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【株式会社 三河屋 村瀬 正佳】「自分の才能を最大限に発揮し、幸せになる」という、理想の社会へ。

2024/03/08

Profile

村瀬 正佳

株式会社 三河屋 代表取締役

幼少期から祖父が営んでいた『三河屋神具店』を手伝うとともに、経営に関する薫陶を受ける。尊敬する祖父の理念と社名を引き継ぎ、現在は教育×IT事業で、クライアントを技術力で支えるSES事業を展開。将来的に自社サービスの開発に向けて準備を進めている。

今回はそんな村瀬氏に、起業前に“ナンバー2”として苦労した点や、そこで得られたノウハウなどをお伺いしました。

体力、メンタル、金銭関係…。若いうちから体験した苦悩の数々。

──逆境や大変だった経験を教えてください。

経営者だった祖父の背中を見て育ったこともあって、子どものころから「自分で会社を立ち上げたい」という気持ちを抱いていました。そして大学卒業後は周りが会社員になっていくなかで、先輩と一緒に運送会社をはじめることになります。役割としては“ナンバー2”でしたが、とにかく忙しくて毎日重い荷物を運ぶ日々は体力的にきつかったです。さらに、就職した友人たちが社会人としてのスキルを身につけて、有名企業でイキイキと働いている姿が眩しく見えました。そんな周りと勝手に自分を比較してしまい「こんなことでいいのだろうか?」と精神的に自分を追い込んでしまったのも苦しい経験でした。ただ、ナンバー2として全体を見渡すポジションなだけに、経営についての知見を深めることにもつながりました。

運送会社を3年ほど経験した後、25歳で派遣会社に移り、ここでも“ナンバー2”を任されることになります。激務の間のわずかな時間で、就業後はMBA取得に向けて要求水準の高い経営塾で勉強をしていたので、時間的に余裕の無い生活を過ごしていました。さらに、業績が芳しくない時期もあったので、そのときはアルバイトとして細々と生活を送るなど金銭面での苦しみも味わいました。

今の会社を立ち上げてからは、軌道に乗せるまでの1~2年は逆境の連続でした。特にコロナ禍の最中に起業したので「案件の獲得」に奔走していた記憶があります。運用資金も尽きかける手前までいったことがあり、そのときはクライアントに救ってもらいました。あとは、人間関係のトラブルですね。キーパーソンだった方と急に袂を分かつことになったのはショックな出来事でした。信頼していた部下の背任行為にあったこともあります。ただ、こうした「逆境」や「痛い経験」を積んだことで、同じことは二度と繰り返さずにすみますし、対応策を身につけることができたと感じています。

先回りしてリスクヘッジ。そしてトップとして冷静に振る舞う。

──逆境やご苦労から学んだ教訓について教えてください。

今なお失敗もしていますし、そこから学んでいる最中というところです(笑)。ただ、キャッシュフローについてはこれまで散々苦労を重ねてきたので、かなり厳格に管理する体制を整えることができました。「いつ、どんなときに、どれくらいの資金投入が必要なのか?」という厳密な予算を立てるのはもちろんのことですが、イレギュラーなことが起こっても対応できるように内部留保を確保しています。

あと、私たちが扱っているのは機械などではなくエンジニアという「人間そのもの」ですので、アクシデントや予想通りにいかないという事態は付き物。常に最悪の事態を想定し、先回りして「プランB」を用意しておくという経営方針を貫いています。エンジニアたちが毎日楽しく仕事に打ち込んでくれるのが、会社にとって一番うれしいことなのでそのためにこまめに連絡をとっています。細かい部分は部下に任せていますが、私自身もだいたい2週間に1回くらいのペースで、約70名のエンジニア全員に電話でフォローをするようにしています。

また、会社を立ち上げる前に“ナンバー2”を任されていた経験からの学びや教訓も大きいです。まず、運送会社時代は本当にストレスやプレッシャーが凄まじかったので、フィジカルもメンタルも大いに鍛えられました。そして、派遣会社のときも含めて“ナンバー2”の立場でわかったことは「トップとしてのあり方」です。「ああいった発言をすると、こんな風に周りから受け止められる」という点を冷静に判断することができるようになりました。そこで、私も「トップとしての立ち振る舞い」「言葉づかい」といったところを実地で学んで吸収できたことは、苦労して得た大きな収穫だったと思います。例えば「社長は常に自信満々でいること」「お金が儲かる、儲からないを口にしない」ということです。大切なのは「何のために仕事をするのか?」といったミッションを伝えることです。

コミュニケーション能力に優れた“技術者たち”が財産。

──会社の強みや魅力を教えてください。

当社のミッションは、「すべての方が自分の最も輝ける場所で働く未来を実現する。」ことです。SES事業はエンジニアたちがスキルを身につけ、将来的には自社サービスとして「みんながハッピーになるようなHRサービス」を開発・リリースするための布石のひとつです。ただ、現時点でもすでに理想の具現化に注力しているところです。

これまで運送会社などをしていたときから、求職者とお会いして採用活動をしてきたのですが、「やる気も実力もあるのに、たまたまめぐり合わせが悪くて仕事に就けていない」という方々に、たくさんお会いしてきました。天災で、「急に仕事を失った」という方も多いと思います。

そうした「環境のせいで、会社員になれない」という方の受け皿になりたいと、私たちは考えています。具体的に当社では“まったくの未経験者”をお迎えして、まずは研修を行います。優しくて愛情に溢れる講師陣が在籍しているのが自慢です。そうやって育成したエンジニアたちがクライアント先で活躍してくれています。

エンジニアたちの前職は「営業」「飲食店」などさまざまですが、特徴は「コミュニケーションスキルに長けている」ところです。エンジニアとしてはこれからまだまだ伸びしろがある存在ですが、開発現場では相手の意を汲み取り、自らの考えを円滑に伝える対人能力の高い技術者が求められています。クライアントからはそうした点をご評価いただいています。

「義務感」から抜け出し、やりたい仕事を全力で!

──若者へのメッセージをお願いします。

先述したミッションを当社が掲げている理由は、社会貢献や世の中から必要とされる存在になるだけではなく、「自分自身の大きなやりがい」へと直結しているからです。人間は何かしらの能力や才能を必ず持っています。ただ、それを開花させて最大限に力を発揮するためには「努力」が求められるのです。だからまずは自分だけの戦力を磨き上げましょう。そして「高い理想」を持って欲しいと思います。そして、もし「理想のカッコいい大人」を見つけたら、あとはそこを目指して走るだけです。

私自身もそうなのですが「仕事に対する価値観」がずいぶんと変わってきている気がします。昔は働かなければならないという「義務感」で労働していたと思うのですが、今は「自分が楽しいからやる」という娯楽の延長線上に「働く」という行為があるように感じます。もちろん、「楽しい」と言っても本気で取り組む、向き合うのは大前提ですが、「義務感」からは開放された方が高いパフォーマンスを発揮できると私も考えています。だから、「自分が全力で頑張れる何か」を見つけ出して欲しいです。そうした方が人生を幸福に過ごすことができると思いますよ。ちなみに、私個人の夢は今の会社を3000億円規模にまで押し上げて株式上場することです。夢は大きいほど頑張りがいがあります。ぜひ一緒に上を目指しましょう。

株式会社三河屋

設立 2020年8月
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 非公開
事業内容 SES事業
人材アウトソーシング事業
URL https://monzou.net/works/
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