MiraError(ミラエラ)

【株式会社リテラリー 加治木 寛人】多士済々が集った青年時代の座席順が、16歳で事業立ち上げの着火剤に。

2024/06/17

Profile

加治木 寛人

株式会社リテラリー 代表取締役

16歳でWebメディアを立ち上げ、個人事業主になり17歳で確定申告をしていたという、異色の起業家ストーリーをもつ加治木氏。大学1年でECサイト制作やWebマーケティング、ツール開発、広告運用を行う株式会社リテラリーを設立。少数精鋭のプロ人材が集う、新進気鋭の企業である。

今回はそんな加治木氏に逆境経験や教訓、そしてビジネスをスタートするきっかけになった中学時代の奇跡の出会いなどを伺いました。

高校生で苦汁を舐めた、人生最大の裏切り行為。

──逆境経験について教えてください。

16歳の高校時代から、もう1人の同級生のパートナーと共同で「まとめサイトの運営」をスタート。学生生活のすべてを注ぎ込んだ甲斐もあって、サイトは順調に成長していきました。しかし、月間700万PVに達したタイミングでサイトのサーバーとドメインを乗っ取られるという、まさかの裏切り行為にあったのです。契約書を交わしていた訳ではなく、ただ泣き寝入りするしかありませんでした。売上の600万円もゼロに。高校生にとっては大金ですし、当時の人生を全ベットして臨んでいた事業だっただけに、あのときは絶望に打ちひしがれました。

次の逆境は起業してすぐの出来事です。クライアントから開発案件を受注し、オフショア取引で海外企業に委託する予定でした。しかし、その海外企業が「豊富な知見があります」と断言していたにも関わらず、実際に任せてみると「できませんでした」と一方的に伝えてきたのです。納期も迫っていたので、間に合わせるために睡眠時間を削って、自分で手を動かして開発しました。周りに協力を仰いで手伝ってもらったおかげもあり、無事納期に間に合いました。そのときのクライアントとは、今でもお付き合いが続いています。

あとは10代で起業し、応援してくれる大人たちが大半のなか、一部の方から「若過ぎるから信用できない」「実際にできるのか?」と、能力を疑問視する内容の言葉をかけられたことも苦労を感じた出来事です。そんなときは張り合わず、距離を置くという作戦をとっていました(笑)。

──「16歳からビジネス開始」は驚異的ですが、きっかけは何だったのですか?

父親が経営者というのもありますが、一番のきっかけは中学生時代の同級生の影響が大きいです。私の後ろの席に「プロゲーマー」が、その後ろに「のちに中学生で40万人のフォロワーを持つことになるインフルエンサー」がおり、前の席には「プログラミング」に強い生徒がいました。ほかの同級生は一般的な学生だったので、たまたまの奇跡的な巡り合わせだと思います。普段から交流を深めていたのですが、『公式LINE』のサービス開始の初日にインフルエンサーがユニークな動画を投稿して大人気に。「これをマネタイズする方法はないだろうか?」と相談を受け、インストールすると報酬を得られるゲームの紹介記事を書きました。それが、最初のビジネス体験です。

自分より若い人たちを、「縛る」ことなく応援する。

──逆境から得た教訓は、どのようなことでしょうか?また、10代からの変化をお聞かせください。

教訓は「安易に人を信用してはいけない」ことです。一方で信頼している方からのご紹介といった良縁は、非常に大切にしています。そして、何かをするときにはお互いのためにも契約書を交わすことを徹底するようになりました。そのおかげもあって、それ以降は「人に騙された」という事例はないです。裏切りで人生のどん底を味わったので、強靭なメンタルを鍛えられたと思います。あと、一部の大人から「若過ぎる」といわれた言葉に対しては、「私は年齢などに一切とらわれない」ことを念頭において行動し、むしろ積極的に若い人たちの支援に力を注いでいます。

応援の仕方としては案件の依頼をしたり、相談やアドバイスに乗ったりすることなどを主軸にしており、「出資」はしていません。こちらが資金を出すと、どうしても行動などを縛ることにつながり、私の主義に反するからです。私にさまざまなことを教えてくれた大人たちも、決して見返りを求めたりしませんでした。「経営者として育ってくれたらうれしい」という気持ちで、メンターとして温かく見守ってくれたのです。そのご恩を下の世代にも引き継いでいくのが自分の役割だと思っています。

