MiraError(ミラエラ)

【4M株式会社 村田 寛治】売り手0円のM&Aで、127万の中小企業と日本を救う。

2024/02/09

Profile

村田 寛治

4M株式会社 代表取締役

立命館大卒。大手広告代理店傘下のコンサルティング会社で、経営コンサルタントのキャリアを積み、現在は「売り手0円」のM&A仲介業務などを手掛ける。学生時代、偶然に居合わせた中小企業の経営者が50〜60人ほど集まる忘年会にて、頼りにされている税理士であり、経営コンサルタントである父の様子を目にしたことが、事業承継を含めた中小企業の経営者をサポートする現在のビジネスをはじめるきっかけに。

今回はそんな村田氏に、M&A戦略立案~PMIまでを一気通貫で担う同社の特徴や、M&Aにまつわるエピソードなどを伺いました。

社会課題に対して、最適解のビジネスで応える。

──社会課題に対して、どのようなビジネスを展開されているのでしょうか?

現在日本は、企業全体の99.7%を占める中小企業のうち、なんと約127万社が“廃業の危機の可能性”が予測される「大廃業時代」を迎えています。コロナ融資の返済が始まったここ数か月ですでに兆候が出てきており、「借入過多で会社を清算するしかない」「黒字なのに跡継ぎがいないので潰さざるをえない」という会社があるなど、切迫した社会課題となっています。その解決方法として、後継者不足に悩む経営者と事業承継を考えている企業を結ぶM&Aに注目が集まっています。しかし、そこにも課題があり、「引き継いだは良いが、適切に運営ができているのか?」というところに、私は大きな問題意識を持っています。

例えば、独自の企業文化や土地柄、それぞれの業界での商慣例などがあるなかで、単純に「売り手」と「買い手」をマッチングさせるだけでは、事業としての継続性に疑義があります。実際に当社もM&Aを行なっているのですが、東京都内の同じ規模感の会社であっても、「こんなに違うのか!」と驚かされることがありました。そうした経験を強みに、当社ではM&Aの戦略立案、M&Aをなぜするのかという目的整理段階から参画し、M&A後も的確なPMI(統合効果最大化のプロセス)を経て、事業の持続的な成長を促進するビジネスを展開中です。

──貴社のM&Aに関する上記のビジネスモデルの特徴を教えてください。

大きく3つの特徴があります。1つ目は当社自身が自己資金を投じた投資業務を行なっており、当事者としてM&Aに関するノウハウを有している点です。2つ目は、“マッチングして終わり”ではなく、その前後を大切にするビジネスモデルという点です。具体的には、まず「売り手」の企業の文化やビジョン、売却理由などを的確に把握した上で、その想いを託せるような「買い手」となる企業を一緒に伴走型で探し出すことからスタートします。そこから、無事にM&Aが成立したあかつきには、双方を効果的に統合するPMIというプロセスに全力を注ぎます。

このプロセスは会計基準やバックオフィスの仕組み、システムや人事評価制度といったテクニカルなところから、これまで醸成された企業文化そのものに至るまで多岐にわたります。本質的なところから技術面まで、きめ細やかに一気通貫でプランニングから実行までを担えるのが当社の強みです。3つ目は、当社に専任いただける場合は「売り手企業は成功報酬を含めたフィーがすべて無料でご利用いただける」点です。中小企業の負担を抑えて相談しやすい環境を整えることで、M&Aマーケットそのものの裾野を広げる一助になりたいですね。当社としても敷居を下げて案件数を増やし、質の高いサービスで応えていくことが使命だと考えています。

M&A前夜の段階から携わり、成立後も伴走型で成長を促進。

──M&Aを一気通貫で行なう独自のビジネスは、どのように思いつかれたのですか?

実は最初から頭にあったわけではなく、もともと私は事業計画の策定や新規事業のアイデアを立案し、伴走型で課題解決へとつなげる経営コンサルタントをしていました。その手段のひとつがM&Aだったのです。いくつものプロジェクトを経験するなかで、事業再生や事業拡大におけるM&Aの有効性に気付かされ、「より確度を高めたご支援をしたい」と思うようになったのが、このビジネスを立ち上げるきっかけです。首尾一貫して「事業再生」や「事業拡大」をメインに据え、「挑戦したい企業を応援する」というスタンスです。

