経営の危機を、チャンスに転換。
──逆境経験について教えてください。
人に騙され経営状況の危機経験。「取引先やお客様に迷惑をかけたくない」「家族にも迷惑をかけたくない」と、当時はとても苦しい思いをしました。
当社が手掛けているオンラインスクールは、WEBクリエイターに必要なスキルすべてを学ぶことができて、サポート体制なども充実。「サブスクリプションで学び続けられる」「仲間づくり」を掲げ、一般的なスクールと比較して3分の1程度のリーズナブルな価格に設定しています。そこが売りであり、大切にしているところなので料金を上げることはしたくありませんでした。とはいえ、そのままだと、経営状況が悪くなるため、解決策を考え「新事業の立ち上げ」を行いました。
その戦略が功を奏し、売上げを伸ばすことができました。振り返ると「沈んで屈んだ状態になったことで、その分大きくジャンプできた」と今では思います。周りの支えがあったからこそアイデアをカタチにして、窮地を脱することができました。事業をしていると、良いときも悪いときもありますが「チャンスはピンチ」「逆境は急成長の糧」だとしみじみ思います。
これは、少年から青年期にかけて全力を注いでいた囲碁の経験があったからこそ、踏ん張れたと感じます。「勝てそう」という局面で油断が生じて敗北を喫して負けた棋戦では、特に悔しさが刺激され、「次の勝負では必ず勝つ」と挑戦し続けていました。囲碁での学びは経営でも役立っており、「イケドン状態のときこそ決して奢らず、兜の緒を締める」ことを肝に銘じています。
ピンチを乗り越えることが、圧倒的成長につながる。
──逆境があったからこそ学んだ教訓などはありますか?
「周りに支えられ、恵まれている」ことを、改めて感じたのは貴重な教訓です。一緒に仕事をしているメンバーに対して、「お互いの強みを持ち合い、支え合う仲間」として接してきました。ビジネスパートナーやお客様に対しても、長期的なご縁になればと心がけています。
──囲碁で「日本一」になった経歴をお持ちです。経営でどのように活かされていますか?
自分では感じなかったのですが、周りから言われてふと「囲碁の経験が役立っていたんだな」と気づかされる場面は多いです。囲碁は先達たちの定石を頭に叩き込んだ上で、全体を見渡しながら常に新たな一手を戦略的に張り巡らし、先を読み続けるゲームです。それが子どもの頃から習慣化しているので、「数ある選択肢の中から、次の1手を選ぶ」など、囲碁で培ってきたノウハウやメンタリティが意思決定に役立っています。
ステークホルダー全員と支え合い、仲間として歩んでいく。
──会社の特徴や強みについてお聞かせください。
当社が展開するWEBスクール『Campus』は、私自身がスクールに多額のお金を使って経験する中で感じた「短期間学習では身に付くスキルが限られる」「卒業してしまうので仕事に関することが聞けない」「仕事の取り方、料金やサービスの作り方、集客や確定申告などどうすれば良いかわからない」といった課題を解決するためにスクールを立ち上げました。卒業なしのサブスク型でずっと学びスキルアップができることと、技術的なスキルだけではなく個人で稼いでいくために必要なフリーランスの実務や確定申告や税金面などのサポートもあります。受講者は「一緒に頑張る仲間」という考えで、250名以上のスクール生が学んでいます。
リターンを得るためには、まずは行動しよう!
──若者へのメッセージをお願いします。
知識も大切ですが、行動や体験をすることで得られることは多いと思います。新しいことにチャレンジするときは、不安や、やらない理由を探してしまいがちです。時間は有限なので、やってみたいなと思う気持ちは大切にして欲しいと思います。