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【株式会社プロラボ ホールディングス 佐々木 広行】事業の破綻寸前から新たな事業へ転換、目的意識が重要

2022/10/12

Profile

佐々木 広行

株式会社プロラボ ホールディングス 代表取締役 兼 CEO

1991年早稲田大学教育学部卒業。セコム株式会社を経て、1998年にフリーペーパー発行会社を設立。その後、ダイレクトレスポンス広告事業に進出し、多数の通販会社の広告制作や商品企画を支援。2002年エステティックサロンを創業。2007年に事業転換し、株式会社プロラボホールディングスを設立。代表取締役に就任。
インナービューティのパイオニアとして、日本で圧倒的な支持を得ているエステプロ・ラボ。体の内側から美を追及するインナービューティに着目し商品を開発してきた。食事やサプリメント、ファスティングなどを中心とした「健康を基本とした美容づくり」を提供。腸内環境を整え、食生活の改善を目指し、体の内側から健康と美容を追及している。
日本国内のみならず海外15カ国に商品を流通させるまでに事業は発展。苦悩の末、逆境を乗り越えた経験と若者への熱い思いを佐々木代表に伺った。

体の内側から健康と美容を追求したインナービューティ

—— 御社の事業内容について教えて下さい。

食事改善ビジネスとして、食事やサプリメント、ファスティングによって腸内環境を整え、体の内側から健康と美容を追及しています。それをインナービューティと表現していますが、インナービューティによって健康寿命を伸ばすことを目指して事業を展開している会社です。

日本の女性の平均寿命は88〜89歳ぐらいですが、健康でいられる期間は平均寿命から10年ぐらい短いんですよね。いわゆる自立して周りの人の介護を必要とせずに、健康的に生きている期間のことを健康寿命といいます。日本は長寿国でありながら、晩年は寝たきりや病気を抱えて薬に頼りきりになっている人も少なくないのが現状です。

健康寿命と平均寿命の差は、男性では約9年、女性では約12年あります。我々はこの原因を探求していったところ、食生活が大きな原因として関係していることがわかりました。食生活によって生活習慣病になって、健康寿命と平均寿命の間ができてしまったんです。

 

―― 他社にない御社の特徴はどんなところですか?

主力の商品が発酵飲料。俗にいう酵素ドリンクといわれるもので、大変高品質で他社にはないハイレベルな発酵飲料を作っていると自負しております。最近はファスティングをする人もいると思いますが、同じように食事を摂らずに内臓を休ませます。最低限の酵素ドリンクの栄養を摂りながら、内臓を休ませて体の機能を回復させる健康美容法を提供しています。

弊社は、主力の発酵飲料を含めて、現在は130ぐらいのインナービューティのサプリメントや発酵食品、いわゆる添加物を使わずに腸内環境を整える食品を開発しているメーカーでもあります。

マーケティングの方法としては、全国19,000店舗以上のエステティックサロンや美容室が代理店となり、消費者の方に商品を提供しています。海外においては、現在15カ国に商品の流通を拡大しました。2002年小さなエステティックサロンからスタートして、2007年に健康食品メーカー事業に転換して現在に至ります。

事業の破綻寸前で、再起をかけて新たな事業に転換

—— エステティックサロンから健康食品メーカー事業に転換されたきっかけを教えてください。

実は1998年に広告制作やフリーペーパーを発行する事業で独立起業し、広告会社が本業だったんです。その後、2002年エステティックサロンを副業として始めました。

広告事業では経営者失格ともいえる大失敗をします。倒産寸前、多額の借金を抱え、会社は再起不能になるほどの経営難に陥ってしまいます。2005年から3年間もがきました。自分の家にも給料を入れられず、社員の給料を払って、いろんなところに頭を下げて支払いを先延ばしにしたり、銀行にも返せなくなったり、会社はボロボロの状態。

どうやったら継続発展ができる経営者に生まれ変われるのか、ずっと自問自答し苦悩してきました。そうして2007年思い切って広告事業を全てやめて、ラストチャンスとして始めたのがメーカー業への転換だったんです。最初にハーブティーを開発して、エステティックサロンに卸販売する事業を始めました。

 

―― 広告代理店事業は在庫がない分、リスクが少ないですよね。そこから在庫が残るメーカーへの転身はどういう考えからだったのでしょうか?

