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【株式会社SWIFT 井口 亮平】マイノリティを理解されなかった逆境を超え、幼少期からの夢を実現へ。

2025/03/04

Profile

井口 亮平

株式会社SWIFT 代表取締役社長

経営者の祖父が楽しそうに仕事をしている背中を見て育ち「自分も、経営者になりたい!」と物心がついた頃から思っていたという井口氏。高校生時代にはブログでの起業を目指すも、「200日で7円しか稼げない」という逆境を経験する。しかしその経験が礎となり、関西大学を卒業後、株式会社ココナラにて新規事業(ココナラエージェント)のグロースにも従事し、卒業から1年で、株式会社SWIFTを創業。

今回はそんな井口氏に、逆境から得た教訓や同社の強み、夢を実現させる手法などについて伺いました。

ブログの収益、200日で7円。しかし、今のビジネスの萌芽に。

──逆境経験について教えてください。

見た目のコンプレックスがあり、幼稚園の頃から「人前に出たくない」という気持ちが強く、ネガティブ思考でした。そこで、「自分に自信を付けたい」「強くなりたい」と、柔道を習い始めたことで克服。高学年になったときには自分で積極的にしゃべりかけるような社交性が身に付き、思考回路もポジティブに切り替わったことを覚えています。

次に壁を感じたのは、マイノリティを嫌う日本独特の空気感です。幼少期から「経営者になる」という夢を抱き続けていたのですが、そのことを誰かに言ったところ、完全否定されました。その体験が心に刻まれてしまい、学校などで「将来なりたい仕事」のところに会社員と書き、自分を偽ることになるのです。「自分自身を抑制するしんどさ」「諦め」の気持ちを持つ一方で、誰にもいわずに心の中で夢への炎を灯し続けていました。

転機になったのは、高校二年生の進路でした。そこで母親に夢について相談したところ、「経営を目指しているなら、大学で学びなさい」と背中を押してくれたのです。そこでそれまで興味が持てなかった勉強に必死で取り組み、第一志望の関西大学の商学部に合格することができました。ただ、その後に逆境がやってきます。合格から入学までの高校生活をビジネスの時間に充てたいと考え、お年玉くらいの金額から始められる「ブログ」をスタート。1日5000文字書くことを200日続けたのですが、利益はたったの7円(笑)。しかし、そこでの学びが今のビジネスである「X事業」の基礎的なノウハウ構築に繋がります。

大学生の頃、大学向けの会計ソフトウェアをSaaSモデルで提供する事業を立ち上げました。技術面での課題からビジネスを継続することはできませんでしたが、年間売上1億円以上を目指せる可能性を秘めたビジネスモデルでした。実際に、いくつかの著名な大学とは仮契約まで進めることができました。

そのほかの起業後の苦労としては、楽しみと表裏一体になりますが「営業面」ですね。売上と利益拡大のために、今も挑んでいる最中になります。社会人経験が浅いことはマイナスに作用することもありますが、逆に応援してくれる方も増えているのがうれしいところです。

高校生時代に実地で身に付けた、PDCAサイクル。

──逆境があったからこそ得られた「教訓」はありますか?

ネガティブだった時代と、誰にでも話しかけて関係性を築くという今のポジティブさの双方を経験したことで、それぞれの気持ちを理解する術を学びました。「ブログで売上7円」という逆境は、その後のビジネス展開の原点になっています。以降、事業の立ち上げから発展への手法、さらに検証して次に活かすという「PDCA」が自分の血肉となるほどに定着。大学時代は事業を育てて黒字化してから、別のビジネスを立ち上げて成長させる戦略を推進していました。

例えばXとアフィリエイトをかけ合わせ、WordPressとサーバーの紐づけを無料で行うサービスを提供することで、月10万円ほどの利益を確保。ほかには古物商許可証を取得し、ファッションが好きな友人と組んで衣類を販売し、平均して月々の利益を20~30万円に成長させました。ビジネスを他人と一緒に推進するのは初めてで、面白い経験になりました。また、別のアパレル好きな友人と3人で、ファッションインフルエンサーを招致したイベントを仕掛けたこともあります。蓋を開けてみるとちょっとした赤字になりましたが、みんなの知恵を絞り出して望んだイベントだっただけに、お金以上に得るものがありました。

あとは「Xを伸ばす方法」をnoteで廉価で販売していたところ、大きな反響を得ました。Xに関するノウハウは、最初は独学で考察と分析しているうちに1万アカウントへと育っていき、自然と「うちのXについて書いている本を紹介してください」という企業案件が舞い込むようになったのです。そうした書籍からも学びを深め、さらにXのアルゴリズムを研究したり、伸ばしている人たちと一緒になって勉強したりすることでノウハウが蓄積されました。

