「社員とその家族を守り抜く」という信念を貫く。
──逆境経験や、それを乗り越えた方法などを教えてください。
一番の逆境は、トラブルが起こって「会社の残高が1万円になった」という、起業3年目の強烈な出来事ですね。「このままでは、会社をたたまなければならない」という事態だったので、今でも鮮明に覚えています。また、同時期に外部要因で経営危機を迎えたこともあります。その結果、主軸の商材として扱ってきた携帯電話の利益が大きく削減されることになりました。
当時、同じようなビジネスモデルの会社は多かったのですが、そのほとんどの会社が社員の給与をフルコミッションに変更していました。それは実質的に会社だけを守り、部下たちの生活を顧みない手段だったのです。というのも、営業会社の社長はそもそも「自分がめちゃめちゃ売上を立てる実力がある」から独立しているので、どんな状況でも成績を残すことができるのですが、部下たちはそうではありません。
当社もかなり経営的に追い込まれましたが、「社員とその家族を守り抜く」というのが私の信念です。そのため、しっかり固定給を支払うのはもちろんのこと、インセンティブ率も上げ「ともに乗り越えよう」と支え合いました。その結果、フルコミッションにした会社は現在ほとんどが無くなっていますが、当社は仲間たちのおかげで地に足をつけた経営を継続できています。この「家族を守り抜く」という信念に至ったきっかけは、自分自身が辛かったときに自分の家族の愛情に救われたからです。その経験が「グラシアス(ありがとう)」という社名にもつながっています。
得意領域のビジネスで、SDGsを実現する社会を目指す。
──逆境があったからこそ得られた教訓はありますか?
「世のため、人のため」を貫き、誠実に人と向き合う仕事の進め方をしていれば、それが信用となって積み重なり、いざというときに誰かが助けてくれます。逆に「悪銭身につかず」で、楽だけをして得たお金は無意味です。お客様の満足度を追求し、その成果としていただいた利益だけが正義だと信じています。これからもお客様や社会に尽くすためのビジネスを徹底する方針です。
ちなみに、この理想は最初から持っていたわけではありません。むしろ、若いころは「自分とその仲間だけが笑顔でいればいい」という考え方でした。しかし社会人を経験し、荒波に揉まれる中で「周りのみんなを幸せにするためには、社会全体が幸福でなければならない」ということに気付かされ、ビジネスでもそれを実現するために奔走しています。
──SDGsにつながる、御社のビジネスについて教えてください。
当初は「保育園を運営する」といった、直接的に社会に役立つ方法を考えたこともありますが、「自分たちの強みを活かして、世の中に貢献する」という考え方がスムーズだと思い直しました。例えば「芸能人が飲食店を経営する」といった場合、だいたい失敗に終わりますよね。得意なことで挑戦したほうが、うまくいく可能性は高いのです。当社はずっと、お客様にソリューションを提供するビジネスを手掛けてきました。そのノウハウを活かして、SDGsを具現化するGX(グリーントランスフォーメーション)サービスや商品を普及させる事業を展開しています。
例えば、法人の電気使用量を5~15%程度削減可能な次世代節電ユニット『ecomo』を提案することで、お客様に喜んでいただけるだけではなくCO2の排出を減らす一助にもつながるのです。ほかにも、冷蔵や冷凍、空調機の冷却エネルギーの低下を大幅に改善する『R-Optimizer®』なども扱っており、良いと思ったものはどんどんと取り入れ、提案の幅を広げていきます。ほかにも、DX・企業支援事業などでも豊富な実績を有しています。
新卒入社からでも、圧倒的人脈をつくることができる「人脈営業」。
──会社の方針や強みを教えてください。
まず当社が第一に掲げ、基礎となるのは「先義後利」です。それに紐づく行動方針は「思いやりを持って行動すること」です。商材やサービスは時代の潮流に応じて変化しますが、基礎の部分は不変です。世界中の企業と社会に貢献することこそが、私たちの存在意義であり、その「後利」として中長期経営計画では「2025年度グループ売上100億円の達成」を目指しています。
会社の強みとしては、よく当社の会社説明会などでもお伝えしているのですが「新卒入社でも、圧倒的人脈を構築することができる」ということですね。東証一部上場企業の社長や有名企業の経営陣、アスリート、大物政治家に至るまでこれまで当社が育んできたスペシャルな方々とのご縁をつなぎます。先日も某有名企業のプライベートなバーベキューパーティーに、新卒入社の社員が参加していました。
私たちはこれを「人脈営業」と呼び、大切にしている当社の財産です。人脈の広げ方は、紹介がほとんどなので、「紹介してくださった方の顔を、絶対につぶしてはならない」のが大前提です。そのために、自然と丁寧で美しい営業スタイルを身につけることができます。扱う商材は時代の最先端ですが、人間関係の築き方は古き良きアプローチを大切にしていますね。
ビジネスは、自分の人生を幸せにするツールである。
──若者へのメッセージをお願いします。
「仕事は、めちゃくちゃ楽しい」ということを伝えたいですね。そして「それを決めるのは、自分自身」ということも同時に言いたいです。例えば、当社では新卒入社の社員に働きやすい環境を用意し、日々改善もしています。しかし、結局「やるかやらないかは本人次第」なのです。人生のうち、寝る時間以外の多くは「働くこと」に使います。だったら「その時間を楽しくする」方が、人生豊かになりますよ。ビジネスというのは自分の人生を充実させて幸せにする最高のツールです。
真剣に働くことで、仕事が面白くなる上に自己成長にもつながります。もしかしたら、今任されていることが「自分が望んでない仕事」ということがあるかも知れません。それでも結局、やるしかないのですから気持ちを切り替えて、楽しんだ方が得じゃないですか?人生はあっという間なので、逃げていたらすぐ過ぎ去ってしまいます。そうならないためにも、本気で仕事をしましょう。
本気で社会に役立つ仕事に打ち込めば、世の中から信頼されて必要とされる人間になります。グラシアスはグループ全体でその高みを目指していますので、もし興味を持ってくださる方がいればぜひ仲間になってください。今なら、幹部になる道もひらけています。