初めは何も勉強せずに広告事業をはじめましたが、その後マーケティングの勉強をしていきました。結局どんな事業でも1番にならないと生き残れない時代にきています。1番と2番の差はもの凄く大きくて、例えば1番から4番の市場があった場合、1番が60%ぐらいの利益をとると言われます。

何で1番になれるのか突き詰めたときに、在庫リスクの視点じゃなくて何で1番を目指すかという視点で新しい事業を考えたんです。

美容エステの事業をやってましたけど、化粧品を出そうとは思いませんでした。そこでは1番になりにくいだろうと考え、ハーブという商材を選びました。ハーブティーを楽天で売って1番になるのは難しいけど、エステティックサロンという小さな市場では、ひょっとしたら僕でも1番になれるんじゃないかと思ったんです。健康食品ではなく、インナービューティという新しい切り口で、新たな市場を切り開いていきました。

日本のエステティックサロン市場は現在、約3万店。そのうち19,000店舗はうちの取引先です。ハーブティーで一番になり、インナービューティで一番になる、さらに次のステージを追求しているのが今の状況です。

人類の健康寿命の延伸に貢献する世界一の企業を目指して

—— 今後のビジョンについて教えて下さい。

インナービューティを通じて、人類の健康寿命の延伸に貢献する世界ナンバーワンの企業を目指そうと思っています。内外に向けてこのメッセージを浸透させていくために、広報PRに力を入れています。

インナービューティを伝えていくために、飲食事業へも進出。ヤシ殻活性炭を活用した黒いシャリを開発して、2021年に不要なものを一切使わない会員制の鮨店を麻布十番で始めたわけです。インナービューティというのは、男性だったらなかなか接する機会は多くありませんよね。新規事業を通じて、インナービューティの認知が広まるきっかけになるようなLPをたくさん作っています。

インナービューティで世界一になるために、どうやったらブランドが浸透していくかというということを、最も念頭に置いてPR活動に注力しています。あとはやはり実行力ですね。実行力がないと、考えたことを実現させるまでに、結局時間がかかっちゃうじゃないですか。とにかくすぐやる企業文化を作るため、今すぐやってダメだったら修正。そういう行動の原則で、インナービューティのブランドを世界一にしていきたいと思っています。

目的意識を持って、どの分野でもいいから何かで1番を

—— 最後に、若者に向けてメッセージをお願いします。

事業が傾いたとき、何のために誰のためにやるのか真剣に考えました。以前は自分のためにやってたんですけど、自分のためだけだと、なかなかうまくいかなかったですね。

やはり辛い時に踏ん張れるのは、誰かのためにとか、世の中に役立つためという大儀が必要です。それがないと人間というのは頑張れないし、成長しにくいかなと思います。そのうえで目的意識がすごく大事で、目標に生きるんじゃなくて、目的に生きてほしい。

例えば1年後に売上をいくらにする、1年後に資格をとるとか、これは全部目標です。何のためにやるのか、誰のためにやるのかという目的があって、目標があるんです。

目的意識がしっかりしたら、理念と勝つための戦略が大切です。マーケティングとブランディングにおいても、常にベースに目的・理念があって戦略がのってくる。目的を遂げるために目標を設定し、その目標を達成するためにどうやって勝っていくのかが重要です。

あとは、どんな分野でもいいから1番を目指してほしいと思ってます。それが勉強じゃなくてもいい。もちろん運動でも良いし、趣味の分野でもいいですよ。ゲームでも良いしね。本当に細分化した1つのところで、自分はこれだけは誰にも負けないという領域を持ってほしいなと思います。

株式会社プロラボ ホールディングス

設立 2002年9月
資本金 3,300万円(グループ合計8,990万円)
売上高 88億円(国内グループ売上)
従業員数 250名(グループ全体)
事業内容 エステティックサロン・スパ・ヘアサロン・フィットネスクラブ向けインタービューティプロダクツの製造メーカー
URL https://prolabo.co.jp/ https://innerbeautysalon.jp/ https://www.youtube.com/channel/UCFJV_C8RHV_vGc7hqQuB3Mg/featured
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