事業概要
—— 株式会社GeNEEの主要事業について教えて下さい。
主要事業は「システム開発」「スマホアプリ開発」「企業のDX推進」「新事業創造/MVP開発」「エンジニアの稼働提供」の5つになります。
1つ目のシステム開発事業では、中堅企業のお客様を対象として、基幹システム開発、業務管理システムの開発を行っています。特に得意とする分野は、小売・流通業向けの流通管理システム、在庫管理システム、製造業向けの製造管理システム、生産管理システム、購買管理システムになります。
2つ目は、スマホアプリの開発事業です。弊社では、様々な業界に適したtoB向けの業務管理系アプリ、toC向けのアプリサービスを受託開発しています。例えば建設業界の企業様ですと、画像認識や深層学習といった技術を活用し、建物や建材の老朽化の状態を把握・管理できるアプリなどを開発しています。位置情報を活用した勤怠管理系のアプリ開発も得意としています。toC向けでは、求職者と求人者を繋ぐマッチングアプリ、ライブ配信アプリ、Google広告/Yahoo広告のようなリスティング広告のビジネスモデルを採用した広告配信アプリなどを開発しています。
3つ目のDX推進事業は、企業様の現場や実際の業務フローを視察した上で、組織的な改善事項、業務的な改善事項を洗い出し、課題解決の提案を行うものです。製造業、出版・印刷業、ネット銀行業などのお客様からご依頼を頂いて、DXとしてのトータルサポートを行います。
4つ目の新事業創造・MVP開発事業は、主にスタートアップ企業や大企業の社内ベンチャー室のお客様を対象としたサービスです。新事業や新サービスを検討されているお客様、何かプロダクトを開発されているお客様から相談を受けて、伴走型の開発支援サービスを行っています。開発経験のないお客様にとって新しくITサービスを作ることは非常にリスクのあることです。開発のプロフェッショナルとして弊社が参画し、お客様の傍で企画構想の段階からサポートに入ることで、お客様が考案する新事業、新サービスの失敗を防止する役割を担っています。
最後の5つ目、エンジニアの稼働提供は、これは今年の1月から新しく始めた事業です。「作りたいプロダクトはあるが、自社にエンジニアがいない。」、「IoTやAIのような比較的新しい技術を導入したいが、経験が全くないから心配。」といったお客様を対象に、システムエンジニアリングサービスを提供しています。
―― 同業他社と比較して、強みとなる部分は何でしょうか。
いくつかありますが、同業他社と比較した場合には技術選定力と設計力があげられると思います。例えばですが、お客様から要望を聞いて何らかのシステムやアプリを開発したとします。システムやアプリをリリースした後、「もっと処理を早くしたい。」、「新しい機能を追加したい。」、「一部仕様や設計を見直したい。」というような追加要望が出てくることは日常茶飯事です。ただ選定した技術、設計内容によっては、後からユーザーの期待に添うような機能追加、処理の高速化が難しいケースがあります。換言しますと、開発の序盤で行う技術選定、設計に誤りがあると、お客様の声に応答できないことがあるのです。弊社は、要件定義と設計の段階から開発するシステムやアプリの将来性をきっちりと思案した上で適切な技術を選定します。そのため、追加の要望をいただいたとしても柔軟でかつ速度感を持って改修対応を行えます。よりお客様の要望に添えるような開発ができる会社は、数が少ないと思います。
―― お客様になる企業様とは、どのようにマッチングされるのでしょうか。
お客様と出会う方法は、大きく3つあります。1つ目は、私が以前からお付き合いのあるお客様から追加発注していただくケース。2つ目は外部のプラットフォームから発注依頼が来るケース。3つ目は、弊社のホームページから直接ご依頼を頂くケースです。大半は、一度開発の依頼を受けて、その後リピートしてくださるお客様となっています。
―― 広告は出されていないんですね。
数年前ですが、試験的にGoogleリスティング広告を出していた時期もあります。ただ費用対効果を測定した結果として、そこまで力を入れる必要がないと判断しました。現在は有難いことにシステム開発、スマホアプリ開発の依頼が殺到していて、稼働率が100%近くになっており、広告から発注依頼がきても御受けできないもしくは一定期間はお待ちいただく状態になっています。
社風
—— 社内の雰囲気は、どういった感じですか?
まず弊社に所属しているスタッフの構成は、エンジニアが7割、法人営業職が2割、バックオフィス系が1割となっています。エンジニアの中には大企業に勤めていた人間が多いので、開発力や設計力、マネジメント力に自信を持っている人間が多いですね。ただエンジニア同士でバチバチにやり合うようなことはないですね笑。プロジェクトに合わせてマネージャーがチームを組成し、一定期間は同じ目標と目的を持って動き出すので、衝突のリスクは抑えられているのだと思います。
またプロジェクトごとにチームが変わるので、担当する案件が変わるたびに新しいメンバーと働くことも多いです。案件の性質を見極め、最適なメンバーを集めてチーム編成を行うのは、お客様側からみてそうあるべきと考えるからです。
―― 社内イベントなどはありますか?
