累計100アカウント以上の運用代行から培ったノウハウをSNSマーケティングに活かす
—— まずは、事業内容について教えてください。
現在、Instagramのマーケティング支援を行っております。提供方法としては、大きく分けて2つあり、1つ目は、運用代行という形でアカウントのコンセプト設計から投稿、ユーザーとのエンゲージメント作りなどをまとめて代行させてもらうサービスです。大手上場企業様からのご依頼が多く、月額30万円から提供しております。
2つ目は、個人でも対応できるツールの提供です。弊社では、累計100アカウント以上の運用代行の実績があります。そこで得たノウハウをもとにツールを作成したため、再現性の高いサービスです。
2つ目のサービスは価格帯が高めの設定なので、個人の飲食店さんの中などには、、金額が見合わないこともあるかもしれません。そこでは、個人でSNSの分析やノウハウ、ナレッジの学習ができるようなコンテンツコミュニティの提供や、スポットのコンサルティングなどを行っております。
「勝てる戦を戦うのが一番重要」時代を先読みし、世代をつなぐかけ橋になりたい
—— では、SNSマーケティング事業をはじめたきっかけはなんですか?
SNSマーケティング事業を開始して3年目の2020年1月にサービスをリリースしました。実は、別の事業も展開していたのですが、コロナが流行したタイミングで、別事業は全て撤退しました。もともとは、Radixという会社でしたが、社名をSAKIYOMIに変更しています。今回は、SAKIYOMIを作った背景についてお話します。
まず、勝てる戦を戦うというのが重要だと思っています。トレンド性や市場成長率が確実に右肩上がりになっている市場に、プレイヤーが少ないことと参入障壁が高いことを意識して起業しました。
初めて起業した19〜20歳くらいから、ずっとSNS一本でマーケティングをおこなっており専門性を磨くことも重視しています。。SEOには参入せず、SNSを軸に長期間携わっているというオリジナリティーが、勝てるポイントだとも思っています。
そして何より、社会性がSAKIYOMIを作った一番の背景です。今は個人でも発信できる時代です。ソーシャル化が加速し、これまで基本的に企業側が発信した情報を消費者が受け取る形がメインでしたが、今は消費者も発信者になることができます。つまり、発信主体の明確性が薄れている状況で、情報爆発している状態なんです。
だから、企業で作った商品を一方的にアウトプットするだけでは、マーケティング活動が成立しにくくなっています。でも、まだTwitterやInstagram、TikTokやYouTubeのアカウントを企業として持っていないところも大多数あるのが現状です。
新しいものだからわからないし、難しいからといって、ソーシャル化の波に対して目をそむけていたら、何も変わらないと思います。私たちは、Z世代とかSNSネイティブ、スマホネイティブの世代とアナログ世代をつなぐ世代でもあるんです。
SNSを活用する前から、わからないと思わずに、情報発信の仕方を理解してもらうことで「とりあえずチャレンジしてみよう」という流れを生み出したいんです。そして、古い会社でもビジネスチャンスを広げていってもらいたい!そう思ってSNSマーケティング事業を再起しました。
「必ず成長痛みたいなものが訪れる」だからこそ、どう乗り越えるかが大事
—— 起業されてから困難や苦難を乗り越えたエピソードはありますか。
そもそも弊社は、成長市場を選んでいるため、例えば年商10億を10年間やるというようなビジネスではないんです。常に成長市場に身をおくビジネスの形を取っているので、1ヶ月あれば大きく会社の仕組みが変わっていきます。人数は増えていきますし、もちろん成長にあたって必ず成長痛みたいなものが訪れて、苦境も経験します。楽な時はないんです。
売上が大きく上がり始めると、気持ち的には嬉しいものです。とはいえ、納品する体制を作るのに多大な時間を要したり、納品チームの責任者に大きな負担がかかったりします。急激に人材を採用することで、不慣れな人に仕事を任せなければならないこともあるでしょう。
売り上げが上がっているのはいいことですが、急激な成長に対してどうしても会社の中に歪(ひずみ)が生まれてしまいます。これは今も常に感じ続けているところです。創業メンバーと新規メンバーに経験値のギャップがあるのが、難しい部分だとも思います。
創業メンバーは、自分の責任の範囲内でスピーディーに対応していました。失敗や成長を経験する度に成長していったと感じています。仕事のやり方にもある程度型が決まってきているので、新規メンバーの能力が高くても、ある程度ステップを踏まないと、キャリアをつけられないことも悩みの種です。能力差をいかに埋めていくかが今後の課題です。
「成功体験をもってまた新しい挑戦にトライできる状況を作っていきたい」
—— 今後の事業の展望はありますか。
弊社のサービスを届ける上でのミッションとして、「新たな挑戦に成功体験を。」というフレーズを掲げています。なかなか新しい挑戦に踏み切れない会社などに、弊社が運用代行という形で安心してInstagramをスタートできるように支援していきたい。
挑戦することで成功体験を得て、また新しい挑戦にどんどんトライできるような状況を、Instagramから作っていきたいと思っています。さらに、個人向けツールの提供も広めていきたいです。
例えば、飲食店の独立準備をしている状況で、独立準備期間の半年でSNSのフォロワーが1万人達成できれば、独立するときの挑戦に向けての心持ちが全然違うのではないでしょうか。逆に、フォロワーが増えたことで独立のチャンスができるかもしれません。
働き方改革やコロナの影響、副業ブームなどもあり、働き方が変化しています。なかには、ママでも1日1~2時間SNS運用をすることで、しっかりとお金を稼げる方もいます。Instagramを通して、自分の好きな洋服やアクセサリー、子育てのポイントなどを発信することが仕事につながるかもしれません。
だからこそ、弊社はSNSから挑戦していけるように、より多くの方に弊社のツールを届けていきたいと思っています。
失敗は成功のもと!「挑戦から生まれる失敗は非常に美しい」
—— 最後に若者へのメッセージをお願いします。
挑戦の数が増えれば増えるだけ、失敗の数も増えていきます。もちろん、成功の数も増えていきますし、たくさんのことに悩んだり、葛藤したりする場面も確実に生まれます。挑戦の規模が大きければ大きいほど、このような感情を抱くでしょう。でも、失敗や悩みに葛藤することは、凄く良いことだと思います。
なぜなら、次に挑戦する人たちの一歩先から手助けができるかもしれないからです。一度同じ失敗をしているので、解決策へ導くことができるかもしれません。だから、挑戦による失敗は、非常に美しいものだと私は思っています。
誰かの手助けができるようになると、自分の周りにはたくさんの才能が集まってくるようになります。そして、さまざまな経験から失敗を小さくできたり、成功や夢を大きくできたりすることにつながります。
早ければ1年後かもしれないし、10年後かもしれない。自分が主体的に立てた目標に、仲間たちとともに立ち向かって日々挑戦していくことは、たとえ辛い経験であっても、いずれ自分の糧になると思います。
そこで得た幸せや感動は、挑戦した人間にしか見えない、体験できないものです。私も悩み葛藤し、失敗や挑戦を繰り返してきましたが、心から良かったと感じています。だからこそ、ぜひ皆さんにも失敗を恐れずに挑戦し続けて欲しいと思います。