信頼した仲間の離脱、残された5000万円の借金
──逆境経験について教えてください。
満を持しての起業でしたが、その船出は決して順風満帆ではありませんでした。主力製品であるゼリーの開発には、最低でも3年はかかると見込んでいました。その間の運転資金を確保するため、まずは歯科領域の事業で収益の柱を立てようと考え、信頼する歯科医師の先生と事業計画を進めていたのです。
事業計画は順調に進み、ついに金融機関から融資の許可も下りました。沖縄に拠点を構え、物件の契約も済ませ、あとは走り出すだけ。そんな矢先、共に事業を率いるはずだった先生から「やはり、やめたい」と告げられたのです。理由は「借金をすることが怖くなった」というものでした。
事業の核となるパートナーを失い、計画は白紙に。しかし、融資の実行と物件の契約はすでに完了していました。手元に残ったのは、まだ影も形もない製品と、5000万円という巨額の借金だけ。まさに八方塞がりの状況でした。
「やれないことは考えない」バスケが教えてくれた逆境の乗り越え方
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
絶体絶命の状況でしたが、不思議と心は折れませんでした。「捨てる神あれば拾う神あり」とはよく言ったもので、この窮地を救ってくれたのは、現在の専務である八田公子との出会いでした。彼女が私の想いや事業の将来性を信じ、資金面で協力してくれたおかげで、私は事業を再スタートさせることができたのです。
この経験を通じて痛感したのは、「信じられるのは自分だけ」という経営者としての覚悟、そしてそれを支える忍耐力と精神力の重要性です。周りからは「ポジティブモンスター」と言われることもありますが、これは学生時代から打ち込んできたバスケットボールで培われたものだと感じています。
実業団という厳しい世界では、0.何秒の世界で最善を尽くすことが求められます。常に「どうすればできるか」を考え、決して「やれないこと」は考えない。その思考が、今の私を支える根幹になっています。逆境とは、乗り越えれば成長の糧となり、経営者仲間と笑い合える「ネタ」に変わる。へこんでいる暇があるなら、今できることをやる。それが私の信条です。
一本のゼリーから始まるウェルネス革命。伝統と科学で未来の健康を創る
──会社の強みや魅力について、教えてください。
私たちが開発した機能性ゼリーは、単なる健康食品ではありません。これは、「子育て支援」「少子化問題」「地域医療崩壊」という3つの社会課題を解決するための「ウェルネスプロジェクト」の核となる製品です。0歳から100歳まで、すべての人の健康に貢献することを目指し、細胞レベルでの再生を促す成分を配合しています。
このゼリーの強みは、何よりも「体感」にあります。多くの方が、飲み始めて数日から数週間で、便通や睡眠の質の改善、血圧の安定などを実感してくださいます。だからこそ、広告に頼るのではなく、まずは試していただき、口コミで仲間を増やすという形でファンを広げています。
将来的には、某大学医学部の先生方とも連携し、製品の有効性を科学的に証明していく予定です。また、抹茶製法や発酵といった日本の伝統技術を応用しており、このストーリーと共に世界へ日本のウェルネス文化を発信していきたいと考えています。

悩んでも、迷っても、前へ。一歩の勇気が未来を変える
──若者へのメッセージをお願いします。
私が大切にしているのは「前へ」という言葉です。しかし、ただがむしゃらに前進し続けるだけが正解ではありません。苦しくなったら休んでもいい。時には撤退するという決断も、立派な前進です。大切なのは、諦めずに挑戦し続けること。そうすれば、すべての経験が失敗ではなく、成功への糧となります。
もし今、将来何をしていいか分からず悩んでいるなら、まずは何か一つ、行動を起こしてみてください。筋トレでもアルバイトでも、何でも構いません。そして、「どう自分は社会の役に立ち、ご飯を食べるのか」を自問自答してほしい。
新しいことを始めるだけが挑戦ではありません。誰かを支えること、サポートすることも立派な挑戦です。自分のペースで、自分だけの信念を見つけてください。社会との関わり方は一つではありません。あなたの人生を、あなたらしく歩んでいってほしいと願っています。

