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【株式会社BREAK 小川 佳祐】壁を越えろ!直感と行動で切り拓くデジタル人材育成と地域創生。

2025/10/24

Profile

小川 佳祐

株式会社BREAK 代表取締役

幼少期から母親の教育方針により、レールが敷かれた人生に反発心を抱く。大学を休学し、単身オーストラリアへワーキングホリデー。10万円を握りしめ、言葉も通じない異国の地でサバイバルを経験する中で、「なんとかなる」という根拠のない自信と生き抜く力を培う。帰国後の就職活動では大手企業から内定を得るも、自らの直感に従い全て辞退。親の反対を押し切り家を出るという大きな決断を経て、経営者の道を志す。現在は株式会社BREAKの代表取締役として、デジタルスキル教育と地域創生、そして若者の「壁を壊す」挑戦をサポートしている。

「人生、自分で正解にしろ」。その言葉には、自らの意志で道を切り拓いてきた小川佳祐氏の強い信念が宿っています。親の敷いたレールへの反発から始まった彼の挑戦は、オーストラリアでのサバイバル、大手企業の内定辞退という波瀾万丈な道をたどり、やがて「壁を壊す」という理念を掲げる株式会社BREAKの創業へと繋がりました。型破りな行動力の裏には、直感を信じ、自らの選択を「正解」にしていく揺るぎない覚悟があります。デジタル人材育成を通じて地方創生を推進し、新たな可能性を広げ続ける小川氏の原動力に迫ります。

根拠なき自信がもたらした独立への道

──逆境経験について教えてください。

私の原動力となっているのは、幼少期から母親に敷かれたレールへの強い反発心です。小学校時代から宿題を終えるまで外に出してもらえなかったり、問題を間違えると叩かれながら勉強させられたりといった経験が、自分自身の意思で物事を決められないことへの「嫌だ」という感情を強くしました。「あなたにはわからないから間違っている」と頭ごなしに言われる環境は、私にとって大きな逆境でしたね。

この反発心は、大学での休学とオーストラリアでのワーキングホリデーへと繋がります。手元に10万円だけを握りしめ、知り合いもいないメルボルンに飛び込みました。日本語の仕事は一切しないと決め、英語の履歴書を手に飲食店を片っ端から訪ねて回る日々。言葉もお金もない中で、羊の世話や野菜工場でのアルバイトをしながら大陸を転々と旅しました。まさにサバイバルでしたが、この経験で「自分一人でもなんとかなる」という根拠のない自信がつき、親元を離れても生きていけるという確信を得ることができました。

帰国後の就職活動では、早稲田大学の同期が大手に内定をもらう中で、私もリクルートなどの大手から内定をいただきました。しかし、どこか違和感があり、本当にやりたいことなのかと自問自答を繰り返した結果、全てのオファーを辞退するという決断をしました。当然、母親からは激怒され、「家を出て行け」と言われましたね。しかし、オーストラリアで培った「なんとかなる」という自信が背中を押し、自分の直感に従うことを選びました。この内定辞退と親からの独立は、私の人生において非常に大きな転換点であり、最大の逆境だったと言えるでしょう。

直観に従う。そして自ら正解を導く。

──逆境から得た教訓や学びについてお聞かせください。

これらの逆境経験から得た最大の教訓は、「自分が決めたことを正解にしていくのが人生である」という考え方です。正しい決断というものはなく、後悔したことももちろんあります。内定辞退後に牛乳販売をしていた頃は「なぜ早稲田まで出て牛乳を売っているんだ」と自問自答することもありました。しかし、どんな選択も最終的には「なんとかなる」と信じ、自分が進む道を自ら正解にしていくことが重要だと学びました。

また、「やらざるを得ない環境に追い込む」ことの重要性も強く感じています。日本という恵まれた環境ではなかなか身につかない「生きる力」を養うため、身一つで海外に飛び込みました。言葉も通じない中で自力で仕事を見つけ、生活を立てていく中で、目標を定め、とにかく動きながら考えるという行動力と突破力が身につきました。

