貧困とハングリー精神の原動力
──逆境経験について教えてください。
僕のハングリー精神の原点は、幼少期の壮絶な経験にあります。1歳にも満たない頃に父が26歳という若さで亡くなりました。3歳になった頃、父の墓参りで父方の祖父母から「お前が殺したんだ」と母が心ない言葉を浴びせられました。祖母が怒ると、祖父は祖母に手を上げ、さらに僕が怒ると、僕まで蹴飛ばされたんです。この時、子供ながらに「絶対に倒してやる!!」という気持ちが心の中に生まれました。
また、母からは、私たち三兄弟を育てる大変さから、幼い私たちを連れて海で命を絶とうとしたが兄が溺れかけたことで思いとどまったという話も聞かされました。命をかけて守ってくれた母の愛を知り、同時に、お金がないことで家族が苦しむ現実を目の当たりにした幼少期が、私の「見返したい」という原動力になりました。
大人になってからも、大きな逆境がありました。27歳頃、ベンチャー企業を経営する中で、6000万円近くの詐欺被害に遭い、会社はまさに傾きかけました。しかし、この時も「死なない限り、何とでもやり直せる」という確信がありました。この経験は、僕の「本気」の覚悟をより強固なものにしたのです。
何度もトライする強欲な探求心
──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。
幼少期の経験から、「人を恨んだり、嫌なやつには絶対になりたくない」という思いが強く、人には常に優しく接するようになりました。結果として、たくさんの友人に恵まれ、「自分は周りから大切にされている」と気づけたことは大きな財産です。
そして、何よりも「ハングリー精神」こそが人間を成長させる原動力だと学びました。人は満たされた瞬間に衰退してしまうもの。だから僕は常に「腹八分目」ではなく「四分目」ぐらいで生きていたい。何か目標を達成したら、その時点で「ゴール」としてしまうのではなく、次のハングリーを探し続ける。この「満たされないこと」を大切にする価値観は、僕の人生の根幹をなしています。
また、20代での詐欺被害を乗り越えた経験からは、「死ななければ何とでもやり直せる」という強烈な教訓を得ました。どんな大きなトラブルに見舞われても、それは「まだゲームはプレイ中。カセットが壊れない限り何度もチャレンジできる」この考えがあるからこそ、小さなことで悩んだり、傷ついたりすることがなくなりました。
さらに、僕は「生き急いでいる」んです。父親が早くに亡くなったこともあり、いつ人生が終わるか分からないからこそ、一日でも早く、全てのやりたいこと、経験したいことを成し遂げたい。この「強欲」なまでの探求心が、僕を常に前進させているのだと思います。
本気の熱量が社会や人生を変える
──会社の強みや魅力について、教えてください。
株式会社EFは、「戦う現代人を応援するネオ体育会系組織」を掲げています。私たちの最大の強みは、社員一人ひとりの「本気」の熱量です。漫画やランディングページなど、デジタルコンテンツを使ったソリューションを提供していますが、単に商材を提供するだけでなく、お客様の業績が本当に伸びるよう、営業からサポートまで本気で取り組んでいます。
私たちの事業を通じて、現役世代人口の従業員エンゲージメント1%アップを目指しています。現役世代数 6113万人ですが仕事に熱量も持っている人の割合は世界平均の23%に対して日本はたった5%です。
年収中央値が360万円の方々を、プラス240万円、つまり年収600万円に引き上げることを目標にしています。月20万円の収入アップは、少しの「本気」で実現可能だと考えています。この目標を約50万人、現役世代の1%が達成すれば、日本のGDPは1.2兆円も押し上がると試算しています。
EF一社で1.2兆円の会社になるのは難しいですが、私たちを見て「頑張ろう」と思ってくれた人が増えることで、社会に大きなインパクトを与えたい。これが当社の目指す社会貢献の形です。
社員には、僕たちが稼げてキラキラしている姿を常に見せ続けたいと思っています。のれん分けやホールディングス化を進め、社員が自ら会社を持つ選択肢も提供しています。現在、アメリカでの海外展開も始動しており、ゆくゆくは世界を舞台に事業を展開していきたいと考えています。社員には「山田さんに出会って人生が変わった」と言われるような存在になりたい。それこそが、僕にとっての究極のやりがいです。

「誰でもできることを、やり続ける」覚悟
──若者へのメッセージをお願いします。
若者の皆さんへ、僕が伝えたいのは「人生はバリ簡単だ」ということです。しかし、多くの人はそれに気づいていません。なぜなら「誰でもできることを、やり続ける」という最もシンプルな「本気」の努力ができていないからです。例えば、大阪の駅前に毎日8時間立ち続けることは、誰でもできるはずですが、ほとんどの人はそれを続けることができません。
今の若い世代は、効率や手段ばかりを追い求め、頭が良すぎる。しかし、本当に必要なのは「命と天秤にかける覚悟」を持って、ひたむきに頑張り続けることなんです。あらゆるサービスには需要があり、一つのジャンルで一番になれば、必ず稼げます。ただ、それをやり続けるだけ。
また、若い人たちが「お金じゃない」と言うのは、まだ「イレギュラー」な経験をしていないからだと感じています。大切な人とのイベントや、予期せぬ出費、家族を守る必要に迫られた時、初めてお金の大切さに気づくでしょう。その「気づき」が訪れた時に、「稼げる環境」がなければ意味がありません。
僕自身、人の親として「経験のないことは語れない」という信念を持っています。子供がこれから経験するであろう様々な困難に対して、アドバイスできるよう、良いことも悪いことも、全て自ら体験し、体当たりで食らいつくことを心がけています。僕の人生は、まるでハラハラドキドキのドラマのようでありたい。皆さんも、自分の人生という最高の作品を「平凡」で終わらせず、どんな困難も物語の演出として楽しみ、人生を謳歌してほしいと願っています。

