ワンオペ育児と終わらない暗闇
──逆境経験について教えてください。
私の人生は、常に逆境と隣り合わせでした。中でも最も苦しかったのは、専業主婦時代です。結婚と同時に様々な問題が発覚。それでも持ち前のポジティブさで生活を楽しんでいました。しかし出産後、すべてを一人で背負うワンオペ育児が始まり、3時間おきに泣く赤ちゃんの世話をしながら、先の見えない毎日を過ごす。逃げ場のない閉塞感は、経験したことのないほどの苦しさでした。誰にも本音を打ち明けられず、ただひたすら耐えるしかなかったのです。
人生は終わりじゃない。行動だけが道を拓く
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
あの壮絶な専業主婦時代があったからこそ、今の私があります。最大の学びは、「とにかくやるしかない」ということです。やらなければ、何も始まらないし、何も変わらない。子どもを育てるという逃れられない現実が、私に行動し続ける力をくれました。
かつて、自分のことはすべて後回しにする母の姿を見て、「専業主婦になったら人生は終わりだ」と思い込んでいました。しかし、実際に自分がその立場になってみると、「いや、終わりじゃない。やれる事はいくらでもあるぞ」と気づいたんです。その気づきが、私を次のステージへと突き動かしました。離婚後、子育てをしながら理学療法士の学校に通い、ミスコンの世界大会で優勝し、ついには起業する。すべて「やってみないとわからない」という一心で飛び込んできました。頭で考える前に行動する。その繰り返しが、思いもよらない道を拓いてくれたのです。
企業の課題も「根本治療」で解決する
──会社の強みや魅力について、教えてください。
私たちの最大の強みは、理学療法士時代に培った「根本治療」の考え方をビジネスに応用している点です。医療現場では、腰が痛い患者さんに対して、腰だけを治療する「対処療法」が主流です。しかし、痛みの本当の原因は、姿勢や生活習慣など、まったく別の場所にあることがほとんどです。
これは企業経営も同じだと感じています。「採用がうまくいかない」「社員がすぐ辞める」といった問題に対し、多くの企業が表面的な施策に頼りがちです。私たちはまず、企業の歴史や理念、価値観を徹底的にヒアリングし、その会社だけの「カルテ(会社の教科書)」を作成します。企業の根幹にある課題を見つけ出し、そこからアプローチすることでしか、本当の解決には至りません。睡眠に関する事業も、コーポレートブランディングも、すべてはこの「根本から整える」という思想で繋がっています。土台がしっかりして初めて、人と組織は挑戦を始めることができるのです。

まずはやってみろ。極めた先に、次の道は拓ける
──若者へのメッセージをお願いします。
もし今、何かに取り組んでいるなら、まずは「一番を取る」くらいの気概で本気でやってみてください。そして、アドバイスをもらったら、まずは言われた通りにやってみる。自分なりのアレンジを加えるのは、結果を出してからで十分です。その素直さと行動力が、次のチャンスを引き寄せます。
そしてもう一つ、自分が何を大切にし、どういう人生を歩みたいのかを知ろうとすること。若いうちは漠然としていて当然です。私自身、独立する未来など1ミリも想像していませんでした。だからこそ、まずは目の前のことに全力で取り組んでほしい。一つのことを極めた先に、思いもよらない次の道が必ず待っています。人生は、いつだってどこからでも変えられる。とにかく一歩、踏み出してみてください。