Xの魅力はいくつもありますが、一例をあげると普通に生活していたらお会いできない有名な経営者といった方からアプローチをいただき、ご縁を紡ぐことができます。また、誰でも自分の魅力や強みを、低コストで発信できるところです。

コンペで負け知らずのXに関する知見、そしてプロ人材が集う組織。

──会社の強みについて、お聞かせください。

まずは、Xに特化した独自のノウハウと知見を持ち、SNS全般を運用している競合他社(大手も含む)に対して、圧倒的なアドバンテージを有しているのが特徴です。実際「Xは、SWIFTに任せたい」と、創業からわずかながら他社から乗り換えていただく大手・有名企業が多く、豊富な実績を残しています。その理由として、私だけではなくXに精通した人材をヘッドハンティングして集めているので、「全員が専門家」であることが挙げられます。

また、これまで新規事業に携わってきたので、Xを起点にしてKPIベースで運用できるところも優位性を誇っているところです。例えば「フォロワーを1万人にする」「商談件数を増やす」といった具体的な目標を、数字とロジックで達成に導くことができます。

加えてコンペで負け知らずの「アルゴリズム分析」にも評価をいただいています。その源泉を少しお話すると、イーロン・マスクの買収によるアルゴリズムのオープンソース化です。そのコードを学生時代から徹底して読み込み、さらに国内よりも最新の情報が行き交う海外サイトなどを活用することで「Xのプロ」としての立ち位置を築いてきました。おかげさまで、権威ある場に専門家として呼ばれることも増えています。

会社のPRポイントとしては、「上場企業との取引」や「官公庁」とのお取引を重ねているところです。社会貢献度や知名度が高く、世の中から信用されているクライアントからご愛顧されている事実が、当社自身のブランド価値のアップにも繋がっています。今後は、さらなる顧客数の拡大やサービス向上を目指す方針です。また、障がい者雇用にも力を注ぎ、ビジネスで個性や特性を活かせることを後押ししたいと考えています。

──インターン生も貴社で活躍されていると伺いました。

Xで1度人材の募集をかけると100名以上の応募が集まるのです。今でも慶應大学や早稲田大学など優秀な学生のインターン生が弊社にジョインしてくれています。

その魅力として、弊社ではインターン生であっても裁量権を多く持たせています。さらに、起業家人材の輩出を目的としたプログラムも存在するのです。将来的に起業したい学生や、裁量権を持って働きたい人材が集まるため、全ての従業員は経営者視点を持ち合わせていることが強みでもあります。

自分軸を大切にしてほしい。揺るがぬ自分軸は必ず存在する。

──若者へのメッセージをお願いします。

少年時代、やりたいことを押さえつけられた経験は今でも根強く残っており、反骨精神の源にもなっています。そのことから「周りから何と言われようと、夢に向かって突き進もう」「行動すれば、カタチになる」ことを強くお伝えしたいです。加えて「自分軸」を持つことで、ブレることなく夢を追いかけることができます。今は徐々に人と違う考え方など「マイノリティ」を認める社会になってきたので、追い風が吹いているのではないでしょうか。ちなみに私自身が描く将来の夢は、「抑制された境遇や気持ち」を抱えている子どもたちに対する教育事業にも進出することです。

また、「やりたいことが見つからない」という話もよく聞きます。そんな場合は、自分と深く向き合うことで、「子どもの頃は、サッカー選手になりたかった」など、何か目標にしていたことが出てくるはずです。その思いを掘り起こすことで、付随するような仕事に対して、モチベーションが高まるかも知れません。例えば私の場合は、少年時代からお金に対する興味がありました。そこで「なぜなのか?」を把握するために、紙に4万文字くらい書き出しました。

すると、「起業して、社会に貢献したい」という自分の中に秘められていた気持ちが言語化されると同時に、「そのためには、いつまでに何をするか?」のロードマップができあがったのです。それからは「若いからできない」という社会の偏見から解き放たれ「とにかくやる!」という行動指針になりました。最後にオススメしたいのは「継続は力なり」です。最初はしんどくても、「21日間続ければ習慣化される法則」があります。私もまだまだ未熟で、やらなければならないことばかりです。一緒に未来を切り拓きましょう。

株式会社SWIFT

設立 2024年12月
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 9名
事業内容 X事業
URL https://corp-swift.co.jp
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