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【株式会社FUJIYAMALinx 藤居 也真人】逆境があったから踏ん張れる。夢をリアルに落とし込み現実に。

2024/06/26

Profile

藤居 也真人

株式会社FUJIYAMALinx 代表取締役社長

福祉系の大学を卒業後、ホテル業界などでの勤務などを経てSNSマーケティング会社に転職し、営業部長に。会社員と並行しつつ、自身の音楽活動やイベントのオーガナイズなどを手がける。独立後は5000人規模の野外フェスを成功に導くなど、オンラインとオフラインのハイブリッドな事業を展開。

今回はそんな藤居氏にお金にまつわる逆境体験や教訓、ビジネス上や信条として大切にしていることなどを伺いました。

複数の支払いで、四苦八苦を実感。

──逆境経験について教えてください。

目下、引き続き逆境中というところです(笑)。実は前職のSNSマーケティング会社の代表から借財を申し込まれたのですが、当時は「自分がもっと売上を出せていたら、会社も困らなかったのではないだろうか」という気持ちもあって、300万円を貸し付けました。その後、8か月の間給料が未払いになり、「このままでは生活が成り立たない」と退職します。その前にプライベートで離婚も経験していたので、養育費や家のローンといった複数の支払いに四苦八苦したというのが強烈な逆境体験です。だいたい月20万円くらいの金銭的負担は今でも継続しているので、まだ渦中にいます。ちなみに退職してからその会社は倒産して代表も自己破産したので、貸し付けたお金が返ってくることはありません。

その経験が強烈過ぎて、それ以外の逆境はあまり思い浮かばないのですが、振り返ってみて「大変だったな」というのは5000人規模の音楽イベントを開催したことです。その裏側では動員や広報、協賛集めに奔走するなど大変な局面がありました。5人の実行委員で手分けして作業を進めていたのですが、初の経験で必死だったこともあり、時間が飛んでいくように過ぎた記憶があります。

また、総額でいくらかかるかわからないため、テントの設営や椅子を運ぶ作業、片付けなどは業者を入れずにボランティアと協力しながら自分たちでやったので、体力的に疲れました。なお、協賛金などの収入はすべて運営費用にあてたので当社の利益はゼロです。これは、「みんなに喜んでもらうこと」が目的だったため、苦労が実を結んで来場者や出店者からの感謝の声をいただけるイベントにできたことが、最高の報酬でした。

普段当社では企業のSNS運用やMEO対策といった集客を手掛けることをビジネスにしており、目指しているのは「最強の三方良し」です。そこで、クライアントの飲食店からは5,000円のみの出店料をいただいて、あとは入場無料で魅力のあるイベントにして来場者を増やすことに注力。SNS運用などで得た利益を「クライアントに全部還元する」という気持ちで臨みました。

お金が絡むと関係は崩れる。貴重な教訓を得て前進する。

──逆境から得た教訓はありますか?

「人にお金を貸してはいけない」というシンプルかつ普遍的な教訓です。貸すくらいであれば、自分の身の丈に応じた金銭をあげた方が人間関係に傷がつきません。お金の貸し借りが発生すると「債務者(借りる側)」と「債権者(貸す側)」の立場になって、もとの人間関係は変質します。例えばSNSで債務者が旅行を楽しんでいたり、高級な家に引っ越したりするのを見てしまうと、「返済が先だろう」と思ってしまうものです。そう考えると、もし逆の立場だったら楽しんでいることを発表できない足枷がつくので、知人や友人から借金をしてしまうのはデメリットしかないということに気付かされました。

あとは私の信条として「何事も経験だ」と捉えているので、債務者に対しての恨みはありません。むしろ基本的には「やらなくていいことなら、動かない」というタイプなので、月20万円の返済という逆境があったからこそ踏ん張れたと思っています。独立についても「いつかはしたい」と漠然と思っていた計画が早まって個人事業主になり、1年間で1,500万円の売上を達成できました。2024年に法人化した後も、新たにスタッフを雇うことで「社員を食べさせていくためにも、頑張らなければならない」と自分を鼓舞しています。

