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【D株式会社(D inc.) 堀田 航真】Web3・メタバース・AIで、私たちの未来を創造する。

2024/06/13

Profile

堀田 航真

D株式会社(D inc.) 代表取締役

未来を変える技術として話題になることが多いWeb3・メタバース・AIだが、現在は情報が氾濫して錯綜する「バブル状態」の様相を呈している状態。そんななか、トレンドテック活用特化の当社を立ち上げたCEOの堀田氏。確固たる知識や豊富なノウハウを活かし、複数の企業で技術に関わる取締役などを務めている。

今回は「メタバースが好き」を武器に、最新のテクノロジーを駆使したビジネスに挑み続けている堀田氏に、逆境経験やそこから学んだこと、そして、Web3がもたらす未来像などをインタビューしました。

「暗号資産」の鉄火場で賭けに出て、火傷を負う経験。

──逆境経験について教えてください。

Web3・メタバースの世界に飛び込んだのは、ブロックチェーン技術から生み出された暗号資産(仮想通貨)がきっかけでした。当時、世界的に著名な起業家がSNSに書き込むだけであるコインの金額が跳ね上がるという事象があり、レバレッジをかけて勝負に挑んでいました。乱高下が激しいチャートを見ているだけでおもしろく、そのギャンブル性に魅了されてヒリヒリした感覚を味わっていました。しかし、身の丈に合っていない金額をベットした結果、見事に有り金を失うという逆境に陥ったのです(笑)。そこで「ちゃんとした方法で、しっかりと稼ぎたい」という気持ちが芽生え、起業へとつながりました。

この「稼ぐ」という行為や仕事などに対するモチベーションは、今もなお模索中でもあります。これまで労働時間(工数)を売ることで利益を出してきましたが、仕組みで稼ぐ手法はまだ未知数です。しかし、さらなる上を目指すにはシステム化が不可欠です。当社のビジネスは、最先端のトレンドを熟知したプロ人材がBizDev(事業開発)の段階から参画し、開発から運用まで請け負うなど、クライアントのニーズを引き出し、シナジー性のある新規事業の提案をしていくモデルなので、労働集約の域を脱することができていません。とはいえ、この業界がバブル状態であるにも関わらず、本質的な理解とスキルを有する専門人材が国内に極めて少ないという背景もあり、すでに労働集約の単価的には最大値に達していると感じています。そのためさらに利益を積み上げるために、仕組み化かオリジナルのプロダクトを開発するかを考えつつ、次のフェーズに行くために苦悩している最中です。まだ熟考できていませんが、せっかくWeb3界隈にいるので、将来はIPOではなく仮想通貨による上場(IEOやICO)は将来の選択肢に入れたいと考えています。

あとは、小学生から大学生までオンラインゲームにどっぷりとのめり込んでおり、プロフィールでも「ネトゲ廃人」と記載しているほどです(笑)。基本的に楽しい思い出しかないのですが、海外発のゲームを現地の友人の協力でいち早くプレイした際にちょっとした逆境を感じたことがあります。日本にそのゲームが上陸したときには相当知見が高い状態でスタートをし「チートだ!」と掲示板などで叩かれたことがあるのですが、今となっては良い経験です。

遊びとビジネスがシームレス。信頼できる仲間と共に。

──逆境があったからこそ学べたことや、教訓はありましたか?

お金については多くを学びました。例えば、実務自体はほぼ同じような業務をしているにも関わらず、会社員と経営者の間での収入に差異があることがあります。そして、会社を立ち上げてからは「お金の自由度」がまったく違うことに気付かされました。例えば、自分のスキルアップや学びのために「最先端のテクノロジーが詰まったプロダクト」を購入する場合であっても、会社員であれば給料の中からになりますが、経営者であれば、「会社の成長に不可欠。未来の投資になる」と必要性や合理性が判断された場合は、経費になり節税にもなります。法人になることで選択肢が広がり、得られるメリットは大きいことを知りました。

