逆境を「チャンス」と捉え、成長の糧に変える
──逆境経験について教えてください。
私は今まで、自分自身が「逆境」だと感じたことは一度もないんです。もちろん、仕事で大変なことや辛いことはたくさんありましたが、それらはすべて自分を成長させるための「糧」だと捉えてきました。私の人生を振り返ると、客観的に見れば「試練」と映るような出来事もあったかもしれません。
例えば、学生時代いじめを経験しました。しかし、その時も私は辛い感情と同時に「マザーテレサのようになりたい」という強い思いを抱いたんです。それは、人の弱さを目の当たりにし、もっと広い心で物事を許容できる人間になりたいという決意でした。両親が常に私を信じてくれていたこと、そして陰で支えてくれる友人の存在が、自分自身を信じ抜く大きな力となりました。この経験から、「私には誰もいないではなく、自分にはこれだけ理解してくれる人がいる」と物事をポジティブに捉えるマインドが育まれたのだと思います。
また、24歳で結婚を機に神戸に移住した時も、新たな環境への適応という大きなチャレンジがありました。当時は携帯電話もなく、知り合いも夫しかいない状況でした。しかし、私はこの環境を「いかに楽しむか、いかに工夫して自分の楽しさを見つけていくか」というミッションと捉え、ジムに通ったり、新しいコミュニティに飛び込んだりしました。どんな状況でもとにかく一歩踏み出すことで、経験は増え、人との繋がりも広がっていく。この繰り返しが、今の私を形成していると感じています。
「思いは叶えるもの」未来を見据えた能動的な選択
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
私の人生における一番の教訓は、「置かれた場所で咲く人になる」という考え方です。そして、「思いは叶うものではなく、自分自身で叶えるものだ」という能動的な姿勢を持つことの重要性を学んできました。高校時代には、この人と仲良くなりたい!付き合いたい!」と思ったら具体的に「付き合っている」未来をイメージし、そのためにどう行動するかを常に考えていました。すると、不思議とイメージ通りの現実がやってくるんです。これは人との関わりだけでなく、仕事においても同様で、目標を明確に描き、そこからの逆算ですることを決め自ら行動することが、現実を創り出すのだと確信しています。
このような自己選択の意識は、両親の教育方針が大きく影響していると感じています。特に母は、私を「一人の人間」として扱い、多くの選択肢を与えながらも「自分で選びなさい」と常に促してくれました。親の敷いたレールの上を歩いているように見えても、最終的に選択しているのは自分自身。どんな状況であっても、自分の意志で選び取っているという自信を若者には持ってほしいと願っています。
また、社会人になって新しい環境に飛び込む際、人は「変わりたくない」という本能からブレーキを踏みがちです。だからこそ、いかに自分自身を「安心できる状態」にしてあげられるかが重要になります。不安な時こそ、自分の内側に「安心材料」を見つける力が必要です。私の場合は両親や友人の支えがそうでしたが、それを「これしかいない」と捉えるか、「これだけの人がいる」と捉えるかで、マインドは大きく変わります。この「捉え方」を変える思考の習慣は、訓練によって身につけることができます。私たちは、心理学や脳科学に基づき、人が自らのポテンシャルを発揮し、いかに行動を変えていけるかをロジックで解明し、実践的なプログラムとして提供しています。

無限の可能性を引き出す「ヒューマンアビリティマネジメント」
──会社の強みや魅力について、教えてください。
当社の最大の強みは、「人と組織の魅力開花プロデューサー」として、人材育成開発と組織開発を両軸で支援している点です。人がいくら育っても、それを受け入れる仕組みがなければ定着しませんし、会社としての発展にも繋がりません。そのため、人材育成の伴走型サポートや研修だけでなく、組織の仕組み作りも同時にサポートしています。そして私の広報やブランディング経験をもとに、インナーブランディングの一環としてイベントプロデュースなど、企業の風土醸成にも力を入れています。
私たちは「見えない星はあっても輝かない星はない」という信念を持っています。人は皆、無限の可能性を秘めた輝く星です。しかし、日中は見えなかったり、雲に隠れていたりするように、自分の可能性に気づけていない人が非常に多い。当社のプログラムは、25年間の現場経験で培った「なぜ人が成長し、組織が活性化するのか」という成功体験に加え、心理学や脳科学を組み合わせることで、そのメカニズムをロジカルに解明しています。これにより、単なる精神論ではなく、再現性の高い形で個人のポテンシャルを引き出し、組織全体の生産性向上へと繋げています。
今後の展望としては、人が自ら輝き続けられるための「TWINKLE STARSアカデミー」を設立したいと考えています。これは、一時的な研修ではなく、長期にわたって学び続けられる場です。また、「ヒューマンアビリティマネジメント」という概念を提唱し、人が自ら自分自身を輝かせるマネジメント技術を世の中に広めるための講演活動を増やしていきます。さらに、マネジメント哲学を深め、次世代へと繋ぐための「マネジメント哲学研究所」も設立予定です。企業様に対しては、管理職育成やマネージャーの思考変革をサポートしており、業種業態や規模を問わず、全国の企業様からご依頼をいただいています。

「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」
──若者へのメッセージをお願いします。
若者の皆さんには、ぜひ「置かれた場所で咲く人」になってほしいと願っています。そして、与えられた仕事が「誰もができる仕事」だと思ったとしても、そこにいかに自分なりの付加価値をつけられるかを考えてみてください。付加価値をつけることで、あなたは「この人でないと成り立たない」と言われるような、唯一無二の存在になれます。
チャンスは、誰かに与えられるものではなく、自分自身で「切り開くもの」です。まずはチャンスを見つけられるような人になること。そして、目の前に現れたものはすべてチャンスだと捉え、躊躇なく掴んでみること。そして、何よりも「まずはやってみる」ことが大切です。
かつて私の上司が言っていた言葉があります。「できなかった過去はあっても、できないという未来はない」。過去にできなかった経験は誰にでもありますが、「できない」というまだ存在しない未来を、自分で決めつけてしまってはいけません。人生は「できるかできないか」ではなく、「やるかやらないか」です。
どんな会社に就職しても、そこで出会う出来事、与えられる仕事、降りてくる課題のすべてをチャンスだと捉え、積極的に挑戦していけば、必ず自分の本当にやりたいこと、進むべき道が見えてくるはずです。経験豊かな、そして輝かしい人生を歩んでほしいと心から願っています。