──夢や行動原理、信念について教えてください。

夢のまま終わらせるのではなく、「どうやったら具現化できるか?」を突き詰め、自分ができることや、やりたいことである「シーズ」と、世の中が求めている「ニーズ」の落とし所を探り出して、実行するのが好きです。その方針で生きてきたので、「夢はありますか?」と問われると、すでに淡々と実践しているというイメージです。ただ、ここ数年が本当に大変だったので「夢よりも現実」という思考になっていたからかも知れません(笑)。目標として掲げているのは、私の音楽のTikTokアカウントのフォロワーを1万人にすることです。影響力を持つことで、できることの幅を広げたいです。

「オンライン×リアル」を駆使して、期待に応える。

──ビジネスの特徴や強みなどを聞かせていただけますか?

SNSマーケティング会社に勤めていたので、個人としてノウハウや知見を持っているのですが、当社自体は2024年に法人化したばかりです。まだ自社ブランディングの最中ということもあって費用を抑えてサービスを提供しています。さらに営業を雇っていないので、その分の人件費分も他社と比較してコストダウンにつながっています。MEOについては成果報酬型で初期費用もいただいておらず、気軽に始められることが特徴です。

強みは、クライアントに寄り添う並走型のサポートです。流行りやトレンドに踊らされることなく、また自動化や仕組み化でもなく「本質的な魅力」を引き出し、いかにカスタマーに届けて効果を出せるかに力点を置いています。成功事例としては、関西の飲食店でMEO対策の施策後に「前年同月比でユーザーの閲覧数、3,000%以上」「電話の問い合わせが23倍」「ルート検索が約2倍」といったケースがありました。3,000%はさすがに珍しいですが、飲食店の場合であればだいたい5~7倍くらいに増加させることが可能です。

あとは、幅広い業種とのお付き合いがあるので、取引先同士のつながりを促進しています。先日もクライアントの飲食店に集まって、盛り上がっていました。先述した音楽イベントの開催など、オンラインとオフラインの融合は私たちの得意とするところです。さらに昨年からは居酒屋の運営にも参画し、BtoBビジネスでお付き合いのある企業様に加えて、エンドユーザーであるカスタマーとも直接交流を深めています。将来的には、古着のリメイク事業や京都で野外フェスを開催するなど、既存ビジネスとリンクする新たな領域に挑戦する方針です。

好きなことを続けよう。そして、叶えよう。

──若者へのメッセージをお願いします

お金になるかどうかは不明でも「好きでずっと続けている」ということが、誰にでもあると思います。それが“キー”で、ストレス無く継続できるものであれば、ほかの人よりもそこに才能がある証拠です。私の場合は音楽やフェスをオーガナイズするのが好きで続けています。今、ビジネスとして真剣にSNS運用に取り組むとともに、音楽イベントに力を入れていますが、そこには「自分がやりたいことを現実にしたい」という気持ちも含まれています。

「音楽の野外フェスで稼ぐ」となるとハードルが高くなりますが、私たちの場合は利益を追求しなくて良いのでお金儲けの「勝ち負け」にこだわる必要がありません。仮に単発の野外音楽イベントだけで事業化しようと思えば、動員数のみならず天候などにも左右されるので、非常に険しい道になることでしょう。しかし、少し視点をズラしたことで社会に貢献しつつ、自分が実現したいことも可能にする方法を確立することができたのです。やはり、「好きでやりたいこと」が社会では差別化につながります。自分だけのエッジを磨き、社会とコミットする道筋を見つけてください。

株式会社FUJIYAMALinx

設立 2024年2月22日
資本金 50万
売上高 非公開
従業員数 1名
事業内容 SNS運用サポート(LINE、Instagram)、成果報酬型MEO対策
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