「社会性と経済性の両立」をしてさまざまな立場の方と伴走する
――貴社の事業内容について教えてください。
営業支援とマーケティング支援を主に行っています。主力事業である『Sales With(セールスウィズ)』は、「3,000円で経営者のリードを獲得する」成果伴走サービスで、経営者の手が回らないビジネス用SNS30種類を活用したアプローチを、弊社の在宅ワーカーがBPOで請け負うというものです。
――主力事業やほかの事業名にも「With」とあることからも、お客様に伴走するという理念を事業でも体現されてらっしゃるのですね。貴社の事業の特徴について教えてください。
社名の「Repro Accompany」は「Repro(再現性)」と「Accompany(伴走者)」という意味で、「With」という言葉はお客様と関係性を構築する上でとても大事にしている観点です。
当社は、「社会性と経済性の両立」を理念として事業を展開しています。キャッシュの回る事業を構築すること(経済性)は前提として、その上でいかに社会的意義を盛り込むのか(社会性)を大切にしています。攻めの営業支援とマーケティング支援という業務、なかなか働きづらい環境の方々の雇用を結びつけながらサービスを展開していることが最大の特長となっています。
3か月357社への商談が逆境を乗り越えるきっかけに
――起業に至った経緯を教えてください。
もともと学生時代の時から起業したいという思いはありました。就職活動の際には、色々な業界と接することができる金融業界や、総合商社などに絞ったなかで「こんな社会人になりたい」と思える方が多かった東京海上日動火災保険に入社しました。最初の3年間は福岡で営業を経験した後、本社の東京に転勤になり大企業向けの営業を担当しました。
東京に転勤になって2年目ごろから、起業に向けて副業を始めました。副業は営業支援業を中心に、色々なものに挑戦しました。副業を始めてから1年半ほどで、最低限の生活水準を保てるくらいは利益を上げることができるようになってきたので、会社をやめて独立しました。
――逆境や苦労した経験をどのように乗り越えてきましたか。
自信家な性格なこともあり「いけるだろう」と思って起業しましたが、独立して最初の3か月はほとんど売上がないという状況でした。新卒の給料以下の売上が続いていて想定外でしたが、それでも愚直に仕事に向き合い続けました。
3か月が経ったある時、自分の中にある変なプライドを捨てる決断をしました。それまでは変に高をくくり他責にしてしまい、行動量が圧倒的に足りていませんでした。プライドを捨てる代わりに、愚直に商談数を増やすことに専念しました。白地のテレアポから始まって、メール営業やフォーム営業、広告、セミナーの開催、共催セミナーの実施、交流会への参加、ビジネスSNSの活用などできることは全て取り組みました。
今でも明確に覚えているのですが、最終的に「3か月間で357件」の商談を行いました。その間に個別の提案書作成や受注した契約の役務提供も全て一人で実施していたので、今考えるとこの圧倒的な量でのアプローチが、私がこの時期をブレイクスルーできたひとつの要因だと思います。
――会社員時代の逆境の経験もあれば教えてください。
逆境経験ではないのですが、独立を決めた出来事はありました。会社員時代、尊敬する先輩に恵まれて良い環境で働いていたのですが、ある時同じ部署の中で売上トップの先輩が転勤することがありました。その先輩は部署内の売上の大部分を占めていて「この人が抜けたらこの部署はどうなるんだろう」とみんな不安がっていたことを記憶しています。
結果的に、その先輩が抜けても会社は何事もなくまわっていました。そこで大企業は個人の技量ではなく、仕組みや組織で成り立っているということを痛感しました。もちろんそれが大企業の良いところではありますが「会社の看板ではなく、自分の看板で勝負してみたい」という思いが強くなり、独立に至っています。
「Goal-Less」を理念に、新たな可能性の扉を開き続ける。
――企業理念についてお聞かせください。
株式会社Repro Accompanyでは「Goal-Less」という理念を掲げています。「Goal-Less」とは可能性にゴールはなく新しい可能性の扉を開き続けるということです。人も企業も想像以上の可能性を秘めていると考えています。
一人ひとりに可能性の炎があって、さまざまな形や色で燃えています。まずは、意欲はあるものの今はくすぶっている方の可能性の炎を灯します。そして可能性の炎を灯している人達が集いその炎同士が「共炎」することで、さらなるおもしろい炎を生み出します。 人の可能性はGoal-Lessです。知らなかった可能性と出会い意欲的な人達と新たな可能性の扉を開き続けていきたいです。
――これからの会社の展望を教えてください。
2年後の2025年までに、今の事業分野で日本一になることが目標です。また、障がい者雇用の在り方を変えていきたいと思っています。障がい者雇用は、現在ではある一定の基準以上の規模の会社には法律で雇用義務が発生しますが、雇用義務を守れている会社は低い割合となっているのが実態です。また、障がい者雇用を実施している会社でも、本業とは関わりのない業務を連携していることもあります。
当社では障がい者の在宅ワーカーの方々と連携してスキルアップを行い、営業支援とマーケティング支援業務で、形上の雇用ではなく売上に直結する戦力としての本質的な雇用に繋がるように推進していきます。
意志あるところに”愚直に行動し続けることで”道は開ける
――最後に、若者に向けてメッセージをお願いします。
アメリカのリンカーン大統領の言葉に「意志あるところに道は開ける」というものがありますが、私は意志にプラスして、「愚直に行動し続けること」が必要だと思っています。意志はその時々で変わっても構いません。いきなり大きなビジョンをイメージするのは難しいと思うので、まずは小さくてもいいから今ある選択肢の中で強い意志を持つことが大事です。人に語れるような意志を持つことはとても素敵なことです。一方で、意志に加えて行動し続けることが必要となってきます。意志と行動力が伴った若い力は国の宝だと考えています。