変化としては、16歳の個人事業主だったころから、20歳のときに法人化して社員を雇用した今では心構えが大きく変わりました。以前は「自分だけで完結できる仕事で、1人分の食いぶちを稼げればそれでいい」と考え、好き勝手にやっていた側面もありました。しかし今は、みんなで協力し合いながらプロジェクトを推進することが楽しくなり、クライアントや社員たちの幸せを望んでいます。

──若くしてビジネスを成功させている「秘訣」はありますか?

それについては、自分でもわからないところではあります。ただ、昔から気合でなんとかする根性だけはありました。学生のときに持久走の成績が良かったのですが、周りは「身体能力」で戦っているなか、私の場合は単純にしんどい状況に歯を食いしばって耐え続けることで勝ち上がっていました。他人と比較する「負けず嫌い」は無いのですが、自分自身との勝負には負けたくないという気持ちは強くあります。

「売れるため」の戦略立案から実行に至るまでを、一貫して支援。

──会社の強みやPRポイントを教えてください。

当社のビジネスの特色を一言で表すと「クライアントの素晴らしいプロダクトやサービスを、世の中に浸透」させることです。その手法としてコンサルから開発、運用に至るまでをワンストップで提供しています。例えば、ECサイトはほとんどのプラットホームに対応した開発はもちろん、モールの出店にもノウハウを有しています。強みとしては、私がWebメディア運営で培った知見を礎として、マーケティング・開発・プロモーションといった幅広い領域で実績を積み重ねてきました。クライアントからは、「売れるサイトづくり」という、徹底して結果に重きを置いている点に定評をいただいています。商品開発の段階からのご相談も可能です。

施策の一つを例に挙げると、「売れている競合」を徹底分析した後に、その手法を取り入れつつ、独自性を追求する2段階を実践しています。クライアントによっては、「これまでに無かった、新しいアプローチ方法を試したい」という方もいますが、せっかくの「売れている市場」を無視するのはもったいないので、私はおすすめしないことが多いです。分析した上で、競合に勝つための「価値や要素」を加えるほうが、効率的だと思います。加えて、社員全員がECサイトを熟知している少数精鋭の組織であることも当社のエッジです。

あとは、当社には「いつでも連絡ください」とクライアントに伝えており、急なシステムエラーなどにも即対応する点も、安心してお取引をしてくださる理由の一つになっています。

大人たちに追従する必要はない。でも、可愛がられよう。

──若者へのメッセージをお願いします。

私と同じ年齢くらいの経営者が増えてきて、うれしいです。ただ、まだまだ少数派なので、すでに独立している方もこれから起業を考えている方とも、意欲的にお会いして話したいと思います。お互いに刺激し合って、「一緒に頑張りましょう!」という気持ちが強いです。

先日お会いした方は、25歳で生命保険の上位0.01%しか存在しない「TOT」の資格取得を今年目指している方であり、1万人の頂点に立つ営業パーソンでした。会話の一つひとつが深く、人間的魅力にも溢れるとともに、言葉の端々から豊富な知識や洞察力に圧倒されました。

あとは、若者として上を目指すときに、社会を仕切っているのは大人たちなので「可愛がってもらう存在」でいることは大切だと思います。といっても、ただ追従する意味ではありません。私の場合は、もし「違うな」と感じたときには信念を持って意見を述べるようにしています。ただし、やはり経験に裏打ちされた人生のベテランの言葉には重みがあります。相手の言葉の方が「ロジックや本質的に正しい」と感じたならば、自説に固執せずに素直に受け入れましょう。相手を尊重し、しっかりと耳を傾けた上で、己の理念を貫くことが重要ではないでしょうか。

株式会社リテラリー

設立 2019年6月17日
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 4名
事業内容 ECサイト構築・運用・コンサルティング
ソフトウェア開発・保守
輸入販売
URL https://literally.co.jp
この記事が気に入ったら
いいね ! しよう