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【株式会社YOU・PLUS 細川 祐子】「犬猫の殺処分ゼロの社会」を目指し、どんな逆境にも立ち向かう。

2023/11/27

Profile

細川 祐子

株式会社YOU・PLUS 代表取締役社長

現在、外資系企業の会社員として働きながら、「飲食を通してペットを救う」という画期的な事業を展開。シェルター・保護施設への支援や、食事することで寄付ができる「LOVEメニュー」参加店の拡大などで、「犬猫の殺処分をゼロにする」という社会を目指している株式会社YOU・PLUSの細川社長。会社員としてのキャリアを重ねながら芸能事務所にスカウトされ、並行してタレント活動をしていたことも。

今回はそんな細川さんに逆境体験や活動内容、ワンちゃんやネコちゃんに対する熱い想いなどを伺いました。

「株式会社」にすることで、自由な支援活動を。

──現在の事業を展開するまでに経験された、逆境について教えてください。

この事業を立ち上げたとき、色々と批判的なことを言われて大きな逆境を感じました。まず、「なぜNPOにしないのか。株式会社ということは、ペットを利用してお金儲けをするんじゃないですか?」という声をかけられることが多かったですね。会社にした理由は、ワンちゃんネコちゃんを支援する上で、多様な事業展開をするための「器」として必要だったからです。「NPO」という組織体だと、一定の枠内での活動に収まってしまうのですが、「株式会社」にすることで枠から飛び出して自由な支援活動にチャレンジすることが可能になります。メディアを駆使して活動を伝えることや、長期的視点に立って継続的に事業を推進する上でも「株式会社」にすることは不可欠でした。

また、立ち上げ前の段階ではホームページもなく「あやしい」「信用できない」と、言われたこともありました。私たちの活動領域は、「自分の人生を賭けて、ペットのためのシェルターを運営している」といった良心的な方がほとんどですが、ごく一部にはメディアなどで報道されるような、心を締め付けられる非道徳的なことを平気でする人間が存在することも事実です。そうしたところと同じように扱われるのはショックでしたね。最初は右も左もわからない状態なので、とにかく私たちのことを知ってもらえるように多方面に向けて行動をしていましたね。

あと、普段は会社員として勤務しながら、1人で社長業をしているので「やることが多すぎて、とにかく時間が足りない」というのが、現時点で大変に感じているところです。家族のための時間も必要な中で、「急なミーティングが入る」といったことも頻繁にあるので、自分だけのリラックスする時間がほとんどない状況ですね。起業したての今は試練を乗り越えてやり抜く覚悟ですが、ゆくゆくは余裕を持って仕事に取り組むためにシフトチェンジする道を考えています。

「無理だ」と言われると、負けず嫌いに火がつく。

──逆境があったからこそ得られた「教訓」や「ノウハウ」などはありますか?

今年5月に法人登記を終えて、HPも作り「飲食店で使ったお金が、ワンちゃんやネコちゃんのご飯代になる」という、私たちの活動をみなさんに知ってもらえるようになりました。大変なこともありましたが、めげることなくコツコツと活動を続けてきたことで、まだまだこれからですが「信用」がついてきたと実感しています。私たちが目指すのは、「犬猫の殺処分をゼロにする」ということ。同じ気持ちの方は多いと思うのですが、「どうしたらいいかわからない」という方が大半ではないでしょうか。また、「寄付をするにしても、100円からで大丈夫?」「そのお金がちゃんと使われているのだろうか?」という理由で躊躇されている方もおられることでしょう。

私たちの取り組みは「自分が食べることで、ワンちゃんやネコちゃんの1日のご飯につながる『LOVEメニュー』」というシンプルな独自のスキームの実施です。難しいことをしなくても「命を救っている」と実感していただけるので、好評を博しています。また、自らの足を使って動物を保護するシェルターなどのデータを集めたり、全国で活動をされている著名な社団法人や心ある方々とネットワークを構築し、情報交換をしているので良心的な活動をされているところに的確な支援ができています。安心して「食べて救う」の活動に参加してください。

──逆境に立ち向かう「原動力」は何でしょうか?

