お客様の思い出の品を整え、新たな使い道を
――御社の事業内容について教えて下さい。
遺品整理と家財整理のふたつが事業の中心になっています。遺品整理は、亡くなられた方のご自宅の整理が主な業務で、思い出の品をしっかり仕分けたり、買取りをさせていただいたりするサービスです。家財整理に関しては、引っ越しをされる際や、部屋のお片付けをされる際などにご利用いただいています。
それらに付随するサービスとして、リユース、いわゆる買取り事業もおこない、家電や雑貨、貴金属やブランド品まで取り扱っています。さらには、相続物件の売却をお手伝いする不動産サービスもおこなっています。このように、遺品整理や家財整理を窓口として、お客様の要望に合わせてワンストップで対応できることが特徴になっています。
――この事業を始められたきっかけを教えてください。
お世話になっていた先輩が家の片付けや買取りなど、便利屋さんのような仕事をしていました。それをバイト感覚で手伝っていたのがきっかけです。その仕事がとても楽しく、長く続けることができたこともあり、自ら起業して現在に至ります。
――遺品整理や家財整理という仕事の魅力は、どこにあると感じていますか。
この仕事を始めた頃のことですが、ご家庭に伺ってお片付けをさせていただくと、いろいろなものが出てきました。その中から、処分するもの、買取りできるものなどお客様の代わりに見つけ出し整理していきます。高価なものが出てくるとお客様が大変喜ばれたこともありました。今日はどんなものが出てくるのだろうという好奇心が当初の面白さでした。
また、ものを片付ける作業は体力的にも大変です。その姿をそばで見ているお客様に作業終了後にすごく感謝されるんです。とてもやりがいのある仕事だと感じました。
作業にはチームワークが欠かせない!アットホームな環境
――社内の雰囲気について教えて下さい。
私たちの仕事は「人が強み」です。遺族の方など、お客様のお宅にあがらせていただき、プライベートな空間を共有する時間が長くなります。また、貴重品などを扱う場面もございますので、信頼できない行動をする人を雇えないわけです。そのため、いくら優秀でも、嘘をつきそうな方や、人を大事にできない方は採用していません。
また、私たちの仕事はチームプレイでもあるんです。常時2~3人のスタッフ、多いときでは12人くらいでおこないます。チームの輪が乱れていると、業績に直結することもあるほどです。
そういったこともあり、社内はアットホームな雰囲気と言いますか、横の繋がりがしっかりあってみんな仲が良いです。
――採用に関して何か注力されていることはありますか。
活気溢れる若手社員で会社を作っていきたいと思い、現在は新卒採用に力を入れています。2023年4月で3期生が入社し、来期は40名程度の新卒採用を考えています。ここまで若い人材確保に力を入れている同業他社は聞いたことがありません。
過去の挑戦を糧とし、成長を続ける
――逆境経験とそれを乗り越えた方法について教えて下さい。
自分はスピード感を持って、常に向上していきたいタイプなんです。それだけに、失敗も数多くありました。不動産サービスを始めたときも、お客様のご依頼が多かったということで、すぐに宅建を取得して事業をスタートさせました。当初はサービスで関わらせていただいた相続物件を次々と購入していました。しかし、経営者として未熟だったこともあって、資金繰りのことを深く考えずにいたらキャッシュがショートしかけまして。そのときは一番きつかったです。
そこで初めて、金融機関との付き合い方を学びました。事業計画の立て方などをイチから勉強していったんです。そのように、失敗を常に学びに変えてきたので、自分としてはあまり逆境だと感じていなかったりもします。
――その他に、何か失敗したと思われた経験はありますか。
「面白そうだな」という理由だけで、本業と関係のない事業を始めたことがありました。少し軌道に乗ってきたところでコロナ禍になり、結局は撤退したのですが、振り返ってみると見切り発車だったなと感じています。
以来、何か新しいことを始めるにしても、本当にやる意味があるのかどうかを考えるようになりました。何事もやってみるまでは成功するか失敗するかわかりませんが、それでもやる価値があるのか、そこを見極めることは大事だと痛感しています。
ここまでトライ&エラーを重ねながら、手探りで学んできました。それが逆に良かった部分もあるのですが、今後はより計画的に、そしてクレバーに立ち回っていければと考えています。
上場を目指し、業界のスタンダードを引き上げたい
――今後のビジョンについて教えて下さい。
現在、4年後の上場を目指して準備しています。この業界は上場している会社がないので、その第一号になれる大きなチャンスだと思っています。また、上場してパブリックな存在になることで業界スタンダードを引き上げ、業界の健全性化に寄与していきたいという思いもあります。
――上場のメリットにはどんなことが挙げられるのでしょうか
類似するサービスをM&Aしていくなど、経営戦略的な面はもちろんあります。しかし、それよりも公共性が得られるという点に大きなメリットを感じています。行政や大手企業と連携することができたり、地上波でテレビコマーシャルを打ったりすることができる。リーディングカンパニーとして業界を牽引していくことで、誰もが知っている、誰もが利用しやすいサービスにしていきたいと考えています。現在はまだパブリックな信頼性が低い業界だと感じていますので、そこを変えていきたいです。
――そのために必要なことはどんなことでしょうか。
「人が強み」の会社ですので、若く向上心がある人材を獲得していきたいと思います。先ほどもお話しましたが、そのために新卒採用を重視しています。新卒1期生が今年で在籍3年目になるのですが、すでに支店長になった子もいてすごく活躍してくれています。同時に、先輩社員たちの意識も向上しており、会社が強くなっていることを日々実感しています。
成長が期待される業界で、未来をつくる
――最後に、若者に向けてメッセージをお願いします。
高齢化社会の日本では、遺品整理サービスというのはなくてはならないインフラ事業です。家財整理およびリユースに関しても、誰もがもっと気軽に利用する時代がくると確信しています。当社は、そんな成長過程の業界の中でトップランナーの位置にあり、とてもやりがいのある仕事です。皆さんにはぜひ、株式会社クオーレで経験を積んで、新しいチャレンジをして欲しいと考えています。