そして、何よりも「直感に従う」ことの価値を学びましたね。私は感覚派で、ビビッときたら必ず動くようにしています。例えば、たまたま知り合った社長から「来週ケニアに行きます」と言われ、それがすごくワクワクする話だったら、他の予定をリスケしてでもついて行きます。そうすることで、面白い出会いや新たなチャンスが生まれることがほとんどです。この「ワクワク」という直感こそが、私の行動指針であり、多くの壁を乗り越える原動力となっています。

デジタル人材と地域をつなぐ、革新的アプローチ

──会社の強みや魅力について、教えてください。

株式会社BREAKは、「壁を壊す(BREAK THE BORDER)」を理念に掲げ、デジタル人材育成と地域創生を核とした事業を展開しています。メインはWebマーケティング支援ですが、その知見を活かしたオンラインスクール「BMP(Break Marketing Program)」が弊社の大きな強みです。開校5年で延べ2,670名が受講し、未経験者が4.5~5ヶ月間で200時間もの実務に近いカリキュラムをマンツーマンで学ぶことができます。体育会系出身の私自身が「薄い勉強は意味がない」と考えるため、まるでドラゴンボールの「精神と時の部屋」や「ライザップ」のように、密度の濃い学習環境を提供しています。

このBMPは、昨年から経済産業省の事業に採択されており、受講料の最大70%がキャッシュバックされる制度も活用可能です。卒業生はWeb企業への就職、副業、フリーランス、そして自らWebマーケティング会社を立ち上げるなど、多様なキャリアを切り開いています。法人向けには、よりライトな内製化支援講座も提供しており、助成金を活用すれば1人約10万円で受講できるため、多くの企業様のデジタルシフトをサポートしています。未経験者が多いため、変な先入観がなく、企業文化に「染めやすい」という点も好評です。

また、弊社の特徴は自治体と連携した地域創生プロジェクトです。2022年に熊本市と協定を結び、オフィスを開設してデジタル人材を育成。若年層の流出を食い止め、地場企業のデジタル化を支援し、地域で育てた人材を地域で活かす「地育地活」の仕組みを構築しています。この成功事例が岐阜県や香川県にも広がり、大分県では移住者を対象に受講料全額を県が負担する「移住支援プロジェクト」も展開。去年は27名、今年は45名が移住し、来年には75名を目指すなど、大分に「デジタルブレイク村」を作る構想も進行中です。将来的にはケニアをはじめとする海外でのデジタル人材育成も視野に入れ、JICAと打ち合わせを行うなど、国内外で「壁を壊す」挑戦を続けています。

壁を越えろ!自分の可能性を信じて

若者の皆さんには、「壁を作っているのは自分自身である」ということを伝えたいです。若い頃は、経験が少ないために外部環境のせいにしたり、自分には無理だと決めつけたりしがちです。しかし、一歩踏み出して行動すれば必ず世界は変わります。その「壁」を乗り越えることで、自分の可能性は無限に広がり、漠然と抱いていた「やりたいこと」も現実へと近づいていくでしょう。
私自身の経験からも言えることですが、「なんとかなる」という根拠のない自信を持って、ぜひ壁を壊すきっかけと行動を起こしてほしいです。そして、何よりも自分の「直感」を信じて、ワクワクすることに臆せず挑戦してください。「これは面白そうだ」「楽しそうだ」と感じたら、深く考えずに飛び込んでみる。そうすれば、道は自ずと開けていくはずです。
私がもし学生に戻れるとしたら、とりあえずリクルートに行っておけ、とは言わないでしょう(笑)。なぜなら、私は環境に染まりやすいタイプなので、大手に行けばそこで満足し、今の起業家としての人生はなかったかもしれないからです。だからこそ、皆さんには「心配するな、大丈夫」と伝えたい。その時々で感じた直感を信じ、自分の選択を「正解」にしていくことで、皆さんの人生はきっと豊かなものになるはずです。

株式会社BREAK

設立 2016年10月
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 非公開
事業内容 Webマーケティング事業
Web広告運用代行
Webサイト・クリエイティブ制作
研修・人材育成事業
有料職業紹介事業(許可番号:27-ユ-303767)
URL https://break-c.com/ https://break-marketing-program.jp https://x.com/break_ogawa
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