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【株式会社バトラー 木下 賢治】「個」の重視と、人間同士の「あたたかみ」の両立を。

2023/12/20

Profile

木下 賢治

株式会社バトラー 代表取締役CEO

新卒1期生として入社した株式会社ウィルゲートで、Webコンサルタントとして業種や業界を横断して約300社以上のプロモーション支援に携わり、約50人程の営業の中から新卒で初の年間MVPを受賞するなどの実績を持つ木下氏。その後、東証プライム上場企業のSansan株式会社での活躍を経て、株式会社エフェクチュアルの取締役COOとして創業期を支えた。そんなWebマーケティングや経営に関する豊富な知見やノウハウを持つ木下氏が、2019年に設立したのが株式会社バトラーだ。

今回はそんな木下氏に“個性に光を照らす”という理念を具現化した同社を起業するにあたっての逆境体験や、想いなどを伺いました。

高い理想を追い求め、「ことの運び」のチカラで奮闘する。

──現在、逆境に感じていることや、またそれをどのように乗り越えておられるか教えてください。

逆境といえば、今まさに格闘中というところですね。というのも、私の方針として「個」を重視して欲しいので、「バトラーだけにコミットする」というオーダーを出していません。自由な社風が根付いており、「いくつもの会社の案件を受け持つ」「フリーランスの役員が在籍する」といった多様性のある仲間たちが活躍している組織です。コロナ禍がむしろ追い風になり、会社という枠や働く場所などに縛りを設けることなく、「みんなで豊かになる」という道を選んで走っている最中です。

おかげさまで業績は好調なのですが、周りから見ると「そうした組織体ではいずれ、破綻する。成り立たない」「フルコミットする正社員を採用しなければ、さらなる拡大は見込めない」といった否定的な声が多く、理解者が少ないという逆境を感じています。もちろん、良かれと思ってアドバイスをしてくれているのですが、今の体制で生産性を高めるという理想を譲る気はありませんし、この業界では「うまくいく可能性が高い」と考えています。

また、理想を追求する上で、メンバーたちのこだわりと私のビジョンのすり合わせにも力を尽くしています。私は基本的に上昇志向なので、例えば「顧客や案件が増えたら、その分頑張ろう」という感覚を持っていますが、仕事に対するプライオリティは人それぞれなので「ほどほどでいいから、案件を断る」というタイプもいます。そこをコミュニケーションを取りながら、お互いにとっての最適解を導き出すのもやりがいのある業務です。

結局のところ、資本主義というシステムは変わりません。そうであれば、資本主義を攻略して「みんなで楽しむ」ことが答えだと思うので、そのために必要な要素を日々考え、発言しています。具体的な方策として、「個の人生の優先順位」と、「当社のビジョンが交わるところ」の最適解を実現していくのですが、みんなに深掘りして話を聞くと「経済状態が良いに越したことはない」という結論を誰もが持っていることに気付かされます。人間は「自分の経験したことの線上にあることだけ」で物事を判断しがちですが、その限界突破を促すような声かけや仕組みづくりをすることで、「生産性を、みんなでさらに高める」といった上を目指すための物事の進め方を「ことの運び」といい、心がけています。

「人が好き」「社会への恩返し」が信念の礎に。

──理想の組織づくりに邁進されていますが、その信念はどこから生まれたのでしょうか?

そもそもは、「自分自身がお世話になってきた方たちに、恩返しがしたい」というのがきっかけです。現在、恩を受けた先輩に役員として参画いただいたり、ほかのポジションで当社を支えてくださっている方もおられます。今の自分があるのは、全部そうした「恩」のおかげです。だからこそ、「自分がもらった以上のお返しをする」というのが、根本にありますね。あと、これは私のエゴなのですが、私や当社のコアメンバーたちと関わることで「豊かになって欲しい」「そう思われるような組織でありたい」という願望もあります。

あと、「個を尊重する働き方で、与えられた役割を担う組織」というと、ビジネスだけでつながる、ドライなイメージかもしれません。しかし、それは逆で一過性の結びつきではなく、恒常的にお互いを励まし合える“エモい”関係性を追求しています。その感覚は、もともと自分の中に強く存在していたメンタリティだと思いますね。

──“エモさ”を追いかける感覚になった理由を知りたいです。

元来、生まれつきだと思うのですが「人が好き」がベースにあります。さらにサポートしてもらったり、人を紹介してもらったりと、「自分では何もできない。助けられて生きてきた経験」によって、「周りの人々と幸せになりたい」というマインドが醸成され“エモさ”を大切にするようになったと思います。あと、Web業界の働き方に「ビジネスライク」というイメージを持っている方は少なくないでしょう。私としては自分が率先して前に出て引っ張るよりも、心の内側を燃やしながら縁の下から支えることを心がけています。見えやすい赤い炎よりも実は高温である「青い炎」を目指し、あたたかみがあり仲間を大切に思い合う組織づくりをしたいと思っています。

