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【株式会社マスターピース 吉永 亮】「成長・共創・つながり」が続く世界を実現する。

2024/08/01

Profile

吉永 亮

株式会社マスターピース 代表取締役

1985年兵庫県西宮市生まれ。立命館大学経済学部を卒業後、楽天やビズリーチ、JACリクルートメントにて、IT・人材領域での経験を積む。2019年10月に株式会社マスターピースを創業。「成長・共創・つながり」をコンセプトに、以前から構想していたコワーキングスペースやイベントスペースを大阪市の福島区に開業する。

今回は吉永代表にコロナ禍や移転問題といった逆境を乗り越えた経験や教訓などを伺いました。

創業のきっかけはイベント企画。

――創業に至るまでの経緯を教えてください。

事業の主軸になっている「イベント」との出会いは学生時代に遡ります。当時は大学公式の団体に所属し、学生同士の交流を深めるための企画・運営を行っていました。この活動を通して、イベント開催当日の高揚感や予期せぬ出会い、つながりが発生することの楽しさを知りました。

新卒で楽天に就職した後は、5年間とにかく目の前の業務に打ち込みました。当時は多忙すぎたためにイベント企画から離れ、外への視野が少し狭くなっていたのですが、ビズリーチに転職後、転機が訪れました。ビズリーチ自体が外との交流を推奨する社風だったため、社外の方とのつながりを築くために、異業種交流会・勉強会を開き、コミュニティづくりのようなことを行っていたのです。FacebookやX(旧Twitter)などのSNSや、紹介からさまざまな業界の方と知り合えました。バイアスがかかっていない生のビジネス情報を聞けたり、横のつながりが増えたりなど、イベント企画の醍醐味を味わうことができましたね。

また、2016年から定期的に開催していたイベントのコミュニティが徐々に拡大していき(総勢約450人)、自分たちの本拠地としてイベントスペースやコワーキングスペースが欲しいと考えたのが創業のきっかけです。

開業数か月後にコロナ禍。数多の逆境と教訓。

――創業後の失敗や逆境経験について教えてください。

最初に経験した失敗は、2019年10月の創業時に、大阪市から支援される開業補助金への申請が間に合わなかったことです。単純なことではありますが、やるべきことを確実に遂行することの大切さを痛感しました。

逆境経験として印象に残っているのは、開業後数か月で訪れたコロナ禍です。当時は大企業ですら危機を迎えていたなか、「自分たちの経営は成り立つのだろうか」とネガティブに考えてしまっていた時期もありました。でもそこで折れずに、これまでのビジネスで学んだ「続けるためにどうする」という思考をもとにKPIやKGIを徹底的に考え直したのです。そして緊急事態宣言の合間などにイベント・勉強会を多数開くことによって、何とか危機を乗り越えました。当時は大変でしたが、今振り返ると会社運営において弾みがついた時期だったとも思います。

――ほかにも運営メンバーの離脱や、スペースの移転問題などもあったと伺っています。

実は創業メンバー6名のうち、現在残っているのは私を含めて2名なのです。メンバーそれぞれに夢や目標とする世界がありましたが、全員でそれを達成することの難しさを痛感しました。とはいえ退社の背景としては、年齢や家庭のタイミングなどで事業に専念できないという部分が大きかったので、お互いにとってこれが良かったのだろうと今は思っています。

移転問題に関しては、創業から4年間入居していたビルが取り壊されることとなり、突然新しい拠点への移転を余儀なくされました。広さや家賃など、条件に当てはまる場所がなかなか見つからず、かなり焦った記憶があります。ですが、たまたま自分が登壇したセミナーで知り合ったJR西日本の方から現在のスペース(JR管理物件)を紹介いただき、無事に昨年の7月に移転することができました。

教訓や学んだこととしては、どれだけ大変な状況でも「動き続けること」「声をあげること」によって手を差し伸べてくれる仲間が見つかることです。苦しい時期に思いや考えを吐露するのはハードですが、危機的な状況だからこそ、何か行動を起こさないと事態が好転しませんし、声をあげないと周囲に自身の現状が伝わりません。声をあげ、手を差し伸べてくれた方々に助けられて、幾多の逆境を乗り越えることができたと感じています。

コンセプトとビジョンを発信し続けて得られたもの。

――事業運営において大切にしていることを教えてください。

コンセプトとビジョンに沿って行動することです。自分たちの立ち位置を正確に把握したうえで、自分たちが創りたい世界を目指すことが、適切なアクションにつながると考えています。実は創業当初は「お客様であれば誰でも歓迎」くらいに考えていたんです。でも1年後には「サービスや経営方針がブレてしまってしまっているのではないか」と考え込む状況に陥りました。そこでコンセプトとビジョンを明確にし、さらに代表である私の思いを文字で発信するためにSNSでの発信を強化しました。それ以降はSNSでの投稿を見て、我々のビジョンに共感して来店してくださるお客様が増えていき、イベントの質もコンセプトに沿ったかたちに変化してきています。想いを言葉にする大事さを改めて実感しました。

目の前のお客様はもちろんなのですが、事業や活動に共感してくれる方や、SNSなど少し離れた場所から応援してくれる方も同様に大切な存在です。だからこそSNSでの日常的なコミュニケーションも大事にしています。会社を運営するうえで発生する「喜怒哀楽」を共有することは、仲間づくりにおいて重要な要素であると考えています。

関東と関西をつなげるベースキャンプを。

――今後のビジョンについて教えてください。

近い将来、東京にもスペースを出店しようと考えています。コンセプトである「成長・共創・つながり」が続く世界を創るために、全国から野心をもつ人が多数集まる関東(東京)と、関西をつなげる場所を創りたいです。具体的には出張の際のベースキャンプのような拠点を築くことで、人材還流の一助になれたらと考えています。

目の前の仕事をやりきれば自分の芯をつくれる。

――「もし自分が20代に戻ったらどうするか?」をテーマに、若者へのメッセージを一言お願いします。

もし私が今20代だったら、まずは目の前の仕事にすべてを賭けて「これをやりきった」といえる大きな成果を出し、自分の芯をつくります。私自身20代のころに任された大きなミッションをやりきったことは、今でも糧になっています。当時どんなにつらい状況でも、自分が創りたい未来を先に考えておくことで奮起でき、大きな成果を出すことができました。成功体験をいち早く積むことで成長速度は加速しますし、ビジネスパーソンとして必要な自信や強いメンタルを身に付けられます。「やりきった」と思うところまでやれる環境を自分で築いたうえで、今後の糧となる成果を出してみてください。

株式会社マスターピース

設立 2020年(令和2年)4月1日
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 4名
事業内容 コワーキングスペース・イベントスペースGRANDSLAMの運営 / クリエイティブ制作(写真、ライティング、デザイン、HP制作など)
URL https://grandslam.osaka/ https://x.com/grandslam_mp https://x.com/ryo_tpi
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