「殺処分をゼロにする」という当社のビジョンを話すと、ペット業界の方を含め、これまでたくさんの方から「絶対に無理」という言葉が返ってきました。それを聞いて逆に「絶対にできる。やってやる!」と奮い立ちましたね。もともと子どものころに苦労をしたことがあり、負けず嫌いな“雑草魂”が根付いているので、逆境があった方が燃えるタイプなんです(笑)。かわいいペットの命を何とも思っていない良心の欠けた人たちを“業界から一掃したい”という気持ちがより強固になりました。

ペット好きな芸能人とのコラボも。色々仕掛けます。

──この活動を始めようと思われた、きっかけを教えてください。

もともと動物が好きで、子どものころからずっとワンちゃんと過ごしてきたというのが前提にあります。きっかけは、現在勤めている会社が「保護犬や保護猫の未来を支える活動のサポート」をしており、その取り組みを通じて関西のあるシェルターさんとのご縁ができたことです。そのシェルターは若いご夫婦が熱心に運営されていて、70匹ものネコちゃんを保護しておられました。自分の時間をほぼ全て費やして活動されている姿を見て、「頑張っているシェルターさんを応援したい。負担を減らしたい」と考えるようになり、また自分でもペットの殺処分について調べているうちに、「何かしなければ!」と会社を立ち上げることを決意しました。

──会社の強みや特徴はなんでしょうか?

「メディアに強い」というのが、ひとつ挙げられると思います。今、大手芸能事務所とコラボしたイベントの準備を着々と進めているところです。また、ペットが大好きな芸能人をお迎えして、“ご活躍されているシェルターさん”などを取り上げて称賛するアワードの実施なども考えています。芸能界の方とのネットワークは、私がタレント活動をしていたときのつながりと、メディア関係に強いコネクションを持つ取締役によって育まれたものです。取締役もペットが好きで、経営に参画して当社の運営に協力してくれています。会社の特徴としては「現金ではなく、用途が明確なペットフードやシート、砂といった現物を送る」という方針があります。また、「自動販売機で購入したら、一部が支援にまわる仕掛け」など、色々なスキームを立案中です。

夢を追いかける努力は、何かしらの成果につながる。

──若者に向けて、一言いただけますか?

「夢をあきらめないで欲しい」ということですね。たとえば仕事を探す場合でも、妥協せずに「なりたい自分になる」という道を模索してください。失敗を恐れることなく突き進むことで、想いは必ず届くと信じています。夢は人それぞれ違うので「社会にインパクトを与えたい」という壮大な理想を描く方もいれば、「毎日を平穏に暮らしたい」という気持ちを持っている方もおられるでしょう。どんなことでもいいので、他人に左右されるのではなく自分の夢を貫いて欲しいのです。

私自身の話をすると、歌が好きだったので「歌手になりたい!」という夢を抱いていました。社会人になってスカウトされてから、ひたすら歌手になるためのオーディションにトライし続けましたが、歌手としてデビューするという直接的な理想は叶えられませんでした。しかし、そのプロセスの努力が実って「タレント活動をする」という形で間接的に夢を実現することができたのです。努力や頑張りが、ストレートに人生に反映されないこともあると思いますが、何かしらの形で必ず報われます。そして、若いうちの方が「挑戦しやすい」のです。私も若い方に負けないように、人生100年時代を見据えて今の活動を世の中に広めていく覚悟です。一緒に頑張りましょう。

株式会社YOU・PLUS

設立 2023年5月22日
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 非公開
事業内容 ① シェルター・保護施設への支援
② LOVEメニュー参加店の拡大
③ フードロスに向けたペットフードの開発
④ ペット服・アクセサリー・グッズの開発
⑤ ペット事業を通じた、障がい者支援
URL https://you-plus.org/ https://instagram.com/youplus0522?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA%3D%3D&utm_source=qr
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