社員同士は「イングリッシュニックネーム」で呼び合う風通しのよさ
—— まずは事業内容について教えて頂けますでしょうか?
弊社は65年の歴史がある会社です。
大きく5つの事業を展開しており、メイン事業はベビー用品メーカーとして、ベビーカーやおもちゃなどを製造、販売しているベビー&トイ事業です。次に、100%子会社のアパレル部門や育児環境支援事業です。よく新幹線や公共トイレで見かけるような赤ちゃんのおむつを交換するような台や、個室の中で赤ちゃんを座らせるシートを見かけると思うのですがあれを実は作っておりまして。そういうB to B事業も展開しております。あとはライフサイエンス事業というものがあり、化粧品の展開や食品に入れる乳酸菌素材の研究開発も行っております。最後にベビー用品の技術・ノウハウを横展開したペット事業も2012年の9月から行っております。
-ありがとうございます!ベビー用品以外にも幅広く展開されているんですね。
社風としてはどんな会社なのでしょうか?
-ここは現場からお願いします^^
そうですね、風通しのいい会社だなと思います。
もともと社員同士、役職で呼ばず「○○さん」と呼ぶ文化があって。例えば社長のことも「社長!」とは呼ばないんです(笑)。2017年より新しく取り入れていることとしては、「イングリッシュニックネーム」というのを任意で社員が持っていて、その名前で呼び合うということをしています。例えば、弊社の社長である小堀は、「Kei(ケイ)」というニックネームで呼ばれています。
これは役職問わず呼び合うので、広報の私も小堀のことを普段から「ケイ」と呼んでいます(笑)。こういう呼び方一つとっても非常にフランクで、コミュニケーションが取りやすい会社だなと思います。
「イングリッシュニックネーム」のきっかけとしては弊社がグローバルに力を入れていることも背景にあります。メインはアジアになりますが、グループ会社も海外にあるので、そことのコミュニケーションも考えたときに「イングリッシュニックネーム」で呼び合おうと会長発案から始まりました。(川崎さん)
「感動創造No.1企業」になるために必要なのは「予想外の価値」を届けられるかどうか
-風通しの良さが呼び方にまで反映されていて、いろんな意見も出やすいんじゃないかと思いました!やっぱり御社としてはグローバルに活躍できる人材を採用していきたいと考えられているんですか?
グローバルにも興味がある方だとなおいいと思いますね。
-なるほど、それ以外の部分だと小堀さんは具体的にどんな方と一緒に働きたいと考えられているんですか?
感動できる人。
私が新しく社長になって、「感動創造No.1企業」になろうという経営目標を掲げました。
感動を与えるには、自分自身が感動できないとなかなか難しいので、そういう人と一緒に働きたいですね。
-感動できる人…それは涙もろいとか、感情移入できるとかそういうイメージですか?
「感動」の定義は「予想外の価値」としています。
想像もつかないような期待を上回る体験や商品をお客様にお届けしようと一生懸命になれる人ですね。
「感動」を創造するには、自身が「感動」できる人でなければいけませんね。
暗中模索の中、新社長に就任。前向きさの秘訣とは
—— -なるほど、ありがとうございます!
ここからは小堀さん自身によりフォーカスを当てて質問していけたらと思います。
小堀さんはポジティブ思考がかなり強く、どんな時でも変わらないとお伺いしたのですが、なぜポジティブで居続けることができるのでしょうか?
今もまさにコロナ禍で、グローバル展開をされている御社にとっては難しい局面だと思うのですが。
そうですね…。
考え方として「陽はまた昇る」ということが土台にあると思います。
ずっと夜であることはなくて、いつか朝がきて、また夜になる。その繰り返しだと思うんですね。それと一緒で良いことと悪いことも繰り返す傾向にあると思っています。
今はマイナスでも次はプラスが来る、だから前向きでいられるのかなと思います。
-ありがとうございます。
実際の仕事の場面で経営者としてそのポジティブさが活かせた局面などはありましたか?
例えば、品質クレームとかですかね。
誤解はしてほしくないのですが、品質クレームが来ると僕は嬉しくなっちゃうんですよ。
本来起きてはいけないことですし、もちろん次が起きないように改善していきますが、そういう問題が発生したときに「嫌だな」という気持ちよりも「嬉しいな」という気持ちになるんです。
大きく2つ理由があって、問題が発生した事自体はマイナスでも、もうマイナスだからそこからプラスになることしかないな、と思えるのと、学びや成長の機会でもあると思っているからです。問題が起こるということは、今までとは違う何かをしていかないと上手くいかなくなってきていることと同じだと思っています。その分、新しい商品開発につながったりすることで、良いことしかないと思います。
-ありがとうございます。
そんなポジティブな小堀さんが社長さんになられて会社の雰囲気が変わったりなどはありますか?
数ヶ月前に社長になったものの、
その前までは経験したことのない部署は無いぐらいいろんな仕事をさせていただきましたので、各部署の社員ともコミュニケーションをとっていたこともあり、あまり大きな変化はないかなと思います。
ただ、社長就任の打診を頂いたときには、その理由として「前向きで挑戦してくれるから」と言っていただいて、やっぱりそこは大きかったのかなと思います。
今まさにコロナの影響で社会自体が転換期でもあると思っていて、その中で弊社は64年の歴史があり、ネームバリューもそれなりにあって、仕組みも構築はされているんですが、今までのやり方だけでは通用しなくなってきていると思います。
会社もそうだし、人の生き方も。
そんな中で、私は変化が好きで楽しいと思う人間なので、これからもどんどん新しいことに挑戦していきたいなと思っています。
-挑戦ってたしかに良くなる可能性もあると思いますが、失敗する可能性もあると思っていて。コロナ禍での社長就任のプレッシャーとか、怖さとかは感じなかったのでしょうか?
そうですね。
先程もお伝えした「陽はまた昇る」の考え方が土台にあって、これから良くなる方向に向けて色々試行錯誤していくわけなので、これ以上は悪くなることはなく、良くなるだけだと思うと特に怖さとかはなかったですね。今も足掻いている真っ最中です(笑)。
まさにディズニーランドのような会社にしたい
—— これから今までやったことのないような新しいことにも挑戦されていかれると思うのですが、差し支えなければ今後の展望に関しても教えていただきたいです。
ディズニーランドのような会社にしたいですね。
弊社の商品やサービスを通して、お客様に「予想外の価値」をお届けし続けることで、感動を与えられる会社にしていきたいです。今までも「価値」は届けられていたと思いますが、よりバージョンアップしていきたいと思っています。
-小堀さんが考える今後の社会で活躍し続けられる人はどんな人でしょうか?
今までとは比べ物にならないスピードでIT化が進んでいる中で、想像もつかないような世界に10年後、20年後なっていくと思うのですが、そういう変化に対してアンテナを張っていくことが重要だと思います。
一方で、変わらない部分もあると思います。どれだけIT化が進んで効率良くなったとしても「人の心」は効率的にはならない。相手が困っていたら自分の最善を尽くして助けようとする、何か自分にできることを探してやる、そういう「徳のある人」が今後も信頼され活躍していくと思いますし、今後弊社が「予想外の価値」を届けられる企業になっていくためにも必要な人材だと思います。