大局的にみると、日本の繁栄を支えてきてくれた中小企業の高齢の経営者や従業員の方たちが培ってきたスキルやノウハウが若手に継承されず、そうした要因が重なってGDPが下がり続けているという現実が今の日本にはあります。人生の大先輩たちが持つ豊富な知見を、M&Aを通じて再び社会に活かすことは、非常に重要なことではないでしょうか。当社では、大手広告代理店などとのお付き合いで育まれた関係性から、「買い手」候補になる大手・優良企業に対し、スムーズにアプローチをすることができます。

──M&Aの事例を教えてください。

業績が悪化した状態の30名くらいの会社で、「経営者は変えずに事業承継をしたい」という要望にお応えして、当社がM&Aをした事例をご紹介します。まずは、一人ひとりの意見を聞いてビジョンを考え、ワークショップを開いてM&Aを行なった意義を伝えました。みんなのベクトルを合わせるために、2日間かけてじっくりと行なったのですが、そんなことで上手くいくほど甘い世界ではありません(笑)。最初は本当に足並みが揃わず、苦労しました。数字を示してこちらの考えを伝えつつ、プライベートな話も聞きながら月1回の1on1ミーティングなどを通じて、お互いの理解が深まるように努めました。M&Aが成功する鍵は、「買い手企業が対等な関係で寄り添い続けられるか」また「買い手企業がフルベットするくらいの気持ちで向き合えるか」にかかっているのです。

また、M&Aを成功に導く上での“秘訣”のひとつに、どの会社にも必ず存在する「組織や文化を屋台骨として支えているキーパーソン」を見つけ出すことがあげられます。経営者や役職者の場合もあれば、一般社員のケースもあります。そのキーパーソンと密にコミュニケーションをとることで、組織全体に対して有効的に働きかけることができるのです。

きらびやかに見えるM&Aの裏側は、泥臭い業務の積み重ねの結実。

──逆境や大変さを感じたエピソードはありますか?

M&Aの仲介で「売り手」と「買い手」のトップ面談が“100回近くに及んだ”というエピソードがあります。認識の齟齬などがないようすり合わせを行うのですが、通常は4~5回程度なので非常に多い回数になりました。原因としては、「売り手」はベンチャー気質の会社でスピード感を持って事業を進める文化が根づいており、一方の「買い手」は大手の安定企業で、慎重にビジネスを行なう文化だったため真正面からぶつかり合うことになったのです。「買い手」企業の多くは、“大成功をしたい”というよりも、“失敗をしたくない”ことを重視しています。

回数が多くなるにつれ、「買い手」企業側の担当者のモチベーションが下がる場面もありました。そこで、担当者とともに面談に向かう途中の道すがらで、「あの発言の背景には、こうした理念があるからですよ」「その部分を、今回はもうちょっと詳しく聞きましょう」とお話するなど、懸念払拭やモチベーションの維持に全力を注ぎました。

「M&A」と聞いて、“華やかな世界”と思われている方がおられるかもしれませんが、実際のところは泥臭い業務の積み重ねが成果につながる仕事です。どんなときでも、お互いの立場や考えを理解することに努力し、親身に寄り添うことが求められます。M&Aにおいて「100%合致する」ことはないので、なるべくお互いの希望に寄り添えるようにサポートすることが私たちの仕事だと考えています。

「狂気的」と思われるほど、ひたむきに打ち込む。

──若者へのメッセージをお願いします。

個人的には「狂気的」という言葉が好きで、実際に周りから「狂ったように集中して働いている」と見られることも多いようです。ただ、「狂おしいほどに頑張る」ためには、大きな目的が必要不可欠だと思っています。私の場合は、M&Aのビジネスを通じて社会課題に挑むのが目標ですが、まずは「身近な人を助けるため」といった動機から始めてみてもいいのではないでしょうか。私自身も28歳で若者の部類に入ると思いますが、若いうちに死ぬ気で行動することは大切だと信じています。

「やりたいことがわからない」という場合は、とにかく「目の前にいる大切な人のために頑張る」というモチベーションでいいと思います。現在当社には、そんな熱量の高い仲間たちが集まっています。採用方針としては「目的意識を持ち、行動している」ことを掲げているので、興味を持ってくださる方がおられたら、ぜひ私たちとともに社会課題に挑みましょう。

4M株式会社

設立 2016年11月1日
資本金 300万円
売上高 1億円(2023年3月現在)
従業員数 4名(グループ含めると10名以上)
事業内容 M&A支援
投資支援
経営伴走支援
URL https://sd-form.jp/ https://twitter.com/sd21427 https://www.youtube.com/@4M-zx1we
この記事が気に入ったら
いいね ! しよう