会社存続の危機。コロナ禍で光が見えた「立ち上がれる会社」への覚悟
──逆境経験について教えてください。
正直に言います。一度、会社が本当に危ないところまでいきました。コロナ禍で主要なプロジェクトが止まり、取引先も倒産。売上は激減し、会社の資金も底をつきかけました。社員の生活も、自分の将来も、すべてが不安で眠れない夜が続きました。
それでも、逃げなかった。「自分が諦めたら、すべてが終わる」と思ったんです。仲間を守るために、朝から晩まで必死に営業資料を作り、夜は自ら現場に立って、なんとか会社をつなぎ止めました。
あの時、経営者としての覚悟が変わりました。順風満帆な“倒れない会社”ではなく、どんな困難に直面しても必ず“立ち上がれる会社”をつくろう、と。この経験が、今のゼアテックスの土台になっています。

「人がすべて」―逆境が教えてくれた、売上よりも大切なこと
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
絶望的な状況の中で見えてきたのは、「結局、人がすべてだ」というシンプルな真実でした。高度な技術よりも、大切なのは人。目先の売上よりも、築き上げるべきは信頼。私たちの事業は、SESからSNS運用代行、AI導入支援まで多岐にわたりますが、その中心にあるのは常に「人を育てる」ことです。
だからこそ、ゼアテックスの一番の強みは「人を見捨てない会社」であることだと断言できます。失敗しても、何度でもチャンスを与える。悩んでいたら、一緒に解決策を考える。やる気さえあれば、どんな経歴の人でも私たちは受け入れます。
AIを積極的に活用する時代ですが、私たちが最後に信じているのは「人の力」です。ゼアテックスは、そんな血の通った温度のあるチームなんです。
誠実さと仕組みで業界を変える。ゼアテックスが描く未来
──会社の強みや魅力について、教えてください。
他社との一番の違いは、「誠実さ」の深さです。特にSES業界は、商流が複雑で、時に不信感が生まれやすい構造があります。だからこそ私たちは、お客様にもエンジニアにも、契約条件からリスクまで、すべてをオープンにしています。「できること」と「できないこと」を最初に明確に伝える。一見遠回りのようですが、この誠実な姿勢が信頼を生み、長期的なパートナーシップにつながるんです。
そしてもう一つの柱が、「人に依存しない仕組み」です。どんなに優秀な人でも、永遠に会社にいるわけではありません。だからこそ、営業も教育も、すべてが「再現できる」ように設計しています。個人の才能に頼るのではなく、チーム全員が「自分の役割が誰かの未来を支えている」と実感できる組織。それがゼアテックスの目指す姿です。
私の使命は、このSES業界を「再現性」で再生すること。個人の根性論ではなく、仕組みと誠実さで成長できる会社を業界のスタンダードにしたい。そして、どんな時代になっても「人が輝ける現場」と「信頼でつながる会社」をつくり続ける。それが私たちの挑戦です。

正解は、君の後ろにできる。失敗を恐れず、行動する人であれ
──若者へのメッセージをお願いします。
今の時代、多くの人が「正解」を探そうとします。でも、本当の正解なんて、行動した人の後ろにしかできません。うまくいくかなんて、最初は誰にもわからない。それでも一歩を踏み出す勇気を持てた人が、未来を変えていくんです。
私自身、失敗の連続でした。資金が尽きかけたことも、仲間が離れていったこともあります。それでも踏ん張れたのは、「自分を信じて動くしかない」と覚悟を決めていたから。だから、若い皆さんには「失敗してもいい。とにかく動ける人間になれ」と伝えたい。すべての経験は資産になり、すべての行動は人生の通貨になります。
心理学に「自己効力感」という言葉がありますが、これは成功体験よりも「諦めなかった経験」によって育まれるそうです。だから、挑戦してください。転んでもいい。失敗しても、そこで終わらせなければ、それは成功の途中にすぎません。ゼアテックスは、経歴よりも「やってみたい」というその気持ちを全力で応援する会社です。