仕事に対するモチベーションについては、「一緒に働いたら楽しい!」という人たちと組むことで、全員のモチベーションが高くなり、働きやすい環境が維持されます。現在のメンバーは、私が声をかけて集まってもらった人たちなので愛着も人一倍です。社内は「男子校のノリ」を標榜して、新しい技術やサービスが出てきたらみんなで目を輝かせながら「AIとこれを組み合わせたら、さらに発展する」「ゲーム空間でクライアントと打ち合わせする」など、遊びとビジネスをシームレスな状態で進めている風土です。全員のやりたいことがほぼできている状態なので、心理的安全性が抜群に確保されており「ここまで風通しの良い会社は無い」と自負しています(笑)。

ネトゲでの経験はビジネスに直結しており、例えば事業構築であれば「ユーザーの嗜好性」などを鑑み、リアルに反映した確度の高い提案につながっています。また、ゲームから学んだこととしてレベル上げの「最適解」をスプレッドシートで管理し、目標から逆算する方法を自然と身に付けていました。さらにゲームの良いところは、現実であれば年齢やルッキズムといった環境要因に言動が左右されることがありますが、バーチャルでは一切関係ありません。努力や実力が報われる、フェアな世界です。課金はリアルマネーパワーが必要ですが(笑)。

国内トップクラスの実績とノウハウを有する強み。

──会社の独自性や、Web3が実装された未来のことについて教えてください。

Web3・メタバースは「間違いなく来るだろうけれど、理解が難しい」という方が少なくない領域です。説明する際にVR世界がリアルに溶け込んでいる社会が描かれた映画「レディ・プレイヤー1」の鑑賞を推奨しているコンサル会社は多いです。私も含め、仮想空間とリアルが融合している世界を具現化していくことをみんな目指しており、教科書的な存在です。

当社の強みとしては、まず豊富な実績や事例があるという競合優位性です。これは、国内屈指のトレンドテック分野に特化したメンバーたちのおかげであり、加えてそんな優秀な人たちが「ノリよく、仕事を目一杯楽しんでいる」ところが特色です。もちろん、事業として収益性は追求しますが、その手前の段階ではプロジェクトをライブのように盛り上がる雰囲気が醸成されてこそ、成功への道だと経験上感じています。また、専門性の高い人たちの周りには、同様に高度な知見やノウハウを持つ方が集まるので、Web3・メタバース界隈での著名人には、だいたいリーチできることも強みです。

未来については、例えば金融システムがブロックチェーン化された世界はユニークかもしれません。フィンテックと呼ばれる領域ですが、現状のオンプレやクラウドを使ったシステムは膨大な設備投資が必要であり、継続的に支払いも発生します。ところがブロックチェーンを使えばスピードとコスト面のみならず、改ざん耐性も高いので情報流出防止にもつながるのです。

新しい技術には、とりあえず積極的に触れてみよう。

──若者へのメッセージをお願いします。

常に「お客様が、何に対してお金を払っているのか?」を認識して仕事をすることをおすすめします。「営業の人間性で購入している」「商品のこの機能が好き」など、人それぞれのニーズを的確に把握できるようになれば、どこでもビジネスをできる基礎が身につくでしょう。学生と経営者が話す機会があったとき、「レイヤーが違って、話が合わない」ことが多々あると思いますが、この視点があれば上手くいく可能性が増えるはずです。ニーズの把握と相場観を養うことは、人生において汎用的に役立つスキルです。あと、自分の「エッジ」を見つけたり、磨いたりするためには受け身にならず、ときには手弁当であっても積極的に取り組んだほうがいいです。

あとは、Web3・メタバースもそうですが、AIなども含めて最先端の技術のなかで「少しでも興味がある」場合は、すぐに触れることです。その技術が社会に浸透すれば、その歴史を語れるだけでも仕事になります。私の場合はネトゲがそうでした。また、例えば会社員だったとして、「あの人はNFTに詳しい」と社内で評判になれば、入社1年目の新人であっても仮に関連する新規事業に進出するときには、選ばれる可能性が高いでしょう。これは、周りがやっていないテクノロジーや概念に精通しているからであって、すでに確立されている分野であれば社内に先達がいるので、声がかかる可能性は少ないでしょう。私も楽しみながら最先端技術を追求し、革新し続けます。

D株式会社

設立 2022年
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 50名(パートナー、業務委託含む。2024年5月時点)
事業内容 Web3・メタバース専門の企画(Biz)・開発(Dev)・運用(Ops)
“人材” & “集合知“をサブスクで提供
URL https://decentralizedpro.io/
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