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【株式会社タイミー 小川 嶺】一人一人の時間を豊かに!「タイミー」を開けば幸せになれる世界をつくりたい

2023/03/01

Profile

小川 嶺

株式会社タイミー 代表取締役社長

話題の今すぐ働けて今すぐお金がもらえるという単発バイトサービスアプリ「タイミー」をつくったのはなんと、当時大学3年生だった小川 嶺氏。

実体験をもとに、ちょっとした時間を有意義に使ってほしいという想いからできたサービスである。普通のアルバイトはバイト先を探して履歴書を送って面接をして、採用になったらシフトが組まれて、働いた分のお金は月末締めなどで翌月に支払われるという流れだが、タイミーの場合は、事前に身分証をアップロードしておくだけで今お金が欲しいという時に、応募も面接もなく、アプリに表示されたお店をタップするだけで、すぐに行って働いたらその場でお金がもらえる。

そんな新しいサービスが生まれた経緯と若い起業家、小川氏の想いについて聞いてみた。

メンバーの1年半を奪ってしまった後悔

—— 今までの人生で挫折はありますか?

大学に入る前にインターンを始めて、18歳の頃から興味があった学生団体を大学一年生の時に作りました。「起業家育成団体」のような起業したい学生を集めて学科内で何かしらビジネスをしようという集団でした。

最初は30人でスタートして、授業を受けた学生にアンケートを配って先生を評価する冊子を作ったり、文化祭などの売り上げも含めて200万くらいありました。その後、二期生が20人くらい入ってきたのですが、そのタイミングで一期生が20人くらい辞めてしまったんです。結局その団体は潰れて、継続するのは難しいなと思いました。志があって始めたメンバーでもリーダーシップを取ってまとめるのは難しかったです。

なぜここに入っているのかという彼らの中のゴールを描けず、自分のやりたいことを優先したせいでみんなの目線があってなかったのが大きかったのかなと思います。

その後またインターンを始めて、ビジネスを考えている中で自分がオシャレじゃないという課題意識から、簡単にオシャレになれるモノを作るファッションサービスの会社を立ち上げました。仲間を6人集めて、一年半ほぼ無休で仕事をしていたんです。みんな優秀でずっと一緒にやっていけると思っていたのですが、方向性の違いとずっとファッションをするのはキツイということで解散してしまって・・・

自分が6人のメンバーの1年半の時間を奪ってしまったと感じました。結局サービスを市場に出さないままに終わったから。これが挫折というか失敗経験でしたね。

もっと早めに辞めるべきだったと思いました。やればやるほど辞めづらくなるんですよね。

向かっているゴールが違っていたら、早めに軌道修正はしないと時間がもったいない。自分がなぜしたいのかを深掘ることは大事だなと思いました。

「もっと簡単に働けたらいいな」からできたタイミー 学生のうちに起業するのは「ノーリスクハイリターン」

—— 辞めた後はどうされたんですか?また、前の会社での失敗から得た教訓は、今の会社を経営する上で意識していますか?

会社を潰して、アルバイト生活になりましたね。その中で日雇いのアルバイトをしたのですが、登録会に行ってメールで案件ながれてきてという流れがめんどくさくて・・・もっと簡単に働けたらいいなと思ってできたのが今のタイミーでした。

タイミーになってからも色んな挫折はあるけれど、基本的には上手くいっています。

そうですね。。組織の作り方はもちろん、そもそも「自分がなんでやりたいのか」を深く落とし込んで言語化できているからこそ自信をもってやり続けられていますし、人を採用することもできています。

あとは全力で踏めるかですね。自信があるなら、アクセルを踏むことが大事だと思います。仮説を立てて検証ではなく、これはやりきると決めて猛スピードで進むことですね。

—— 結構、簡単に起業の決断をしている印象ですが、立ち上げる時に不安はないのですか?

毎回不安はありますよ。でもミスをしても就活はできるから、それまでは何やっててもいいと思ったんです。一方、就活を終えた後でチャレンジするのはリスクだと思っています。なぜなら、失敗したら就職も転職も難しいかもしれないから。

だから学生内で、最悪失敗しても実家で過ごせるような環境でできるのは「ノーリスクハイリターン」だなと思います。起業する分、学生時代に友達と遊べないというのはあるかもしれないけれど、それは後からすればいいですし。

でも、ファッションの会社を潰した時は大学2年生の11月で就活が迫っていたので、起業するのは、就職して3年後にしようと思っていました。ですが、たまたま早くに内々定をもらえて一年間暇になったので起業しようかなと。それがタイミーだったという感じです。

 

失敗する不安より、「今の世の中にある課題を解決したい」

—— 一度会社を立ち上げることに失敗していたら、もう立ち上げたくないとは思わなかったのですか?

