既存にない次世代型フィットネスジム
—— 御社の事業内容について教えて下さい。
次世代型フィットネスジムを運営しております。アプリで会員登録が完結して、24時間いつでも利用開始ができるようなフィットネスジムです。価格が2980円で30日間通い放題か、1回500円で利用できる料金体系になっており、非常に安価でご利用いただけます。
国内のフィットネスジムは初期費用がかかり、半年間の入会が必須、月会費8000円くらいのところがほとんどです。そして、店頭で会員登録を紙に記入するといった非常にレガシーな業界。そのため、国内のフィットネス参加率が全然伸びてない現状があります。
弊社のモデルは作業テクノロジーによってレガシーな慣習を変革し、たくさんの方にフィットネスを楽しんでもらうことをコンセプトにしております。また、現在は新規事業でフィットネス領域に特化したような事業も立ち上げ最中です。
―― 他社様との差別化ポイントは、入会費が不要なうえ、アプリで会員登録できるところかと思います。なぜアプリで入会できるようにしたのでしょうか?
設備がそこまで変わらないようになってきた中で、ジムを選ぶときのポイントは3つ。手に届く価格、近くにあるか、入会手続きが面倒じゃないかがポイントになると思います。この3つを解消していく必要があると考えました。書類で登録するよりはアプリで登録できた方が簡単です。また、データを持っていると運営の最適化ができて、今後フィットネスジムの供給量も増やしていきやすいからです。
―― 低価格での提供はどのように実現しているのでしょうか?
システムを使っていることが低価格に繋がっています。より細かいところでいうと、フィットネス業界の高価格の要因は、人件費がかかってきたり、集客をポスティングしたり、データが全然溜まってこない書類管理だったりします。運営側として会費が高くなければ、そもそも事業として成立しなかった背景があります。
弊社はシステムを使うことによって完全無人でも運営できるため、人件費を削減できます。集客もデジタル基点の広告からアプリに飛んで、利用開始まで進むことができるのでコストもかかりません。アプリからのデータを持ってるので、高速でいいサイクルを回していけます。今までのフィットネス業界にはないような革新的な取り組みで、低価格だけど事業として成り立つところが強みです。
―― 社内の雰囲気について教えて下さい。
フィットネスジムの会社ですが、フィットネスに特化したITの会社のような感じです。そのため、エンジニア、デザイナー、マーケターの方が多くいます。フィットネスジムなのにトレーナーは全然いなくて、システムを元にした店舗をこれから出店していく予定です。
スタートが学生起業でしたから、最初は学生が中心でした。その名残もあって年齢も関係なく、それぞれ情報交換もできるし、意見も言い合える活発な雰囲気ですね。
学生起業したきっかけは筋トレ
—— なぜ学生起業をしたのでしょうか?
今から2年ぐらい前の自分が大学3年生のとき、コロナのタイミングで事業を始めました。
もともとガリガリだったんですけど、高校のときにラグビーをはじめて大学でもラグビーを続けていました。なので、すごい筋トレをしてたんですよ。通ってたジムはコロナで閉鎖してしまい、筋トレができなくなって困っていたんです。そこで、自分で部屋を借りて筋トレすればいいかと思って始めたのがきっかけです。
バイクが欲しくて貯金してた50万円を資金に、ワンルームの部屋を借りてパーソナルジムのテナントを作ったり、マシンを買ったり、外装はDIYして開業しました。
家庭教師や添削バイト、飲食店のバイトなどいろいろやってたんですけど、あまりアルバイトが好きじゃなかったんです。自分でジムの事業をしながらある程度収益があれば生活はできるかなと思って始めた感じです。
それこそ起業しようと意気込んで始めたわけではないので、そこに対してのリスクは感じていませんでした。
―― ワンルームからはじめて、大きくしていったのはどうしてですか?
