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【株式会社シンクスマイル 新子 明希】「ありがとう」を資産に。笑顔と感謝でチームをつくる、新しいコミュニケーション

2022/09/21

Profile

新子 明希

株式会社シンクスマイル 代表取締役

17歳でアメリカに興味を持ち、アメリカ1周の旅に出る。その際、MITで「経営者は幸せの専門家」という話を聞いたことをきっかけに経営者の道を志し、19歳で起業。以来教材や宝飾品、防犯機器などの販売を手掛ける。現在は「日本で一番ほめる会社」シンクスマイルの代表として活動。
会社のメンバー同士が感謝の気持ち、「ありがとう」を伝えあうシステムアプリ「RECOG(レコグ)」の開発を手がける。社内のコミュニケーションを取るだけでなく、強みや人間関係といったチームビルディングなど、幅広い利用が可能。テレビ番組に取り上げられたのをきっかけに、問い合わせが激増。大手企業でも活用されている。
おもしろくて、誰もやっていないことを、誰も損しないようにやる。そんな信念を胸に活動を続ける新子社長が提唱する、新しいコミュニケーションやチームビルディングについて伺いました。

シンクスマイルは「日本で一番ほめる会社」

—— 新子社長が代表を務められている、株式会社シンクスマイルはどのような会社ですか?

うちの会社、シンクスマイルは、「日本で一番ほめる会社」なんです。検索したらちゃんと出てくるくらい(笑)。そう呼ばれている理由は、10年前に社内で使っていたシステムがもとだと思います。社内で、社員同士が感謝・ありがとうを送り合うシステムを作ってもらったんです。
これが会社のコーポレートサイトに載って、テレビにも取り上げられて。それで「自分の会社でも同じシステムを使いたい」って、色んな会社さんから結構な数の問い合わせが来ました。それで、どんな会社さんもコミュニケーションにお困りなんだな、ってわかりまして。2018年にチームワークアプリの「RECOG(レコグ)」を出しました。

——「RECOG」はどのようなサービスなのですか?

RECOGはうちで使ってたシステムみたいに、社内に「感謝の仕組み」を入れるアプリです。RECOG上では誰かが誰かに、「ありがとう」と感謝を伝えるメッセージを送れます。〇〇さんにこんなこと助けてもらってありがとう、みたいな内容を、上司・部下・同僚、誰にどんな内容を送ってもOKです。
もともとは別の会社で、働いてる人同士で「ありがとう」とカードに書いて送り合う文化があって。それ自体はいいことなんですけど、毎月何十万通ものカードがやり取りされるので、仕分けが大変だったみたいです。それをデジタルにできないか?という依頼も、RECOGをリリースするきっかけになりました。

——感謝を送り合うことで、どんなメリットがあるのでしょうか?

ありがとうの言葉を送ると従業員同士が自然にコミュニケーションできますし、新しい自分を再発見することにつながるんです。例えば送ってもらった「ありがとう」を見て、自分はどんなことで感謝されてることが多いかを分析すれば、自分の強みがわかる。

仕事が速くて助かります、と言われることが多いなら、スピードが強みだ!ってわかりますよね。
他にもチームビルディング、マネジメント、色々なことに活用できます。また裏側では、離職しそうな人を見つけることができますね。誰にありがとうを送ったか、誰からもらったかの相関図を見ると、ありがとうを送ったりもらったりしてない人がわかる。そうしたらテコ入れしなきゃ、みたいに組織の分析や課題発見ができるんです。

実際にRECOGを使うとわかるんですけど、1人1人に偏差値みたいなのが設定されていて。どれくらい人とコミュニケーションを取っているのかわかるようになっています。で、マネージャーさんなんかは50以上を目標にしてもらいます。
あと、新人さんの教育に使うこともあります。まずは主体的に動いて、みんなにありがとうを送れるようになってもらう。次に、隣の人や仲間と協力する力をつけていく。最後にチームでうまく動ける、チームワークの力を身に着けてもらいます。この間に色んな人から送られたありがとうを見ると、だんだんその人の適性が見えてくるという寸法です。

——導入されている企業様には、どんな会社様が多いでしょうか?

数でいうと、中小の企業さんが多いです。ただ皆さんが名前を知っている大きな会社さんや、グループ企業全部で使われている会社さんもあります。あと、離職率が高い企業さんからも問い合わせが多いですね。
あとは1か月に10通ありがとうを送ったら、主に開発途上国を中心として世界中の子どもたちに給食1食分相当の寄付を弊社からお送りする、みたいな取り組みもしてるので、CRS活動に力を入れられている企業さんも利用されています。この取り組みを始めて4年になりますが、先週の時点で累計8万食くらい送っていますね。

「ありがとう」の力でチームをつくる。

—— 社風について教えてください。

ひとことで言うと、「したことない、をへらす会社」です。なのでベンチャーマインドを持っていて、失敗を恐れずに挑戦していく社員が多いですね。女性の方やリモートで働いている方も、確かなベンチャーマインドを持って挑戦を続けています。
去年の9月に閉めたんですけど、もう一つもう一つ物販を中心とした部門がありました。この部門の社員もみんな挑戦していく人で、コロナ禍でも頑張ってくれまして。結果、売上が前年比140%くらい伸びるという結果を出してくれました。

——社員さんは何名ほどいらっしゃいますか?

社員及び日常業務をお願いしている業務委託の方を合わせて30人くらいなんですけど、宮古島や伊豆大島に住みながら働いてる、なんて人もいまして。働く場所は遠く離れていても、RECOGを利用しているのでコミュニケーションロスは少ないです。
そんな環境なので、社員同士でのつながりもしっかりあります。社内イベントとかもやってて、例えば会社の庭でバーベキューしたり、希望者を募ってボードゲームしたりとか。この前はカタンというゲームをやって、盛り上がってましたね。

「ありがとう」を資産にしたい。

—— 今後、実現したいことなどはありますか?

将来的には、転職しても「ありがとう」を持ち越せるシステムを作ろうと思っています。前の会社でもらったありがとうをスコアにして、キャリアアップする次の会社に持っていく。そうしたらきっと、ありがとうが資産になりますよね。
例えると、飲食店に点数付けるサービスの、働く版みたいな感じですね。人材1人1人に星いくつ、みたいに評価が付いて。会社から見たら、すごく評判のいい人材がわかるようになると思います。こんな感じのサービスをやりたいので、きっと将来は他のビジネスSNSみたいな会社が競合になるんじゃないかと。

——最後に、なかなか1歩を踏み出せない若者に向けて、メッセージをお願いします。

20代くらいは、いっぱい失敗した方が良いです。結局、大した失敗にならないから。だからとにかくいっぱい挑戦して、とにかくいっぱい負けることですよ。逆に一番ダメなのは、挑戦も、勝ちも、負けもしないことだと思います。
失敗が怖いっていう人もいるけど、自分からしたら何が怖いの?って感じ。そういう人は多分、まだ挑戦したことがないから、挑戦ってどういうことか、負けるってどういうことかわかってないんでしょうね。プライドが高くて、失敗してる自分がいやだとか、完璧主義だとか言ってみたりして。
でもよく考えたら、挑戦してない自分の方がいやじゃないですか?自分は何者にでもなれるのに、まだ何者にもなってないから。何者かになりたいなら、とにかく動いて、とにかく失敗したらいいんじゃないでしょうか。

株式会社シンクスマイル

設立 2007年6月6日
資本金 1億2200万円(資本準備金含む)
売上高 非公開
従業員数 非公開
事業内容 チームワークアプリRECOGの開発・販売等
URL https://www.5smile.com/
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