新卒ミスマッチが心と人生を壊しかけた
──逆境経験について教えてください。
私の逆境は、新卒で入社した機械系の専門商社時代に集約されています。大学時代は「今しかできない」をモットーに、真面目に遊び倒しました。
その中で培ったコミュニケーション能力には自信があり、就職活動も周囲の「商社っぽい」という声に後押しされ、安易に決めてしまったのです。
しかし、その自己分析の甘さが、後に大きな代償となって返ってきました。
法学部出身で、根っからの文系だった私にとって、当時の商材であった機械装置などは全く理解できない世界でした。
努力しても知識は身につかず、体育会系で「稼ぐ人間が偉い」という社風にも馴染めませんでした。
何より辛かったのは、自分が本当に良いと思えないモノを売らなければならないこと。
お客様に心からお勧めできないという葛藤は、営業成績にも直結し、日に日に自信を失っていきました。
好きではない、得意でもない仕事に長時間拘束される日々は、まさに負のスパイラルでした。
心はすり減り、精神的に追い詰められ、ついには退職。まさにどん底でしたね。
このままでは労働に潰されるかもしれない、と本気で死がよぎった瞬間もありました。
それが、私のキャリアの原点にある、最も暗い逆境経験です。
逆境が教えてくれた「適材適所」という真理
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
商社を辞め、家賃3万円のアパートで無職になった私は、一歩目の行動としてハローワークへ向かいました。そこで偶然出会ったのが、併設されていた民間のキャリアコンサルティングサービスです。藁にもすがる思いで通い詰め、そこで初めて「本気の自己分析」と向き合いました。
コンサルタントと対話を重ね、課される課題に真摯に向き合う日々。その過程で自分で作り出した「Want(やりたいこと)× Can(できること)」というシンプルな方程式に基づき自己分析を深めた結果、私は社会保険労務士という道に辿り着きました。それは決して劇的なひらめきではなく、論理的な思考の末に導き出された、必然とも言える結論でした。
この経験から得た最大の教訓は、「適材適所」や「餅は餅屋」という言葉の重みです。人は、自分の強みを見誤ると、ここまで輝けないのかと痛感しました。
そして、世間の「普通」や「みんながそうだから」というレールから降りる勇気を持つことの重要性も学びました。あの時、レールから外れたからこそ、視野を広げ、多様な生き方があることを知れたのです。好きな仕事であれば12時間でも働ける。この当たり前の事実に気づけたことが、私の人生を大きく変えました。

テクノロジー×人情で支える労務支援
──会社の強みや魅力について、教えてください。
私の強みは、自身の経験に裏打ちされた「令和の人情派社労士」であることです。「令和」が意味するのは、クラウド活用などの最新技術を駆使したスピード感とスマートさ。
一方で、人を扱う専門家として、法律論の前にまず一人の人間として相手に寄り添う「人情」を何よりも大切にしています。
前職の社労士法人では、労働基準監督署や年金事務所の調査対応、問題社員案件などのシビアな案件を数多く経験し、「鉄壁の守り」と評される交渉力を培いました。しかし、それは法律を振りかざすのではなく、相手の感情に配慮し、誠実に向き合うからこそ成り立つものです。この「理性と情熱」の両輪で企業を支えるのが、私のスタイルです。
今後は、自身の経験を活かし、企業側が自社の魅力やビジョンを正しく言語化する手助けをしていきたいと考えています。
それができれば、学生や求職者とのミスマッチは確実に減らせるはずです。そして、数少ない若手社労士として、次世代のロールモデルとなり、社会全体を盛り上げていきたいです。
誰もが「自分らしく輝ける場所」を持てる社会へ。働き方や時間の使い方に左右されず、すべての人が主役になれる環境を整えたい。
その先に、かつてのような活気あふれる日本の姿があると信じています。社会保険労務士という立場から、この国の未来を支える力になりたいと考えています。
焦らなくていい、大学生のキャリア選択
──若者へのメッセージをお願いします。
もし今、キャリアに迷っているなら、伝えたいことがあります。その迷いの原因は、あなた一人にあるわけではありません。
企業側が自社の魅力を伝えきれていないという側面も大きいのです。だから、自分を追い込みすぎないでください。
時には人のせいにしたっていいんです。
大切なのは、世間の声に流されず、自分自身の「好き」と「得意」に真剣に向き合う時間を持つこと。そのために、まずは騙されたと思って、視野を広げることから始めてみてください。
本を読んだり、多くの人の話を聞いたりすることで、これまで知らなかった価値観や選択肢が見えてくるはずです。
私がそうであったように、悩んだ分だけ、必ず精度の高い答えにたどり着けます。レールから降りることを恐れないでください。
あなたがいるべき場所で輝ける舞台は、必ず見つかります。私のような社労士も、皆さんが輝ける舞台を整えるために日々奮闘しています。
一緒に、オンリーワンのキャリアを切り拓き、誰よりも輝きましょう。それは決して自分のためではなく、持続可能な未来のために。