僕はメンバー各々が自分の得意領域や個性を活かした環境づくり、成長を促進するサポートや最適化のための仕組みを構築するなど、「ことの運び」を重視することが自分の中の美徳ですね。この感覚は、物心が付いたときから備わっていた「本能」だと分析しています。私たちと関わっていただく中で、「人間的なあたたかさ」を大切にする仲間が増えていけばうれしく思います。

汎用性の高いスキームで、多岐にわたる業界の課題を支援。

──会社の強みや事業内容を教えてください。

まず、「個を大切にしながら、あたたかみも大事に」という、組織としての強みがあると感じています。規模の弊害で起こりがちな「社内政治」がはびこることもなく、みんながお互いを尊重し、初めて会う人であっても「良いところ」に目を向けて長所や個性を伸ばしていく文化です。そんな組織だからこそ、全員がプロ意識を持ってビジネスに取り組み、個性や才能を活かしながら最大限のパフォーマンスを発揮しているのが会社としての特徴でもあります。

ビジネス面では、デジタルマーケティングを駆使したプロモーションのサポートやタレント・インフルエンサーなどのキャスティング、アートのサブスクなどを用いたブランドマーケティングは得意領域です。さらに当社では、WEBソリューションを企画/開発/セールス/マーケティングと一貫して行うことができるのも特徴のひとつです。成功モデルをさまざまなパートナーと協業して提案し、お客様の状況に応じてブラッシュアップしながら課題を見つけ出し解決に導きます。そこから新たなサービスを生み出し、世の中に広げられるスキームを作り上げていることがビジネス上の強みですね。汎用的なサービスもあれば新規サービスを生み出すことも可能です。そしてセールスはパートナーの存在を活かし、美容業界やフィットネス業界、飲食業界、教育業界など多岐にわたる店舗展開している業界へご支援ができます。

ほかにもSNSマーケティング事業やクリエイティブ事業も拡大中で、Instagramのチャットボットツールのリリースも手掛けています。今後のビジョンとしては、他社には真似できないツールやサービスを生み出すための体制づくりを行うことですね。また、既存事業に依存するだけでなく、時代に応じて新たなビジネスにトライする方針です。ちょっと変わったところだと、優秀な人材が集うコミュニティ事業として「日本接待キャンプ協会」の展開や、シェフの夢を叶える形で和牛焼肉の飲食事業にも進出しています。

個性を埋没させないで。ワクワクできる環境に飛び込もう。

──若者へのメッセージをお願いします。

「光る個性を発揮できず、時間をお金に変える働き方」をしている方もおられると思いますが、その価値観の呪縛からは逃れた方が幸せになれると思います。実際当社の中には、もともとは時給制で、「休みも少なく、長時間労働をしていた」というメンバーもいます。今は休日をしっかりと取得して、時間的にも余裕のある働き方でリフレッシュしながら、個性を活かして活躍中です。もちろん、それを成り立たせるためには相応の能力や努力が不可欠ですが、実力を磨くことで社会に対して貢献できる人材になれます。そして、「個」を大切にしながら働ける世の中の方が、きっと楽しい社会になるはずです。

あとは、所属している会社が「愚痴やネガティブなことばかり口にする」組織であれば士気は下がる一方なので、抜け出して「ワクワクできる環境に飛び込む」ことも重要だと思います。当社も「ワクワク」できる世界観を、メンバーたちと広げていけるように努力します。

ちなみに、現時点では行なっていないですが、来期からは採用も実施する考えです。「個性を大事にして、あたたかみのある会社で働きたい」というマインドの方は大歓迎です。スキル面でいうと、特に「自分でSNSの運用をしまくっている!」「そのスキルを磨きたい」という方にお会いしたいですね。当社は、WebとSNS双方のマーケティングを行なっているのですが、Webの方が以前からある業界なので成熟しており、体系だった理論も存在します。SNSは勃興したばかり。フロンティアなので、一緒に開拓していきましょう!

株式会社バトラー

設立 2019年(令和元年)5月
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 8名・業務委託61名
事業内容 マーケティング事業
・ブランドマーケティング
・SNSマーケティング

クリエイティブ事業
・動画制作/編集
・WEBコンテンツ制作

コミュニティ事業
・日本接待キャンプ協会

飲食事業
・和牛焼肉 beef by KOH 広尾
URL https://batra.co.jp/ https://beefbykoh.com/
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