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【株式会社アライズ 中田 治】営業力こそあらゆるビジネスの基本。この武器で、社会に求められるサービスを普及させていく。

2024/04/09

Profile

中田 治

株式会社アライズ 代表取締役

大学卒業後、株式会社光通信に入社。厳しい競争環境のなかで頭角を現し、法人営業として大きな成果を残し、営業に限らず経営にも関わる。実家が建築会社を経営していた影響もあり「いつかは自己資本で会社を経営したい」という思いから、平成25年に独立し株式会社アライズを創業する。「営業力をもって、社会で求められているサービスを普及させる」ことを目標として、事業の拡大に取り組んでいる。

そんな中田氏にこれまでの苦労や逆境、そこから得られた経験などについてお話を伺いました。

100人の新入社員が1年で5人に。厳しい競争環境にいた新入社員時代。

――中田社長が入社されたころの光通信というと、相当厳しい会社だったと聞いています。そこでの苦労や逆境体験を教えてください。

実はもともと光通信に入社したつもりではなかったんです。当時、光通信の関連会社にIEグループという会社があり、そこに入社して、入ってからそこが実は光通信だったと知りました。当時はほとんどの人から「光通信には入るな」と言われるくらい、厳しいことで知られている会社でした。実際に、入社した100人の同期は研修合宿で半分になり、その後半年から1年でどんどん辞めていき、5人しか残りませんでしたね。

ただ、子供のころから剣道をずっと続けてきていたせいか、厳しいことそのものは大丈夫でした。もともと、父が建築会社を経営していたことがあり、それを見ていてぼんやりと「いつかは自分も」「どうせ働くなら自由にやりたい」と思っていました。そのためには、地力が必要だと感じていたので、それが鍛えられているという実感がありました。

振り返ってみると厳しい環境だったなと思いますし、それが逆境だったかといわれれば、確かにそうかもしれません。でも、早い段階から経営に関わる仕事をさせていただいたこともあり、あの経験がなければ今の自分はないと思えます。

上下関係が厳しい体育会系から、結果がすべての営業の仕事へ。

――当時のご苦労から得られたものはどんなものでしょうか?

剣道を幼いころから続けていて、高校、大学と剣道の推薦で進学してきました。まさに体育会系の極みのような感じで、上下関係はとても厳しい。ところが、光通信に入ると、年次で上下関係が決まるのではなく、成績で決まります。実際、入社半年で私は年上の部下を持つようになりました。営業成績を上げた人、結果を残した人にはきちんと報いるのが当たり前だったのです。しかし、年上の部下とうまくやっていくのは簡単ではありませんでした。この時に現場だけの営業とは違った、応用力の効いたコミュニケーション能力が鍛えられた気がします。

起業から10年。事業規模を拡大するフェーズで生まれる新たな苦境

――起業されてからの苦労というのはどのようなものでしょうか?

現在起業してから10年です。自分の武器である営業力をもって、「社会で求められているサービスを広く普及させていく」ことを目指して経営をしています。経営者となってからはそれ以前とは違う苦しみがあります。以前は「自分が頑張ればなんとかなる」という部分がほとんどでした。しかし、経営者になると違い、従業員に頑張ってもらわなければならないのです。とにかく、この10年は自分は極力現場に入らず、人を育てることに力を注いできました。
特に、この1年間では従業員数を一気に約3倍の30名から80人以上に増やしました。これまでは、少人数体制で利益をきちんと生み出せる組織づくりを実践してきたのですが、本来の目的である「広く世の中に求められるサービスを普及させていく」ためには、規模も必要です。その規模を追求する時期が来たと思ってのことでした。

しかし、急に規模が増えると別の苦労が生じます。30名でやっているときには、社員一人ひとりを「勝たせる」必要はあまりなく、みんなで成績を上げていけばそれが共有できました。しかし、80名になると全員のモチベーションを維持しなければいけないのです。それには「営業成績を上げてもらい(勝ってもらって)」「(その評価として)役職を上げ」、「年収を上げていく」必要があります。それがないと、モチベーションは上がりません。言い換えれば、この3つを徹底的に実践すればモチベーションは上がり、コミュニケーションのかわりになるのです。増えていく従業員一人ひとりと私が密接なコミュニケーションを取り続けることには無理があります。でも、「勝たせる仕組み」「それを評価する仕組み」は作ることができます。まさに今、その産みの苦しみを感じているところです。

どんな仕事をするにせよ、営業力は絶対に欠かせない。

――今後のビジョンについてお聞かせください。

現在、新電力事業と外国人技能実習生の雇用支援を主事業としています。どちらも、世界一高いと言われている日本の電気料金に対する課題解決、世界トップレベルの少子高齢社会となっている日本での労働力不足への取り組みという、いわば国策に関わるサービスです。まさに、今の日本に求められている、ニーズが高い事業です。

当社の最大の武器は営業力です。その営業力で、社会に必要なサービスの普及に貢献していくこと、このビジョンは創業時から変わりません。今はそのビジョンを実現するために、規模を拡大しているフェーズです。

――最後に、若者へのメッセージをお願いします。

就職をするにあたっていろんな業界を考えたり、職種を考えたりするでしょう。私からアドバイスするとすれば「まずは営業を経験してください」ということです。研究職や開発職、企画職、総務、経理などどんな仕事でも「営業力」は必要なのです。営業力とはものを売る力のことではありません。ものを売るのは結果であり、相手へ考えや思いを伝え意思疎通する力こそが最も重要なのです。子供のころ、欲しいおもちゃがあるとき親に一生懸命「買ってほしい」と説得した経験がある方は多いと思いますが、それも立派な営業なのです。この能力を磨くためには、営業職を一度経験することをおすすめします。
それから、「なりたい自分」をイメージしてください。バリバリ頑張ってお金を稼ぎたいのか、のんびり趣味に時間を費やしたいのか、どうしてもやりたい仕事があるのか。それが明確になれば頑張れると思います。

振り返ってみれば、これまでの人生は逆境ばかりでした。何万という大小の逆境を経験してきたのかもしれません。ただ、一つ一つを思い出せないし、頑張ることができたのは、「いつか経営者になりたい」という想いがあったから。そして、会社を大きくして、社会に貢献するのだという「なりたい自分」があるからです。頑張る理由があれば、逆境は逆境にならないのかもしれません。

本当の最後にもう一つだけ。「失敗を怖がらない」でください。失敗を恐れてなにもしないのは最悪です。目の前に難しそうな課題があったら、誰しも「やらない理由」を考えてしまいますが、そうではなく「どうやればいいのか」を考えることです。その結果であれば失敗しても大丈夫ですし、なにもしないことより何百倍も失敗の方がいいです。何度でもやり直せるので、行動してほしい。そう思います。

株式会社アライズ

設立 2013年11月
資本金 4,180万円(準備金含む)
売上高 非公開
従業員数 80名
事業内容 法人コンサルティング事業
新電力事業
global solution事業
URL https://a-lis.co.jp/
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