです。
――今後の連携について、何か構想はありますか?
実は、非常に面白い構想があります。今、団体や福田さんの会社から、学校の実験室を使わせてほしいという話が進んでいるのです。空いている時間に、実際の仕事で使ってもらう。そうすると、学生たちが実務の現場を目の前で見られます。
――学生にとって、貴重な経験になりますね。
まさにそうです。実学・実務・実践が目の前にある。これ以上の教育はありません。さらに、卒業後の進路として、福田さんの会社で実務を学びながら、資格取得を目指す道も考えられます。お互いにとって理想的な形だと思っています。

次世代育成への期待
――他に、学校として何か関わりがありますか?
福田さんはすでに『「知らなかった」では済まされない!アスベスト調査の新常識』という本を出版されており、次の新書は2025年10月に出版されています。こうして業界の知識を広めていく活動は、本当に素晴らしいことだと思います。学校としても、出版記念のイベントで協力したいと考えています。
――最後に、都分析への期待をお聞かせください。
もっともっと伸びてほしいですね。そして、私たち学校側も一緒に成長していきたいと思っています。
分析化学という分野は、一般的にはあまり知られていません。しかし、ものづくりをしているすべての企業にとって、必要不可欠な技術です。福田さんのように、この分野の重要性を世に広め、後進を育てようとしている人がいることは、業界にとっても、私たち教育機関にとっても、大きな希望です。