会社にカラオケの設備を置いてカラオケ大会をしたり、提携先のレストランシェフを招集してスタッフが家族と一緒に楽しめる料理会を開いたりしています。他にも1泊2日か2泊3日で温泉旅行にいくこともあります。昨年は熱海と箱根に行きました。
エンジニアという技術開発系の仕事は常にプログラムと睨めっこになりますので、集中力を非常に必要とします。少しでもスタッフがリフレッシュできるようにと基本的に月1回は、何かしらのイベントを開くように心掛けています。
―― 社内の環境を整備するうえで、心がけていることは?
エンジニアが成長しやすい環境を整備し、選択肢を広げることを意識しています。例えば新卒の学生が、3年から5年くらいスマホアプリの開発に本気で携われば、独力でも市場に出回るようなスマホアプリが作れるようになります。
それだけのスキル、ノウハウを身に付けた後は独立してもいいですし、開発の経験を元にして、ビジネス視点を持ったディレクターやプロジェクトマネージャーを目指してもいいです。経験を積んでもらって、少しでも多くの選択肢を持てればいいと考えています。
―― 会社を興されて、一番苦労したことは何でしょうか。
2008年頃にiPhoneが日本にやってきたのを覚えていますか?
その頃から自分はiPhone向けのアプリに興味を持ち、独学で開発を行っていたのですが、当然技術本なんて便利なものはありませんし、インターネット上にも何も情報がありません。でも諦めずにソースコードを書き続けていると、仕様も全く分からなかったプログラミング言語が少しずつわかるようになってくるのです。
そのような過程を経て、開発でもビジネスでも結局トライアンドエラーが大事だ、と確信しました。挑戦してみて、失敗して、失敗を糧にして成功をつかみにいく。何か新しいことを始めるには、必ずこの流れが必要になると思います。
そして不思議なことですが、挑戦をし続けていると、どこからか助け舟が漂流してきます。またその助け舟がこれまで考えてもみなかった打開策を見出すきっかけになることがあります。なので、一歩を踏み出して挑戦し続けることが大切なのかなという気がしています。
―― なぜ、まったく未知の領域であるiPhoneアプリの開発に乗り出そうと?
元々、アプリやIT業界には興味がありました。きっかけは幼少期の頃ですが、テレビゲームやロボットがどうやって動いてるのかな、と考えている内に興味が沸いたと記憶しています。ゲーム機や機械、電子工学といったハードウェアが絡む分野も面白そうだとは思いましたが、自分はゲームの中に内蔵されているソフトウェアの方が興味が強かったようです。
興味を持ったら、今度は自分でプログラムを作りたくなり、当時出たばかりのiPhoneアプリの開発をしてみることにしました。その頃はiPhoneが流行るかどうかなんて分かりませんでしたが、最初にiPhoneに触れた感覚として、ユーザインタフェースやUXが非常に良かったので、感覚的に「流行りそう。」という可能性を感じていました。iPhoneのハードウェアが広がればソフトウェアに位置するスマホアプリなどを開発するサードパーティも増えますし、仮に自分で作れるようになればリスクも最小限に抑えられることを調べて動き出すことを決めました。
―― 失敗することに、恐怖感はありませんでしたか?
失敗する可能性は勿論考えていましたが、結局やってみないと何が起こるかわからないですよね。そこで「ここまでできなかったらやめよう。」という明確な基準を決めて、そこを超えてしまったら必ず撤退する、と自分の中で線引きをしていました。今でもそうですが、基準通りに撤退していなければ赤字続きだったかもしれない事業はたくさんあります。
展望
—— 今後の展望や、ビジョンについて教えてください。
GeNEEの中長期的な目標は、あまり細かく決めていません。地道に一歩ずつ、その日その日を乗り越えていく考えを持っているところがありますし、計画を立ててもその通りに進まないことも多いのであえてそのような考え方をしています。
ビジョンとしては、まずは「日本一のアプリ開発会社になること」です。自動車業界の日本一はトヨタ自動車ですし、日本一の電機メーカーはソニーやパナソニックという会社がパッと思いつくのではないでしょうか。それでは、「日本一のアプリ開発会社は?」と聞かれると、恐らく9割以上の方が即答できないと思います。今後、技術力の高いエンジニアやUI/UXデザイナーをもっと増やして、色々な企業様と取引をして、特許やライセンスを取得し、地道な活動を続けていけば10年以内には十分に狙えると考えています。その次のビジョンとして、最高な仲間と一緒に、メルカリやスマートニュースのようなグローバル市場にも流通するメジャーアプリを生み出せたらと考えています。
―― 最後に、メッセージをお願いします。
大事なのは自分が飛び込む市場をしっかり選ぶことと、選んだ場所でひたすらやり続けることだと思います。とにかく、まずはやってみることです。その心を持って、頑張ってほしいです。