パーソナルジムは、1対1でトレーニングをやってるときにしかジムを使いません。事業としてもその瞬間にしか売り上げが発生しないじゃないですか。これじゃあまり拡大していかないし、大変だなと思ってたんですよ。
国内のフィットネス業界を見たとき、ジムに通っている人の参加率はまだまだ国内4%といわれています。アメリカでは20%ぐらいあるのに、それに比べるとどうして低いんだろうと考えました。気軽に通えるような会員制のジム、セルフトレーニングするようなジムが国内に少ないと気づいたんです。そんなジムを自分が作っていくことで、次のステップに進んでいくんじゃないかなと思いました。
30坪ぐらいのところで500万円ぐらいあれば新たなジムができそうだなと思ったんですけど、そんな資金があるわけないので、クラウドファンディングで資金を募りながら本格的にスタートしました。
―― クラウドファンディングで集めてまで拡大しようと思ったのはどうしてですか?
楽しかったからです。自分としては仕事してる感覚があまりなくて。組織を大きくしていくこととか、事業を大きくしていくこと自体が楽しいんですよね。
自分の中でプライベートと仕事の区別がなくて、最初小さくパーソナルジムを作ったときも楽しかったし、そのあと会員制のジムを作ったときも楽しかったし、今の事業も楽しい。段階を踏んで、楽しいことを広げてる感じですね。
後輩のロールモデルになれたら嬉しい
—— 今後のビジョンについて教えて下さい。
会社としては「1人でも多くの人の生活をスマートなフィットネス体験により豊かにする」というミッション・ビジョンに基づき、フィットネスのインフラ創りを進めています。まだまだレガシーなフィットネス業界を、自分たちがより良くしていくことで、国内だけでなく世界中の生活が豊かになると思っています。フィットネス業界に大きな変化を起こしていく会社にしたいと思っています。
個人としては若くてもきちんとやれば、それなりの規模感の事業を展開できて、社会に価値を還元できることを示せるぐらい頑張りたいなと思う。
京都大学出身なんですけど、ほとんどの人が大企業への就職を選ぶんですよ。スタートアップにいく人もいないし、そもそも起業する人も全然いないので、後輩のロールモデルになれたら嬉しいですね。
組織としても社会的に注目されるような会社にしていく必要があるなと思っています。事業を大きくしていくことはもちろん、1番フォーカスしてるのは採用ですね。
―― 採用の目標はありますか?
今伸ばしていきたいフェーズなので、既存事業、新規事業でやることが結構あるんです。結局それを進めていけるのは人じゃないですか。なので常に採用に重きを置いていますね。
どんどん事業をすすめてくれるような新規のメンバーが採用できたら、裁量を持って進めてもらえたらいいなと思っています。ありがたいことに、結構応募をいただいています。また、一緒に働きたいと思った人をTwitter経由で見つけて、連絡してお話させていただくこともあります。
採用に意気込んでるんじゃなくて、仲良くなって「もしよかったらやりませんか?」みたいな感じでお声かけしています。楽しく働きたいので、そういう人を見つけたいと思っています。
現状の延長線上で物事を考えない
—— 最後に、若者に向けてメッセージをお願いします。
現状の延長線上で物事を考えないとかですかね。かっこいい感じになっちゃうんですけど。自分の入り口がパーソナルジムを開業したところから事業をスタートしてるので、普通に生活してたら開業することなんてないじゃないですか。
だけどパーソナルジムをやると決めて、進んできました。現状の延長にはない何かをやると決めると、たぶん物事は新しく進むと思うんですよ。
学生の方とかでもただバイトして過ごしているだけで4年間終わって勉強もほどほどにしてっていうのは、もう現状の延長線上なんですよね。それをどう角度高く、成長していくかが普通の人だと思うし、普通にやるべきことだと思うんです。
そこにプラスで、例えば新しい何か活動をしてみようとか、普通だったら延長線上で経験できないようなことを設定して、それを実際に行動に起こすことで人生よりすすんでいくんじゃないかなと思ってます。