思いましたが、それよりも「今の世の中にある課題を解決したい」という想いが強かったですね。自分が実際に日雇いのアルバイトをして感じた実体験があったし、もっと簡単にしないと日本の人手不足は解消されない思いました。見つけちゃった課題は解決しないと気持ち悪いですよね。

—— 当事者意識がすごいですね!課題を見つけても、起業まで至る方って少ないですよ。

もともと自分は18歳の頃から「起業したい」という想いが強かったという背景があるからだと思います。曽祖父が起業をしていて、偉大な起業家だったと聞いています。それに影響を受けました。幼いころから起業家が身近にいたというのは大きいですね。

—— その方も社会課題を解決するためにビジネスをされていたのですか?

いえ、そういうわけではないと思います。自分も最初から「社会課題を解決したい」と思っていたわけではなく、最近思い始めたんです。結局、世の中に認められて大きくなる会社は社会課題を解決している会社で、あったらいいなレベルの会社ならいらないし、淘汰されていきます。

世の中の課題を解決したら、死んだ時にいろんな人に感謝されるだろうし、そのサービスがなければ生きづらかったというものを作れたら、それは自分が生きた証になるかなと思っています。

「一人ひとりの時間を豊かにする」 タイミーを開いたら幸せになる人を増やしたい!!

—— 改めて、事業内容について伺いたいのですが、タイミーは日雇いのお仕事を探している人をマッチングされているということで、他の企業とここは違う!というところはどこですか?

アプリ一つで探せるのは使い勝手がいいのかなと思っています。

アプリの作りこみとスピードが早いところですかね。あとは、当事者意識があるところ。社長が自ら日雇いをしていた経験は他の会社にはない強みだと思っています。自分が作りたいサービス=ユーザーが求めているサービスなので。

会社のビジョンとして「一人ひとりの時間を豊かにする」を掲げているので、暇だなと思った時間を有効に使える世の中にしたいです。セーフティネットというより、やりたいことがあってそれを目指す上で必要なお金を稼げるように、ちょっとした時間を有効活用してもらいたいですね。人生における時間は有限なので、その時間をどう最大化して生きていくかというところに関わるようなサービスを作っていきたいという想いが強いです。

暇だなとかつまらないと感じている人がタイミーを開いたら幸せになれるような世界を作りたい。だから日雇いにこだわってはいません。今は暇だなと思った時間に働けるサービスですが、暇な人同士が出会うサービスや映画館の空き時間が見つかるサービスとか、なんでもいい。タイミーを開けば、暇だと思う時間が豊かになる世界にできたらいいなと思っています。

ファッションの会社の時に一年半、仲間の奪ってしまったという意識が強く残っているので、その時間を取り戻すことはできないけれど、今後過ごす時間は豊かにできるし、自分はそこをしないといけないなと思います。

人生は一度切り!!正解なんてない。 何事もリスクリターンで天秤にかけると道が見えてくる

—— 最後に若者へのメッセージをお願いします。

人生一度きり!自分も迷うことはたくさんありますけど、岐路に立った時に判断する方法はリスクリターンを天秤にかけることだと思っています。こっちにいったらどのくらいのリスクでどのくらいのリターンなんだろうと。そして客観的に見た時に見えてくるはずです。

その時、安定を選ぶのか、ベンチャーかそれとも起業するのかは分からないですが、答えはないです。自分はああしろ、こうしろとは思いません。自分も就活はしていましたし、就活することやYouTubeみたりTwitterを見る時間が悪だとはまったく思いません。

でも時間の使い方は大事だとは思います。それを考えればおのずと答えは見えてくるのだと思います。その人にとって時間の使い方がどういうものなのかを自分なりに考えて言語化しておくことが大事だと思います。

もしやりたいことが未知の環境に挑戦する道なのであれば「成功したときのイメージをつけること」が大切ですね。

サッカー選手の本田圭佑も、試合前から「もうゴールに入ってるんすよ」といいますが、彼はボールをゴールに入れたイメージがついてその感覚になっているから、ゴールができる。イメージができるということは、そのためにどうすればいいかブレイクダウンしやすくなるんです。そうしないと何に向かっているのか分からなくなってしまいます。

だから、挑戦したいことがあるならそこで大成功を収めたことを想像して、今の状況と天秤にかけることが大事だと思います。

 

株式会社タイミー(Taimee, Inc.)

設立 2017年8月
資本金 3億5,600万円(資本準備金含む)(2019年4月末現在)
売上高 非公開
従業員数 73人(2019年9月末現在)
事業内容 インターネットメディア及びアプリケーションの企画・開発・運営、マーケティング、ブランディング、各種コンテンツの企画・制作
URL https://taimee.co.jp https://www.wantedly.com/companies/taimee https://twitter.com/Taimee_official
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